今回は物理ネタの予定でしたが、個人的な都合により、私事雑感に差し替えました。予定していた内容は12月に掲載するつもりです。
さて、先月には花粉症の症状が何日か発生した。夏から秋にかけてブタクサの花粉が飛んでいるそうで、その影響だろう。幸い春に処方してもらった花粉症の薬を残していたので、その薬で対処できた。
しかし今年の夏は長い。この調子だと、私が生きている間に南極やグリーンランドの氷河の多くが溶けて、海面上昇が危機的な状況になるんじゃないのか。そうなるとウクライナとロシアの穀倉地帯の大半が海の底、何の為に戦争をしているんだか、まったく人間は愚かしい。
前回のau PAYサイトのログインの件は、現実的な対策が見つかった。
私は手が不器用なので、スマホの操作がパソコンより苦手で、タップやスワイプを頻繁に間違えて操作し直すことが多い。特にあのスマホの小さいソフトキーボードの入力ミスの確率は5割以上だろう。
だから最近まで、スマホのアプリは使っても、スマホのブラウザは使わなかった。パソコンに比べてスマホの画面は狭くて各種サイトの表示が見えづらいという点も考慮してのこと。
私は全部で6枚のクレジットカードを持っているが、今まではすべてパソコンからクレジットカード会社の各サイトにアクセスして、利用明細を確認してきた。idとパスワードにせいぜい合言葉やワンタイムパスワードのメールが加わる程度でログインは簡単だった。
ただ、今回、au PAYサイトのパソコンからのログインが非常に複雑になった対策として、au PAYクレジットカードのサイトkddi-fs.comをスマホのブラウザからアクセスすることが最適と判断。そのためスマホにgoogle chromeをインストールして、kddi-fs.comだけ例外的にスマホからアクセスすることにした。
この方法だとbluetoothでスマホとパソコンを接続する必要がないし、id.auone.jpでの意味不明な15分間の"パスワードによるログイン設定"を有効にする必要もない。QRコードをスマホのカメラで読む必要もない、実に簡単なはずだ。
結果は私の予想通り。スマホのchromeでkddi-fs.comにアクセスして、携帯電話の番号を入力後、生体認証を実行するだけでログイン、すぐ利用明細を確認できた。
kddi-fs.comサイトの目的の一つはパソコンからのアクセスを減らしスマホからのアクセスを増やすことに違いない。フィッシングメールによる違法なログイン対策などではなく、スマホのWi-Fi接続をオフにさせて、4Gや5G通信を増やしauの通信料金を増やすことが真の目的なのだろう。
まったくauもau PAYも商魂逞しい。無論、詐欺ではないが、卑劣な手法だ。
最初にこの対策を思いつかなかった点や、ここまで見通せなかった点は、私が頭が悪い、ことの証拠といえる。
なお、利用明細を見終わったら、スマホのWi-Fi接続をすぐオンに戻すのは当然だ。
ちなみに、最近、Wi-Fi一体型のau光モデムにかえると携帯電話料金が安くなる、という勧誘の電話が私のスマホに何回もかかってきたが、すべて断った。なぜなら、このau光モデムでは毎月のWi-Fi利用料金がかかるが、私はWi-Fiルーターを自分で買って既存の光モデムに接続しているので、Wi-Fi利用料金を払わずにすむから。
それにその方が、最新のWi-Fiルーターに買い替え可能、という利点もある。
スマホを持っていて、取引がなく得体の知れない自称不動産屋から電話がきても、すぐ切り着信拒否の番号登録が増えるだけ。出不精なのでスマホのアプリを使っても、自宅のWi-Fi経由の通信がほとんど。だから携帯電話料金も多くはない。
私はau泣かせの利用者なのかもしれないな。
これ以降は、プロ野球に関する話題を取り上げよう。なお敬称は省略し故人と存命も区別しないこととします。
ブログではあまり触れないが、私は小学生の頃からの巨人ファンで川上監督のV9時代からTVで巨人の試合を見てきた。当時のスターティングメンバーは、ピッチャー堀内、キャッチャー森、ファースト王、セカンド土井、サード長嶋、ショート黒江、レフト高田、センター柴田、ライト末次で、先発ピッチャーには高橋一三や渡辺もいた。打順は柴田、土井、王、長嶋、末次、高田、黒江、森、投手の順。王と長嶋はその調子によって逆になる場合もあり、下位の打順も変更される場合が多かった。投手が8番目の打順になることもあり、2廻り目以降の上位打線を厚くしたいという意図だったのだろう。
