本題に入る前に、雑事を。

最近、シャワートイレから水漏れがあり、修理依頼をしたところ、シャワートイレ本体からの水漏れと言われ、新品に買い替えて交換工事をしてもらった。故障したシャワートイレは分譲マンションの入居時から付属していた物で約23年前の製品。昨年、給湯器を買い替えたが、シャワートイレも交換時期ということで、仕方ない。在庫がある比較的安い商品を選んだので、工事費込みで107,800円。

その費用をクレジットカードで支払おうとしたところ、暗証番号が必要だった。

たぶんクレジットカードの作成時に暗証番号を設定したのだろうが、何年も前の話で、6枚のクレジットカードすべて暗証番号を憶えていない。ネットショッピングや公共料金等の支払い設定では暗証番号が必要ではないし、キャッシングはやったことがない。だから暗証番号を入力する機会がなかった。昔は普通のお店でクレジットカードを使う場合も暗証番号は不要だった。

シャワートイレの費用は銀行口座への振り込みに変更してもらったが、今後、この暗証番号の問題にどう対処するか、とりあえず窓口に電話することにした。

6枚すべての暗証番号はとても憶えられないので、2枚ほど暗証番号を調べることにして、窓口に電話をかけたが人間は出ず、自動応答メッセージに番号を押すだけ。クレジットカード番号の16桁の長い数値を何度も押し間違えながら、何とか2件の暗証番号通知のハガキを送ってもらうことに成功。

最近のクレジットカードにはICチップがついている。私が持っている6枚も同じ。さらにICチップの横に波マークが入っているものがあり、これはタッチ決済が可能で暗証番号を入力する必要がないカードらしい。お店の端末が暗証番号とタッチ決済の両方に対応しているとは限らないが、クレジットカード払いが可能な場合は、その両方に対応しているケースが多いだろう。

今回のシャワートイレ買い替え工事でもタッチ決済も可能と言われたのだが、手持ちのカードのICチップのすぐ横には波マークがなかった。ところがあとでよく見るとICチップの横から少し離れた場所に波マークがついたカードが3枚あった。その時に気付いていれば試してみることも出来たのに。


ゲームソフトFF16の中で興味深い言葉があった、人の数だけ"正しさ"がある、と。この言葉はこの記事の内容に相応しいように感じる。FF15もそうだったが、FF16も最後は悲劇で終わる。主を助け臣下のナイトが命を落とす騎士物語の代表的筋書で、内容は子供向けのDQとはかけ離れた大人の物語。FF10には若者のキスシーンがあったがFF16にはキスは勿論濡場もある。DQの幼稚な物語で育った日本の若者には刺激が強く不人気だろう。ゲイの同性愛も登場、その意味でも海外向けか。

以前の記事の誤記訂正を一つ。FF12のモブハントに該当するのはFF16ではリスキーモブと呼ぶ。リスキーモブは物語重視のモードでもすべて倒すことが可能。FF16の終了後は強くてニューゲームに進める。敵が強化され新武器等も追加。私はFF16の強くてニューゲームには手を出さずに、今年の初頭に少しだけ遊んで中断していたPS4版のGod of Warを再開した。来年2月末発売予定で予約済みのFF7 Rebirth(PS5)までは、GoWの物語をゆっくりマイペースで楽しむつもり。

GoWも少年の息子を伴った大人の物語で、フィールド上の仕掛けが凝っている、という印象。PS2版のGoWのように手が不器用なせいで物語が進められなくなれば諦め、Horizon Forbidden Westの収集アイテム集めでもやっていよう。

日本と違い海外は大人のゲーマーが相当数いるに違いない。躾の厳しい欧米の家庭では、低年齢層の子供がゲーム機で自由に遊べる時間は少なく、子供のゲーマーは少数派なのかもしれない。だから学生や社会人になった後で本格的にゲームを始める人が多くなるのだろう。私の場合は子供の頃にゲーム機自体が存在しなかった。

TVドラマの話題も一つ。最近、私が気に入った海外ドラマに、カナダで制作されたMurdoch Mysteriesがある。19世紀末が舞台の刑事ドラマで科学的手法や時代背景が盛り込まれて興味深い内容になっている。シーズン1のcopyrightが2008年だったので、どこまで続くか知らないが、週一のペースで最終話まで見れそうだ。


さて、本題に入って。

今回も、巨人について触れます。やはり敬称は省略させてもらいます。前回もそうだが今回の記事も、私の勝手な考え方に基づく内容で、不愉快に感じる方も多いと思うが、それは私個人の個性とも言え、言論の自由を認めてもらうしかない。

