深夜の砂浜でただひたすら連れていかれようとしていた
頭の中に浮かんでくる不遜な言葉たちを漂うまま君を通して、
海に捨てた
見えそうで見えない流れ星を見ていた
大人になるにつれてできあがってきた網目の隙間から必死にひかりを追いかけた
自分を傷つけないために張り巡らした網だったはずなのに
自分を縛りつけて盲目にしていた網
捨てようにも粘稠なその糸たちがからみついて頭から離れず人を人とも思えないつくりにしてしまっているのであった
訳もわからず愛を叫び泣いた
激しい感情はそこになかった
ただ以前のような死はなくて
副交感神経に支配されていた
これが噂に聞く幸福なのかな
幸せだと唇の中でつぶやいた
息ができないほど接吻をして
気管を閉ざして海の中にいた
心以外の全てが酸素を欲して
心が全てを無視しきったから
私は一つの愛だけ追いかけた
激しい感情はそこになかった
ふらりと死を羨望することも
ただ幾千の星のような遠くに
明後日から再開する焦熱の獄
白装束から発されるいかづち
この地で生きようとする人々
そんなものたちが寄せ返した