青くて痛くて脆い【邦画】 | nature-adocument

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青くて痛くて脆い【邦画】

2000年作品 東宝 Huluで視聴

 

楓の痛さが、刺さる 

 

杉咲花と岡山天音の関連作品でお勧めに上がってきて、吉沢亮主演なのに、まだ見ていなかったなと、視聴。

 

人と関わり合いたくない、大学一年の田端楓(吉沢亮)と、授業での独りよがりの発言で周りから避けられている秋好(杉咲花)が、互いの理想理論を掲げた、サークル「秘密結社『モアイ』」を立ち上げる。二人の間に入ってきた大学院生、脇坂(柄本佑)と秋好が付き合いだし、モアイの雰囲気も変わり、楓はモアイを去っていく・・・。

何があったかは、映画では表現されていなかったけど、楓(吉沢亮)は、孤独だったんだよなぁ。だけど、ちゃんと女性に対して、恋愛感情は持ち合わせていたわけで・・・、秋好(杉咲花)のこと好きなら好きっていえばよかったんだと思う。秋好は最初から、楓の事は友達だったんだよね。結局、男女の感情のもつれを、サークルのせいにしている。

 

世界を変える なりたい自分になる

楓と秋好が作ったモアイのスローガンだ。

大それた、一見非現実的な 『世界を変える』という言葉。

それは、『自分の世界を変える』で、いいのではないかな。自分の世界観というか、自分の領域みたいな。なりたい自分はその先にあるような気がする。若いときに、この作品を見て、今と同じことを思っただろうか。今だから、こう解釈できるんだと思う。

 

楓大学4年。楓が去った『モアイ』は、就活サークルと化していた。規模も大きくなり、大学からの信頼も得ていた。楓は、モアイの何かしらをつかみ、壊そうと動き出す。モアイの人気者:テン(清水尋也)に近づき、メール交換をした後、迷惑メールが増えたことに気が付く。モアイは、企業に個人情報を流していたのだ。その証拠をネットにばらまく、楓。多少の後悔が生まれ、モアイのリーダー秋好に再会する。秋好に非難され、自分がなりたくない嫌な自分になっていることに気が付く楓。秋好はモアイを解散し、幕引きをした。

時すでに遅しだよな。

だけど、こういう過ちから、成長するのが若者だと、昔の人はいう。だけど、今は、即刻、アウト。デシタルタトゥーは消えないし、やり直す、チャンスもない。

 

秋好との関係だって、木っ端みじんになってから、後悔しても、女ごころは、何をしたって変わらない。

 

人に不用意に近づきすぎないことと、誰かの意見に反する意見をできるだけ口に出さないこと

冒頭の、楓の言葉です。一理ある言葉だった。

私はこれと逆の事ばかりして、人間関係失敗ばかり。

だけど、今回の楓の場合は、近づかなかったせいで、反対意見を言わなくて、秋好は去っていく楓を引き止めなかったんだと思う。

 

 刺さる言葉は、まだあって・・・

 

人つて誰かを間に合わせにして生きている。間に合わせでも、その時は必要とされていたのだから・・・

秋好を奪った大学院生:脇坂(柄本佑)の言葉だ。

 

確かにそうだよなぁ。間に合わせ=出会いと別れ、とも とれるかな。みろるも、この年齢になって、出会いと別れの中、恥ずかしさと後悔と、色んな感情があったけれど、この言葉で救われた気がします。

 

 

ラストは・・・

秋好ともう一度、モアイを作りたいと思う楓。楓の中は、秋好やテンの姿と自分をオーバーラップし、なりたかった自分を妄想しながら、秋好と思しき女性の前に立つ。もう一度・・・嫌われてもいいから・・・と。

 

完全に、うらやましかったんだな、楓は。モアイの規模拡大と、たくさんの仲間に慕われるテンの存在、公の場で光り輝く秋好の姿は、妬みの対象だったのだな。もう一度、やりなおせば、自分もそうなれるという感じだろうか。映画レビューで、よく目にした『痛い男』。私も、そう思う。でも、今でも昔でも若者は、多かれ少なかれ、経験して傷ついて、成長するんだろう。でもそれは、生きていく上で、ずっと続いていく感情なんだと思う。

 

私は、刺さった作品でした。


 

 

覚書 

 

監督
狩山俊輔
原作
住野よる
脚本
杉原憲明

田端楓(吉沢亮)
秋好寿乃(杉咲花)
前川董介(岡山天音)
本田朝美(松本穂香)
天野巧(清水尋也)
西山瑞希(森七菜)
川原理沙(茅島みずき)
大橋(光石研)
脇坂(柄本佑)