さて前回の記事を書いた後、巨人の新監督に落合を推す動画を見ていると、阿部に触れている部分があった。その動画によると、阿部は2軍監督時代にパワハラとも取れるシゴキをして、それがチーム内で問題となったらしい。

この動画が指摘していた阿部のパワハラ問題が事実無根で捏造である可能性もなくはない。ただ以下に書くように私の記憶と上手く符合する部分が多いのも確か。

阿部に関して私の記憶をたどると、確か2年程前のことだと思うが、阿部の2軍監督時代に格下の対戦相手に練習試合でボロ負けして、選手全員に罰走を課したという記事があった。その罰走を含めて日頃の阿部の教え方が一部の選手にはパワハラもどきのシゴキと受け取られたのだろう。阿部は口下手で上手く説明できないから、試合中に澤村の頭をミットで叩いたように、結果が出せない場合は話ではなく罰を与えてしまう。勿論、悪意はないだろうが。

ジャニーズ事務所の問題もそうだが、事実はどうあれ、セクハラもパワハラも被害者の受け取り方がすべてで、申し開きが出来ないというのが世間の常識。そういうイメージを与える方に責任がある。

その後、当時、1軍のヘッドコーチを務めていた元木コーチが病気か何かの理由で一時的にチームを離れたことがあり、阿部が1軍のヘッドコーチ代行として2軍監督から異動してきた。そして元木ヘッドコーチが復帰した後も阿部は2軍監督に戻ることなく1軍に留まった。死亡や重篤な疾病による欠員なら別だが、一時的な離脱によりシーズン途中でコーチの異動が発生するのは極めて異例で、復帰した後に元に戻らないのも奇妙。私は何か不自然なものを感じたが、パワハラ問題がその背景にあったと考えれば納得がいく。おそらくパワハラ問題を聞いた原が阿部をかばう為に異動させたのだろう。原はチームの指揮権と編成権に加え球団の人事権も実質的に持っていたに違いない。

やはり、このパワハラ問題は真実である可能性が高い、と私は考えている。

だがこの異動は、阿部が自力でパワハラ問題を解決する機会を奪い、阿部の成長を妨げたとも言える。阿部の口下手から考えてパワハラ問題の解決はまず無理だろうが、そこは一般の社会人と同じで、何事も経験、自分で蒔いた種なのだから自分で刈り取らないと、上司に頼るだけではダメ。阿部が自分が作り出した問題も解決できない凡人なら、そこまで頭が回らない原もやはり凡人以外の何者でもない。

さて巨人は原監督が辞任し、阿部ヘッドコーチが巨人の新監督になった。

勿論、ヘッドコーチからの昇格はよくある人事ではあるが、阿部は2軍監督時代もコーチになってからも評価されるような仕事は何もしていない。ソフトバンクの新監督の小久保と比べると選手時代の経験や現役引退後の実績は見劣りがする。確かに阿部の現役時代の実績は素晴らしく小久保と比べて遜色ないが、私が今までTVでプロ野球を見てきた経験から言って、名選手が必ずしも名監督になるとは限らない、むしろ逆の場合の方が多いと感じる。

その理由の一つが、阿部のような名選手は、野球と所属した唯一の球団の経験しかないこと。

小久保はソフトバンクと巨人の両方で選手として活躍し、退団後はWBCの監督やNHK解説者を務め、再びソフトバンクに復帰して2軍監督としてウェスタンリーグ優勝、ファーム日本選手権で二岡2軍監督率いる巨人を破ってファーム日本一になった。それに比べ阿部は巨人の経験だけで退団したことさえない。

もう一つの理由が、実は周囲が期待するのは、その人が持つ運だということ。

名選手として活躍するには実力は勿論だが運も重要な要素だ。名選手として優れた実績を残せた人は強運の持ち主でもあるに違いないと人々は考える。だが運は確率に過ぎない。今日までツイていたとしても明日からもツイているとは限らない。運を使い果たし明日からはすべてが裏目に出ることもありうる。それが確率の本質であり、最終的にプラスマイナス=ゼロというのが最も起こりやすい

阿部の場合はパワハラ問題でミソが付いたことから、選手時代に持っていたツキは既に終わっているかもしれない。その問題を自分で解決していれば、またそのうちツキも回って来ただろうが、上司の原に泣きついて逃げ出したのでは、運そのものに見放され、もうツキは回って来はしない。まあ常識で考えても分かりそうなものではあるが。原がかばい監督の道まで残してくれたのだから、感謝しないと。勿論、監督になった以上、もはや誰もかばうことが出来ない立場となった。あとは自分で責任を取るしかない。