川上は、石橋を叩いて渡る、または、石橋を叩いても渡らない、と表現された程の慎重派の監督だった。
他チームの先発では阪神の江夏、大洋の平松、広島の外木場が思い浮かぶ。全盛期の江夏はその剛速球と落差の大きいフォークで三振の山を築いていた。江夏が王と長嶋を三振にとった後に、少し気が緩んだのか、末次にホームランを打たれたこともあった。平松のカミソリシュート、外木場の大きく曲がるカーブも印象的だった。
黒江の前のショートは広岡らしいが、私が見始めた頃には広岡から黒江に代わっていた。その広岡は理論派で直観を大事にする長嶋とは当時からソリが合わなかったらしい。あとで聞いた話では、長嶋が三塁ベース上で広岡がバッターの時に、長嶋はヒラメキでホームスチールを試みたそうだ。勿論、ベンチからのサインプレーではなく長嶋の独断で、その結果までは知らないが、広岡は、そんなに俺が信用できないのか、と怒ったという。広岡の犠牲フライやヒットを待たずに、誰も警戒していないからやってみよう、という発想だったのだろう。
長嶋は監督の頃、長嶋カンピュータ、とよく批判されたものだ。巨人監督への批判は今も昔も変わらない。
ここ数年の巨人は明らかに低迷期だが実は私はそれほど気にしていない。スポーツチームの盛衰は必然で、長嶋監督の最初の年には最下位に落ち込んだ。今年の中日も悲惨だったが、10年程前の落合監督当時はセリーグ最強の投手陣を誇り常に優勝争いをしていた。今年の阪神は投手と野手を含め戦力はそれ以上の充実さで、今後数年は優勝争いの筆頭だろう。
阪神では優勝をアレとかソレとか言うらしいが、ここまで強くなったのだから堂々と優勝と言えばいい。勿論、ただの流行で、チームやファンが楽しんでいるだけなのは明白だが。あるいは昨年の村神様に続く今年の流行語大賞を狙っているとか?
ところで阪神の監督人事が興味深い。昨年までの矢野監督はそれ以前は阪神の2軍監督を務め好成績を収めていた。つまり矢野監督は育成の手腕を買われていたわけで、その監督を1軍監督に抜擢したことは、昨年までの阪神の方針は育成に重点が置かれていたことを意味する。
矢野監督の任期は3年だったと思うが、その間に矢野監督は阪神をAクラスの常連に押し上げ、巨人にも十分に勝ち越せるまでに育てた。そこで阪神は方針を育成から勝利優先に切り替えて、過去に阪神で優勝経験がありオリックスの監督も務めたベテラン勝負師の岡田をつれてきた。育てる監督から勝てる監督に替えたと言える。そしてその方針変更は見事に成功。昨年優勝して三冠王も獲得したヤクルトの村上選手の不振もあって、そもそも岡田監督が言い出したアレ(=Aim Respect Empowerは球団による後付け)を、阪神は達成できたのである。
なおセリーグ優勝が決まった後は、さすがにアレは言わなくなったが、ソレは日本シリーズ優勝の隠語として阪神ファンの間で使われ続けているだろう。
ちなみにヤクルトの高津監督はデータ重視(ID)野球で、野村監督の後継者。
チームの低迷期には、選手だけでなく監督とコーチにも批判の矛先が向くが、本来、プロ野球チームの方針はオーナーが決める。今年の巨人の動きを見ていても、優勝は建前でオーナーの本音は有望な若手選手の発掘と育成にあるのは明らかだ。後はスカウト、監督、コーチ等の現場の仕事。また監督を含めた人事は、自ら辞任する場合を除き、最終的にはオーナーの判断。ファンが口を出したい気持ちはわかるが、そうしても鬱憤ばらしにしかならない。私は少なくともオーナーの育成重視という方針は正しいと思う。あとは気長にTVやネットで見守り応援するだけだ。
巨人の監督人事については、正直なところ私は誰でもいい。過去には広岡、森、中畑、江川、松井らの巨人監督としての采配も見たかった。原監督が退任すると仮定して、後任はヘッドコーチの阿部、OBの上原、前ソフトバンク監督でOBでもある工藤、WBC監督を務めた栗山らが候補か?
