みろるも 参加して見る事にしました。
短編小説になっただろうか?
初めての挑戦![]()
明日は、クリスマス
平成初期、12月23日が祝日となり、家族でのクリスマスが23日に行われるのが定着した頃。
梨華は、まだ独身だった。
昼職は、事務職。
クリスマスというより、年末に向けて、仕事はピークに達していた。
男性社員にお茶を配る準備をしていると、梨華より若い希美が話しかけてきた。
「梨華さ~ん、今日のクリスマスイブどうするんですか?」
「どうって、、、いつもと変わらないわよ」
「あっ、家に彼氏さんが待っているんですね~、いいなぁ、おうちでクリスマス♪」
付き合っている人がいないと知っている希美の言葉に少々イラっとしながら
自分のプランを自慢したい感じを悟った梨華。
「希美ちゃんは、クリスマスどうするの?」
「えーーーっ、希美ですか? 友達とレストランでクリスマスディナーくらいかなぁ、へへへ」
「いいわね、友達とって 楽しそうね。そのあとはカラオケかしら?」
「友達と朝までカラオケ三昧です~」
と、いつも通りお盆に載せたお茶を男性社員に配りに給湯室から出て行った。
定時になった。
梨華は、いそいそと、退勤する。
そう、梨華は、これから夜職に向かうのだ。
今夜は、クリスマスイブ。
忘年会シーズンも手伝って、予約はいっぱいなのだ。
支度を整え、出勤途中の繁華街の交差点。
見覚えのある声がした。
「〇〇さん♪希美、クリスマスディナー楽しみ~」
梨華は、「まさか、同僚の希美?」と、すれ違いざまに、横目で確認した。
そこには、既婚上司の〇〇と腕を組んで歩いている希美の姿があった。
メガネをかけた上司と一瞬、目が合った気がした。
そうか、そういう事か。
梨華は、上司に夜職がバレたかもしれない恐怖は感じなかった。
その後のお店は楽しくて仕方がなかった。
酔いが回る中、クリスマスソングを熱唱する梨華。
明日はクリスマス。
婚期はクリスマスまで。
そんなことを考えながら、二日酔いの頭を抱えて、翌朝昼職に出勤した。
〇〇さんと、希美は、欠勤していた。
クリスマスソングを口ずさみながら、梨華は男性社員にお茶を配るのだった。