阿部の監督就任会見では、自らを含め巨人全体が変わらなければならない、と発言していた。周囲の話をよく聞き、言葉を尽くして相手に説明し理解してもらうよう日々努力すれば、阿部を取り巻く環境は着実に改善するに違いない

3年程前、原がまだ現役だった阿部に引退を勧めた経緯があり、その際原は阿部に将来監督の地位を譲る決心をしていて、今年のBクラスが確定した後、原は自身の辞任と阿部への監督委譲の希望をオーナーに伝え、了承を得たのだろう。

原は長年に渡って巨人の監督を務めリーグ優勝や日本シリーズの優勝を何度も達成した功労者で、原の意向をオーナーが無視できなかったのに違いない。さらに原は阿部のパワハラ問題での異動のように人事も思うように操作できた。ある意味では球団を実質的に支配できる状況を生み出していたとも判断できる。本当かどうかは知らないが、原は辞任によりチームの指揮権は返上してもGMとなって編成権は持ち続けたいと希望したようだが、オーナーが拒否したという話もある。それらを考慮すると、今回原が正式に指揮権と編成権の両方を返上したことにより、原全盛時代が終わって権力の二重構造が解消、オーナー中心の本来のシンプルな体制に戻り、結果的にいい方向に向かったと言える。

私が今までTVで観戦してきた巨人の監督は川上、長嶋、王、原、高橋が野手出身で、藤田と堀内が投手出身だった。今回の阿部は初めて捕手出身の監督となった。なお原と違って、阿部は指揮権のみを持つ監督となる。

なおコーチ選定にもオーナーの承認が必要となった。原が阿部を勝手に異動させたことから考えて当然の処置といえる。

コーチに関しては予想通り大久保打撃コーチ、阿波野投手コーチ、元木コーチらが退任。いずれも1軍コーチなので、原の辞任と同じ成績不振の責任をとっての退団。ファームの小笠原コーチらも退団でこちらは阿部との相性の問題か、阿部から見て小笠原は巨人の先輩で選手時代の実績は阿部と大差ない。

注目は選手とのパイプ役を務めるヘッドコーチだが、私はバッテリーコーチの村田が経験豊富でWBCでもコーチを務め柔和な物腰で阿部が選びそう、と予想してたが、二岡2軍監督が異動になった。二岡は打撃コーチも兼務。村田は総合コーチでよくわからないがヘッドコーチの補佐役だろう。これはオーナーないし球団フロントの意向なのかもしれない。3軍監督や2軍監督での実績を買って選手のまとめ役に最適という判断なのだろう。私はこの人事には大いに賛成。

投手コーチはファームのコーチだった杉内に、西部で1年間コーチを務めた内海が加わった。外野守備走塁コーチは亀井。村田と亀井は新たなWBCのコーチでもあるが、村田は以前からそうだったし、亀井もWBC関連で一時的にチームを離れることがあっても、巨人のコーチも担えるはず。内海と亀井は阿部派閥のメンバー。バッテリーコーチはスカウトから異動した実松で内野守備コーチは川相。村田と亀井と川相の1軍コーチという立場は以前と同じ。後日追加発表された巨人OBの矢野打撃コーチを含め1軍は阿部と同年代か年下のコーチを多く集めて、阿部がやりやすい環境にしたということだろう。

ファームの2軍監督は桑田。桑田は以前はファーム総監督という名称でファームの若手投手の担当だった。スコアラーからコーチへの異動が2人。3軍監督は駒田で以前と同じ。久保巡回投手コーチも変わらず。ファームは変化が少ない。山口が1軍から2軍の投手コーチに異動になったのは、1軍のブルペン担当だったから救援投手の成績不振の責任を取った形。

桑田2軍監督は自身の研究テーマでもあるスポーツ医学を活用した理に適った練習方法を取り入れたいようだ。投手を中心とした守備重視の野球を目指すということで方針も明確。グラウンド上だけでなく座学も重視という発想も適切。勿論、2軍が来年以降も結果を出せるかはやってみないと分からないが、桑田の考えは明確で、素人の私にも分かりやすい。桑田の唱える理に適った野球にも好感が持てる。将来の監督候補だ。