原は積極的に動きたい監督で、戦力的に優っている場合はまだしもそうでない場合は、貧すれば鈍する、で動いた結果が裏目に出る場合が多い。その点、比較的冷静沈着と思われる工藤や栗山を個人的には推したいが、誰が務めるにせよ現在の戦力を考慮すると、今後数年は勝利より育成を優先せざるを得ない。
不満タラタラの巨人ファンは認めないかもしれないが、球団の実績データを見ても阪神と巨人の間には大きな戦力差があるのは明白だ。10連勝を何度も達成した阪神と違い、巨人は連勝どころか連敗ストップも困難な有様だ。阪神と巨人の対戦成績は2桁の負け越し、監督の采配やコーチの指示の優劣だけではこの大差は決してつかない。明らかに巨人の選手は阪神の選手に比べて実力不足。やはり対戦成績で9試合負け越した広島に対しても同じことが言える。大幅に分が悪いチームが2つもあってその2チームだけで借金を21もつくっている。勿論、この2チームがセリーグの上位チームで、この改善は容易ではないから、来年もAクラスは難しいし、優勝も望めない。それは誰が監督をやっても同じだろう。
巨人選手の実力不足をもう少し説明すると、例えば他チームの特定の野手や投手を苦手にする場合が多い。研究不足やその選手の自信といった要因もあるが、野手に対しては苦手意識や自信が持てない等の理由で、四球や死球を多く出し、負い詰められた末に失投を痛打されて大量失点というパターン。これはチーム防御率の悪さ、特に救援投手の防御率がセリーグ最低という数値に現れていて、投球にキレがないとかコントロールが悪いといった投手の実力の低さが主な要因といえる。
巨人の野手についてはチームの本塁打数は多いが四球の数は少なく、バントや犠牲フライの成功率が低く得点圏打率も低い。つまり阪神や広島のような組織的な攻撃が出来ないから選手個々の本塁打に頼るしかなく、投球にキレがある投手やコントロールのいい投手からは本塁打を打てなくて勝てない。それは完封負けが多いことからも納得できる。
結局、巨人選手の実力の低さが勝てない根本的な原因で、いくら監督が采配をふるってもコーチが指示を出しても無駄なのだ。
昔、相撲の若乃花が言っていた、弱いから負けるんです、と。単純明快、それ以上の答えはない。
巨人選手の実力を上げるには上記の不足部分の対策となり、投手なら投球のキレとコントロールの向上。野手も加えて選球眼や犠打や走塁の改良。配球を読む能力と状況判断能力、言い換えれば野球という頭脳戦に勝つための知力と推理力の向上が必須となる。体力と精神力を高める必要もある。これらすべてを全選手が基礎から一歩ずつ積み上げていくしかない。根気と時間を要する作業となる。
新人選手の実力を1軍レベルまで上げるには、一般的に3年程度はかかると言われる。そのうえ結果を出せずに引退に追いやられる若手選手も数多く、それは仕方がない。やはり長い目で見守るしかない。
元々巨人はFAで大金を払い他チームから実力のあるベテラン選手をつれてきて勝ってきたチーム。FAで広島から巨人に移籍した丸はその成功例で2度のセリーグ優勝に貢献してくれた。その後、FA移籍した選手が怪我をした上に、若手選手の育成が思うように進まず、さらに主力選手の老齢化が加わって、戦力の大幅な低下を招く結果となった。そこで巨人のオーナーはFA依存から育成重視への方向転換を図ったのだろうが、長年FAとトレードに依存してきた球団の体質によって、選手の育成にひいでた指導者が巨人には生まれてこなかった。
その対策として巨人OBではなく他チームのコーチを務めた実績のある指導者を招いてきたが、チームの習慣と文化の違いや人間関係や信頼関係といった組織的障害により、うまく機能していないように感じていた。
今年の新任コーチのうち、大久保コーチと阿波野コーチは巨人OBでもあるが、久保投手巡回コーチは阪神OBで選手時代に巨人に在籍したことはなく、阪神での投手育成の手腕を買われて加わったコーチ。久保コーチも精力的に活動しているが、まだ1年目の段階で成果が十分出ていないようだ。やはり育成には時間がかかる。
