大宮さんの恋物語です。
あちらからの移行分です///。
楽しんでいただけたら嬉しいです♡
では・・・どぞ・・・///。
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黙り込んでしまった俺に。
でもね・・・と言いながら。
オーナーは言葉をつなげた。
「実は・・・潤も俺に・・・同じこと言ってたんだ。」
「・・・。」
「僕が和を守るって・・・潤の方が先に言ってたんだ。」
「・・・。」
「まあ潤の場合は・・・わんわん泣きながら///だけどね。」
「・・・。」
きゅうぅっと。
胸が痛む。
小学生の頃の二人を。
知らないのに想像する。
泣くのを我慢している和と。
泣きながら・・・でも強い思いを口にする潤。
二人・・・寄り添い合って。
お互いがお互いを守る・・・と心で誓う二人。
「守る」・・・というのは。
ただただ・・・いじめから守るという意味ではなくて。
二人だけの家族を・・・どんなものからでも守りたい・・・と。
そんな思いだったんじゃないか・・・と想像する。
お互いがお互いを。
一番に思っていたんだろう。
小学生だった二人が・・・そんな強い思いを持っていたという事を。
想像すると胸がありえないくらい苦しくなって。
昨夜・・・俺が和にしたことが。
とんでもなくひどいことのように感じてきて。
俺はもう居てもたってもいられなくて。
ちょっとすいません・・・とオーナーに言って。
その場を離れた。
「和。」
「・・・。」
もう。
肉のコーナーにはいなくて。
ちょっと探して。
そして。
アイスのショーケースを見ている和を見つけ。
声をかけた。
振り向いた和と・・・目があう。
相変わらずの・・・うるんだ瞳。
もしかしたら。
幼い頃に泣かなかった分。
今・・・こうして瞳が潤んでいるのかも・・・なんて。
バカな事を考えた。
「何・・・見てるの?」
「・・・アイス・・・。」
「欲しい・・・の?」
「・・・。」
「・・・。」
「これ・・・潤君が好きなアイスで・・・。」
「・・・。」
「季節限定の味が出てるから・・・。」
「・・・。」
「高いんだけど・・・。」
「・・・。」
「買って行こうかな・・・って・・・。」
それは。
有名なカップアイス。
確かにおいしいけど。
アイスとしては・・・びっくりするほどの値段で。
俺もアイスは好きだけど。
これは・・・何か特別な時にしか買わなかった。
「それ・・・俺が買ってやるよ。」
「なんで。」
「昨夜のお詫び。」
「・・・。」
お詫びのしるしが。
アイスを買ってやるって事しか思い浮かばない自分が。
ちょっと情けないんだけど・・・でも。
もう深く考えている余裕がなかった。
「昨夜は・・・。」
「・・・。」
「ごめん。」
俺は。
頭を下げた。
ちゃんと頭を下げた。
「俺・・・邪魔しちゃいけないなんて言って・・・」
「僕こそ・・・ごめんなさい。」
「・・・。」
「突き飛ばしちゃって・・・。」
「・・・。」
「ごめんなさい。」
頭を下げる和。
すぐに謝ってくれたその仕草に。
もしかしたら・・・和も。
ずっと昨夜の事を。
気にしていたのかも・・・と。
謝るタイミングを探していたのかも・・・と。
そんな風に思った。
俺を無視しているように見えていたのは。
もしかしたら・・・俺と同じように気まずくて。
逆に意識しちゃって。
とまどっていただけなのかも・・・しれない。
顔をあげた和が。
反省したような顔をしていて。
少し不安げに俺を見ているから。
なんか・・・さ。
そんなに俺の事。
元気がなくなるくらい気にかけてくれていたんだ・・・って。
そんな風に思って。
そう・・・思ったら。
なんだろ・・・なんか。
うん。
嬉しくなった。
「俺こそ・・・マジでごめん。」
「ううん・・・ごめんなさい。」
「・・・。」
「・・・。」
「それ・・・買ってやるから。」
「・・・。」
「・・・な。」
「うん・・・ありがと///。」
嬉しそうに。
はにかみながら笑う和に。
心の奥が。
キュ・・・となる。
素直になってくれた和が。
なんだろ・・・かわいくてしかたない。
何も。
多くは語らなかったけど。
何かが通じたような気がして。
距離が・・・心の距離が。
近付いたと思った瞬間だった。
つづく