いぜれにせよ巨人は戦力的には貧弱で勝つのは難しい。スターティングメンバーは勿論だが、投手交代や代打と代走を起用するタイミングを阿部がどう判断するのかが興味深い。攻撃重視か守備重視か、短気なのか我慢強いのか、慎重派か理論派かデータ重視派か、原から継承した積極的に動いては貧すれば鈍する野球か、または長嶋の直観重視のハチャメチャ・カンピュータなのか。

理論とは、犠打や盗塁やヒットエンドランを多用し組織的に点を取る日本式の野球の理論、スモールベースボールをさす。

結果が出なくて当前、パワハラと取られないよう注意する必要はあるが周囲に遠慮せず、自分の目指す野球、理想とする野球をやってほしい。捕手時代の経験を生かせば、理論に従いデータも活用した慎重な采配が出来るはず。来年の阿部の采配が楽しみだ。

また阿部にはなるべく若手選手を使って経験を積ませ、数年後に優勝争いができるような戦力に育ててほしい。

今年のドラフト会議で巨人は1位に西舘投手を指名。クジ引きだったが1/2の確率で残りクジたっだこともあり特に幸運とも言えない。昨年も浅野をクジで当てたが、今年の結果は悲惨で、最近のドラフト会議のクジ運は野球の成績とは関係ない。

実は、私はドラフト1位で指名した選手には、あまり期待していない。

最近のドラフト1位指名の選手を見ると、抑え投手の大勢は見事に2年目のジンクスにはまったし、外野手の浅野は高卒1年目でまだまだ未熟、二人とも先行き不安としか言えない。その他のドラフト1位の投手達に至っては1軍の戦力にさえなっていない。既に桜井と鍬原が戦力外で去り、将来さらに増えそうで、巨人低迷の一因。

つまりここ数年、巨人のドラフト1位は鬼門なのである。

鬼門を解消するには、大勢や浅野や西舘が揺るぎない主力選手になるしかない。

若手の主力選手の戸郷、山崎、赤星、門脇、秋広は全員2位以下の指名。だから2位以下で指名された選手達がどれくらい戦力になるかが重要だが、今年の2位以下は大学から企業へ進んだ選手ばかり。来年の即戦力狙いだが、そう上手くいくかどうか。毎年育成選手の指名も多いが、育成から主力選手にまで成長するケースは多くない。

阿部新体制の誕生を祝して大金を使った大物外人助っ人の補強があるかも。原監督が編成権も持っていた時代とは異なって、編成権は新たな編成本部長が持つという。そのポストには巨人OBで編成副本部長兼国際部長の吉村が昇格した。試合中に大怪我をした後長期間のリハビリを経て復活した吉村はWBCにも打撃コーチとして参加。補強は救援投手中心になるだろうが、どんな選手が獲得できるか注目したい。

補強した選手がチーム内で機能するかどうかは、来シーズンが始まらないとわからない。今年の新外人6人のうち再契約しそうなのは3人で半分しか役に立たなかった。来年もその程度だろう。その補強により若手が経験を積む機会が奪われ、将来的にマイナスになるケースもあり得る。

ファームでの若手選手育成やFAやトレード等が全体的に上手く機能していないMLBのヤンキースと同様に、巨人の暗黒時代はさらにその暗さを増すかもしれない。

数年後、阿部監督が高橋元監督と同様に結果を出せずに退任した場合は、また次の監督が必要になる。その場合は小久保と同様に人生経験が豊富な二岡か桑田の昇格を検討してほしい。

二岡は巨人で活躍した後、不倫騒動を起こして移籍。引退後は地方の独立リーグの監督を務め、その手腕が認められ巨人の3軍監督として復帰。阿部が1軍に異動後、阿部が放り出した2軍を引き継いで立て直し、今年イースタンリーグの優勝を果たした。桑田も巨人からMLBに移籍し引退。大学で学び、その後教鞭をとって教育者の経験も積む。巨人に復帰した後は投手コーチ等を務めた。

誕生日がいつかは知らないが、阪神の岡田監督は私と同じ学年で今年で66歳。原は1学年下だから数年後となると70歳前後。落合が今年70歳らしいから今年の落合と大差ない年齢に達して、さすがに原の4期目の監督就任はないだろう。名実ともに巨人は原から卒業しないと。

数年後には坂本の引退が近いが引退しても2軍監督やコーチから始めるはず。坂本は阿部と同様に生え抜きつまり巨人一筋の純粋培養で、阿部と同様に人気者で客は呼べるだろうが、その経験は巨人に限定され、やはり指導者としての適性には疑問符がつく。坂本と若手選手とでは感性や発想が異なり、阿部と同様にボタンの掛け違いが生じるかもしれない。一般社会でも若手とベテランとの間には常にその可能性が存在する。