FAとトレードに関する話自体も興味深い。昔、ダイエーホークスが資金難に陥った際に、活躍した業績に見合う年俸を出せないという理由で、ホークスから小久保がトレードで巨人に移籍したことがあった。その後、ダイエーはソフトバンクに球団を売却してホークスの資金難は解消。ホークスに愛着があった小久保はFAを使ってホークスに戻った。中田は日本ハム在籍時に暴力事件を起こして日本ハムに居づらくなり、見かねた当時の栗山監督が巨人に無償トレードを申し込んだ。巨人に移籍した中田は不調に陥ることもあったが、2軍での長嶋終身名誉監督による技術的な指導を受け、巨人で選手生活を続けている。長嶋の指導を受けたことは巨人在籍が球団内で実質的に認められたことを意味する。それくらい長嶋は球団内で影響力のある存在で長嶋が認めたことは誰も反対しない。
DeNAの平良はFAの補償として巨人から移籍した選手だが、今ではDeNAの先発投手として活躍。DeNAの太田と中日の宇佐見も巨人では結果が出せず日本ハムに移籍した後にFAやトレードでセリーグに戻ってきた選手で、今ではそれぞれのチームで必要とされる選手になっている。
やはり巨人はFAとトレードに注力した反動で、育成がおろそかになっていた。
勿論、巨人にも育成契約で入団した後に、成長して実績を残した選手がいる。現在投手コーチを務める山口がその代表例。山口はそれ以前は米国の独立リーグに在籍していて巨人入団時には既に十分な球威の持ち主だったという。だから山口の場合はダイアモンドの原石を拾ったに等しかった。
問題はドラフト1位で指名された選手が思うように成長し結果を出すことが出来ず、引退したり他球団にトレードされるケースが数多いこと。DeNAの太田もその一人だ。しかし太田は日本ハムで成長してレギュラーを取りFAでDeNAに移籍し関東に戻ってきた。
太田の例を見ても巨人の育成には問題があるが、日本ハム移籍後にすぐ結果が出たことを考えても、問題は技術的な事柄ではなく、物の見方や考え方といった内面的心理的な内容で、早い話が選手個々の話をよく聞いて個人の性格や考え方を理解し、選手の身になって対策を考えるという姿勢が巨人には欠けているのではなかろうか。
巨人の監督やコーチは自分の考え方や経験を選手に押し付けるだけではないのか。
この対策としてはセラピーの手法を導入するという手がある。選手の技術面を担当するコーチと肉体面を担当するトレーナーにさらに精神面を担当するセラピストを加え、コーチとトレーナーとセラピストがチームを組んで選手の技術と肉体と精神をサポートできる体制を構築する。セラピストがコーチやトレーナーから情報をもらい選手の悩みや不安を聞いてそれを解消し前向きな気持ちになるように誘導する。この作業を繰り返すことにより選手育成の効率化とスピートアップも図れるはず。巨人には1軍、2軍、3軍、リハビリ組と数多くの選手が在籍しているので相当数のセラピストが必要になるが、決して無駄な投資にはならないだろう。
さて育成に関して過去の例を持ち出すと、松井を育てた長嶋、岡本を育てた高橋、坂本や秋広や門脇らを育てた原はまだましな方かもしれない。栗山は大谷を育ててWBCにつれてきたことで有名だが、大谷は飛び抜けた才能を持つ稀有な選手で栗山の育成能力は不明。工藤は監督の在任期間が比較的短かったので、勝てる監督ではあっても育成の手腕は未知数。
阿部の2軍監督時代やコーチとしての評判はなぜか聞こえてこない。スポーツ紙の記者に話したコメントさえ少ない。おそらく阿部は黙々と努力する性格だが口下手でもあり、選手への助言や選手とのコミュニケーションを取るのが苦手なのだろう。多弁になる必要はないが、その立場上、"最高です"みたいな省略語ではなく、最低限必要な言葉数を使って選手に具体的に説明し理解してもらわなければならない。
阿部は現役時代、試合中にマウンドに歩みより、無言で、ピッチャーの澤村の頭をキャッチャーミットでポカッと叩いたことがあった。ヒーローインタビューでは、最高です、だけを何度も繰り返すことが多かった。観衆にはウケていたが、あれは、俺は話すのが苦手だ、という意思表示ともとれる。現役選手ならそれで問題ないが、指導者はそれでは通用しない。努力して自分自身を変えていかないと。それは解説者になった場合も同じ。
私は人間嫌いの性格で、技術職はともかく管理職にはなりたくなかったし、周囲もそれは十分理解していて、実際、技術職以外の営業職や管理職には就かなかった。
私は普通のプログラマーでしかなかったので周囲の期待もなく無理せずに済んだが、人生は皮肉なもので、阿部は選手として活躍しすぎたので周囲の期待が大きくなり、監督やコーチへの道が開けて、現役引退後、その対応に苦労しているように見える。
