昨日の夜、いとこがピアノでラヴェルを弾いて、思い出した。
そうだ。
私は過去にも、友達がドビュッシーのアラベスクを弾いて、それを聞いて感動して、そこから自分もそれを弾きたいと思った。
それが弾けるようになったら、どんなにか自分を感動させられるかと思って。
いとこがラヴェルを弾いた時、感動して鳥肌が立った。
涙も出た。
そうだ、そうだった。
小さい頃、お祈りをしたことを覚えてる?
夜、寝る前に、お母さんと一緒に、お姉ちゃんたちと一緒に、ベランダの空に向かって、
部屋の電気を消して、月明かりが窓から入って、
私たちは目を閉じて、お祈りをしたのを、覚えてる?
誰か一人がお祈りを唱えて、私たちは聞いた。
途中、誰かがおならをして、思わず笑いをこらえられなくて笑って、お母さんに注意された。
神様という存在は絶対的にいて、私たちを見守り、罰しているのだと、教わっていた。
それに向かって、お祈りをしていた。小さい頃。
今のお祈りは、違うよ。
そんな、堅苦しい気持ちでしないんだ。
だって、そんな存在は違う、って、分かったから。
もっと自由で、簡単で、気楽だ。
もっと静かになれる。