プロ野球の選手やコーチや監督という特殊能力を持つ人々であっても、同じ人間で一般社会の常識や法則や法律からは逃れられないのだ。

昔話も追加しよう。

私が社会人1年目の1980年、長嶋監督が更迭された後、監督になった藤田はドラフト会議で原辰徳を引き当てた。翌年は長嶋が育てた江川、西本、中畑、篠塚らを主力にしてセリーグ優勝、日本シリーズでは大沢監督率いる日本ハムに勝って日本一に。その瞬間、ピッチャーフライが高く上がった。通常は内野手が捕球するのだが、投手の江川が手を上げて笑顔で捕球、そのままバンザイ。

それ以前の数年前からの経緯を持ち出すと、巨人入団希望の江川が最初のドラフト指名を拒否して米国へ野球留学。野球協約上の隙間を利用した翌年のドラフト直前の巨人と江川との契約つまり空白の一日騒動。その批判に反発した巨人のドラフト会議ボイコット。ドラフトで江川を1位指名した阪神と当時の巨人のエース小林とのコミッショナー裁定による交換トレード。次のシーズンに26勝した阪神の小林。自身の結果が出せない年月と地獄の伊東キャンプをへて、江川にとってはそれまでの努力と忍耐の日々がようやく報われた最高の瞬間だったに違いない。実は江川が日本一になれたのはこの一度きりで、世の中そう甘くはない。

私にとっても川上監督のV9以来久しく待ちわびた日本一だった。

次の日本一は藤田監督の2期目の1989年で槙原、斉藤、桑田、原等。次は1994年の長嶋の2期目で大久保と落合もいた。2000年ON対決は上原、高橋尚、松井、高橋由等。2002年の原の1期目も同じ。2009年と2012年は原の2期目で内海、杉内、阿部、小笠原、ラミレス等かな。工藤、武田、小久保らの在籍はこの少し前の年代かも。

2002年頃までは私の記憶が比較的ハッキリしてるが、その後はFAやトレードで加入した選手を含めて記憶が曖昧。他球団からの移籍組は野手が張本、大久保、落合、清原、広沢、小久保、小笠原、丸、中田、梶谷等、投手が金田、加藤初、高橋直、阿波野、工藤、武田、杉内等、捕手が有田、実松、炭谷等とにかく一杯いてとても覚えきれない。外人助っ人は尚更無理。

川上のV9以降は、1981年から2012年まで巨人は7回の日本シリーズ優勝だったはず。藤田が2回、長嶋が2回、原が3回で、原は監督在任期間が長い割に優勝の数はそう多くない。勿論、2012年以降日本一はない。

ネットの記事によると、水原と三原が4回、川上が11回、上田3回、広岡3回、森6回、野村3回、原3回、工藤5回で2回以下は省略。川上と森と工藤の回数が多いのは巨人、西部、ソフトバンクという当時の強大な戦力に恵まれたから。今年セパの最強戦力となった阪神とオリックスは何回まで優勝回数を延ばすのか。

オリックスの中嶋監督は昨年初めて日本一になったが、今年阪神が優勝すれば岡田は監督として日本シリーズ初優勝。岡田は選手として1985年に日本一。巨人の槙原からバース、掛布、岡田が放った甲子園のバックスクリーン三連発は有名。

廣岡選手はヤクルトと巨人では1軍に定着できなかったが、太田や宇佐美と同様にオリックスでは1軍定着し日本シリーズでも活躍している。選手とチームの相性は勿論、廣岡は技術よりパワーというタイプでパリーグ向き。

昔、アンチ巨人という言葉があったが、あくまでV9当時の巨人が強かった頃の話。V9以後は巨人は普通の球団に戻り、他球団のファンも増えアンチ巨人は死語に。

常勝巨人にこだわる気持ちも理解できるが、Aクラスさえ難しい現実を謙虚に受け入れた方がいい。かつて巨大戦力を誇った西部とソフトバンクも今では巨人と同じ低迷期、この世は諸行無常、虚勢を張らず自然体が一番。

私はすべてを無条件で肯定的に受け入れるような素直な巨人ファンではない、子供の頃からの性格をそのまま反映した批判的な巨人ファン、ひねくれた巨人ファンだ。

まあ、物事はすべてなるようにしかならない、今後数年の巨人の動向を、じっくり見物させてもらおう。