逆に上原は話術は達者だが監督やコーチの経験も指導者としての経験もなくほぼ対象外、ただ国立の教育系大学卒なので適性はあると思う。ちなみに栗山も国立大卒だったはず、国立大卒のプロ野球選手は少数派で、貴重な存在。
これらを考えるとオーナーが原監督の続投を選択する可能性もゼロではない。ただそれ以前に、原が3年連続優勝なし2年連続Bクラスの責任をとって辞任するのは確実だと思われる。阿部ヘッドコーチの監督昇格もないとは言い切れないが、阿部や大久保らのコーチの辞任もかなりの確率で予想される。なぜなら球団初の3年連続シーズン負け越しという不名誉な成績に終わる可能性が高いから(9/30時点で借金2残り3試合)。
その場合、前監督の高橋の復帰や工藤や栗山らも検討の対象に加わるだろう。
なおオリックスのパリーグ3連覇を考えると工藤にはソフトバンク復帰の可能性があるはず。元々工藤の巨人監督説はソフトバンクの王会長が言い出したもの。その足元に火がついた状況では巨人OBの王会長も悠長なことは言っていられない。工藤本人も巨人かソフトバンクかどちらを取るか選択を迫られたら慣れ親しんだソフトバンクを選ぶだろう。栗山にも今後様々なオファーが予想され栗山自身が巨人とのつながりが薄い。そもそもWBC優勝監督の栗山を推すのは私の個人的意見に過ぎず、過去に巨人OB以外の人を監督に招いた例は、私の知る限りではない。
結局、この両者ともに巨人監督への招聘は難しい、と思う。
それに現在の巨人の戦力を考えると、来年も結果が出ないのは明らか。誰が監督になっても大差ないから、ババを引くみたいで、積極的に引き受ける人は少ないはず。その点は早々に立浪監督の留任が決まった中日も似たような状況なのだろう。
勿論、最近の巨人の戦力はトランプのババ抜きのババに該当する、という意味だ。
昔は違った。川上監督時代は巨人が日本シリーズで9連覇した。ドラフト制度がなかった時代に獲得した王や長嶋といった選手が主力だったから当然とはいえ、戦力的に充実していたのは明らか。
私が小学生の頃は巨人戦のTV中継は地上波で全試合放送され、TV番組の花形だった。勿論、巨人の監督もトップスターで誰もが憧れる存在。ところが最近は巨人もプロ野球の人気も廃れて視聴率が取れなくなり地上波の全国放送は激減。阪神も地上波の放送は関西のローカル局による阪神の主催試合だけという状態。BS放送で公式戦の大半が中継される巨人の場合はまだましな方だろう。ただし番組の時間枠をはみ出た場合は、別チャンネルでの画質の低い放送となることが多い。その場合、私はケーブルTVに切り替えて、巨人戦の生放送を探すことにしている。
人気の凋落という意味では、娯楽もスポーツも多様化の時代なので、致し方ない。無理せず可能な範囲で、TV観戦するしかない。
8年程前の高橋監督の就任時には、最初、球団は松井に監督就任を打診したが固辞されて、仕方なく当時まだ現役選手だった高橋を説得し引退させて監督にすえたという経緯があった。固辞の理由は明らかにされなかったが、今年のシーズン終了後も、巨人の監督人事は混迷を深め紛糾、という事態が発生するかもしれない。
ただ前監督の高橋なら、球団から要請が来れば、来年結果を出すことが困難な状況を承知のうえで、監督を引き受けるに違いない。工藤と栗山はリーグ優勝と日本シリーズ優勝を成し遂げた名監督、両者を取り巻く周囲の状況を無視したとしても、火中の栗を拾う、の譬えがあるように、下手に監督を引き受けて結果が出なければ評価を下げることになる。その点、高橋は優勝した実績がなく失うものがないから、優勝に挑戦できるチャンスと考えるはず。
あと昨年ソフトバンクから移籍して今年引退する牽引役の松田をコーチに採用するのはいい案だろうし、巨人の2軍監督として実績を残した二岡を1軍監督に抜擢するのも悪くないアイデアだと思う。
果たして監督を含めた巨人の新体制はどうなるのか、来年も結果が期待できないとはいえ、ファンとしては気になるところだ。
なお私は熱心な巨人ファンとは言えない。TV観戦も読書等の他のことをしながらの観戦だし、大差で負けている場合にはTVのスイッチを切ることが多い。
巨人の勝率はせいぜい5割程度、入れ込まず力を抜いて自然体で楽しんだ方がいい。