せかいのおきく【邦画】
2023年作品
視聴するシチュエーションや時間帯に考慮する作品
日本映画に欠かせない、お宝女優、黒木華が時代劇の主演というのだから、楽しみに録画して見ました。
モノクロで敢えて公開されているこの作品。
モノクロである必要性が、大きいのだ。
黒木演じる おきくの恋物語が主軸だが、
私は、江戸時代のオトイレ事情がメインの作品だと認識している。
私のこどもの頃は、オトイレ後の物を汲み取り層(AI調べ)のようなものに、ためていて、バキュームカーでくみ取ってもらっていました。
完全に水洗式トイレになったのは、昭和の50年代後半だったと思います。田舎で郊外だったので・・・特に遅かったと思います。
AIで調べると、都市部でも、昭和中期以降に水洗が普及したそうです。
昭和26年にバキュームカーが誕生するまで、物を桶とかトラックとかで運んでいたそうです。
この映画では、まさしく、物を手作業で、ひしゃくで桶に移し、船で運び、お客である農家に売るのです。その様子と、この仕事をする人たちの偏見、世の中の扱い、身分の事。
どんなの身分の高い人でも、きれいな家、きれいな着物を着ていても、物をくみ取ってもらう仕事の方がいないと、どうしようもないのですよね。
物の汲み取りの仕事をしているのは 矢亮(池松壮亮)。
彼のセリフのひとつひとつに、江戸のオトイレ事情が分かる。
物である汚物(農地の飼料)が、頻繁に出てくるので、この作品がカラーじゃない意味が分かるのです。モノクロである必然性があるのですよ。
あと見どころは、寛一郎と佐藤浩市の親子共演です。
寛一郎さん、出始めの頃、黒木華の連続ドラマでイケメン役で出ていた時は、良く言えば初々しすぎて、すぐ辞めるんじゃないかと思うほどでした。でも、この作品で、やっぱ役者の子は役者なんだなと、佐藤浩市の間の取り方、セリフ回しに似てきた。
だけど、親と祖父が偉大過ぎて、超えるのは難しいよなぁと感じました。
この男どもに、文字通り華を添える
黒木華。
安定の存在感と、演技で、大満足でした。
簡単に物語を
お寺の近くのオトイレで雨宿りをした、
松村きく(黒木華)
中次(寛一郎)
矢亮(池松壮亮)
の3人は、出会い、互いを認識する。
忠次は、矢亮(池松壮亮)のオトイレの仕事を手伝い始める。
互いに、惹かれ合う、松村きく(黒木華)と中次(寛一郎)。
ある日、松村源兵衛(佐藤浩市)は中次(寛一郎)に
「すきな人には、世界で一番好きだといえ」みたいなことをいう。
この作品のタイトルだ。
その松村源兵衛(佐藤浩市)は、元武士だったのですが、殺されてしまいます。後を追う、きく(黒木華)は、やられたのか自分で切ったのか分かりませんが、首を切られて、瀕死でした。
なんとか、立ち直り、声を失っても、仕事にありつき、
最後は、中次(寛一郎)とハッピーエンドで、ラストでした。
覚書
監督
阪本順治
脚本
阪本順治
松村きく(黒木華)
中次(寛一郎)
矢亮(池松壮亮)
孝順(眞木蔵人)
松村源兵衛(佐藤浩市)
孫七(石橋蓮司)
