市子 【邦画】
2023年作品 Huluで視聴
失踪した彼女の過去だけの話ではなかった
ずっと見たかった作品。
ドラマ アンメットで、注目された 杉咲花と若葉竜也が出ている。杉咲は、この作品で、日本アカデミーの優秀主演女優賞を受賞している。
受賞は納得の作品だった。
杉咲の演技は、アンメット以外のテレビドラマで見る事のない、独特の世界観だった。正直、殺人を犯しているのに、幸せになろうと、なってもいいのだろうと、もがきながら、生きて、生きていく後ろ姿に、見る者の解釈を突きつけられる作品でした。
これでもかという、残酷な境遇
社会問題が、織り込まれている。
・シングルマザーの貧困問題
・夫によるDV問題
・離婚後の出産300日ルール(作中当時)
よって、市子は、無戸籍状態になる悲劇
・姉妹の筋ジストロフィー
当時は難病指定ではなく、自宅介護も自己負担であった
2015年難病指定
・妹の介護
・母親の交際相手からの、性的虐待
・無戸籍による、就学の問題
数々の問題によって、二次三次の悲劇からの、犯罪。
これだけの事を抱えて、生きていくのは、フィクションであってほしい。モデルケースがなければいいと、思った作品でした。
物語
恋人の長谷川(若葉竜也)からプロポーズを受けた次の日、突然行方をくらました市子(杉咲花)。長谷川は市子の居場所を探す中で、本当の市子を知る事となる。
・シングルマザーの母親と二人暮らし。市子には戸籍がない。
・妹には戸籍がある。
・妹になりすまし、市子は妹の名を名乗り就学する。
・難病の妹の呼吸器をとめて、死なせる。
・母親が行方不明
・母親の元恋人に 性的虐待を受けて、刺し殺してしまう
・ストーカーの北に、現場を見られて、自殺を偽装する
・市子失踪
・路上生活中、キキに誘われ住み込みで新聞配達をする
・戸籍を入手しようと、相談機関に行ったことがきっかけで、ストーカー北に見つかる。
・長谷川に出会う
・とても幸せな日々を送り、プロポーズされる
・ニュースで、妹の死体が出てきたと知り、長谷川の元から失踪する。
・北の元に身を寄せる。
・自殺願望の女性をネットで呼び寄せ、車ごと転落。
・海に転落した車の中から、男女の遺体があった。
ラストシーンは、黒のワンピースを着て、前を向き歩いていく市子の後ろ姿だった。
覚書
監督 戸田彬弘
脚本
上村奈帆
戸田彬弘
原作 戯曲「川辺市子のために」(戸田彬弘)
川辺市子(杉咲花)
長谷川義則(若葉竜也)
北秀和(森永悠希)
田中宗介(倉悠貴)
吉田キキ(中田青渚)
北見冬子(石川瑠華)
山本さつき(大浦千佳)
小泉雅雄(渡辺大知)
後藤修治(宇野祥平)
川辺なつみ(中村ゆり)
第47回日本アカデミー賞
優秀主演女優賞(杉咲花)