先月、苦しかった9日間の前に、見た作品です。
ぼくが生きてる、ふたつの世界
【邦画】2024年作品
五十嵐大さんという方の実話。自伝を映像化したもの
両親が二人とも、聴覚障害がある、「コーダ」と呼ばれる息子、健常者の自伝的作品。
母親役も父親役も、聴覚障害がある俳優だ。
よりリアリティがあるというか、そのものだ。
とても良かった。
聴覚障害を持つ両親を助ける青年ではなく、
近所や、学校でのいじめ。
世間の目。
反抗期に入り、しまいには、東京に出て行ってしまう。
生々しい、リアルだ。
本人も思っているであろう、反抗していた後悔。
東京での暮らしで、パチンコ店アルバイト生活の中から、やっとあり着けた、雑誌の編集の仕事。
順調に、成長していくが、編集長が、逃げてしまう。
仲間もいなくなり、再び孤独の中。
そして、パチンコ店で知り合った、聴覚障害のお客さん、手話サークルの仲間に助けられ、フリーライターとして公私ともに自立していく。
父親が倒れたと知らせがあったのは、そんな時だった。
久しぶりに帰省した 大。
大人になった大は、両親がいかに、自分を大事に産み育てたか、愛されていたか、思い知るのだった。
と、いう物語でした。
感想
静かに、淡々と進んでいく物語というか、大の人生。
幼少期から小学生にかけての子役さんが、大演じる、
吉沢亮にぴったりだった。
大の友達役に、ドラマ「それでも俺は妻としたい」「こんばんわ、朝山家です」で、発達障がいを上手く演じた子役の嶋田鉄太がいた。彼は、個性派の役者になりそう。続けて欲しいなぁ。
劇中、手話で会話するシーンが多い。
吉沢亮の、流れるような、手話は2か月半練習したそうだ。
多分、セリフの部分だけだと思うが、
リアル感あって、頑張ったのだなと思った。
映画、国宝での役作りは、数年かかったそうですが、
たった2か月半だけど、役作りが必要な作品に、真摯に取り組む役者になったのだなぁと、しみじみ感じたな。
吉沢亮の今までの作品では、考えられなかったもの。
一夜漬けの手話ではない、納得の手話で、
この作品を、ぶち壊すことなく、いいものになったと思うの。
良かった、兎に角良かった。
覚書
監督
呉美保
原作
五十嵐大
五十嵐大(吉沢亮)
五十嵐明子(忍足亜希子)
五十嵐陽介(今井彰人)
河合幸彦(ユースケ・サンタマリア)
鈴木広子(烏丸せつこ)
鈴木康雄(でんでん)
原扶貴子
山本浩司
河合祐三子
長井恵里
