大宮さんの恋物語です。
あちらからの移行分です///。
楽しんでいただけたら嬉しいです♡
では・・・どぞ・・・///。
***********************************************
スーパーの片隅。
邪魔にならないところにカートを置いて。
手短に昨日の事を全部話した。
いつ和が・・・こっちに戻って来るかわからないから。
とにかく急いだ。
聞きおわるとオーナーは。
なるほどね・・・と言って。
くすっと笑った。
「あの和に突き飛ばされたのか。」
「///はい。」
「そんな力・・・あったんだな。」
「・・・。」
そこ・・・じゃなくて。
俺が掘り下げたいのは・・・そこじゃない。
っていうか。
そこは恥ずかしいところだから。
できればさらっと流して欲しい///。
「和と潤はね・・・。」
そう言いながら。
オーナーは。
二人の事を話してくれた。
和と潤の両親は。
二人が小学生の時に事故でなくなってしまったって事。
それから高校を卒業するまで。
この地でオーナーが二人を育てたって事。
大学生になった二人は今。
東京で二人で暮らしているって事。
教えてくれたけど。
でもその事は俺も二人に聞いて知っていた。
同級生らしい人たちが。
入れ代わり立ち代わり海の家に遊びに来ていて。
久しぶり・・・なんて言っている二人を見ていたし。
隣の海の家の人とも親しそうにしていたし。
つい数日前にも。
近所の居酒屋で同級生と一緒に飲んだ話とか聞いてたし。
東京に戻ったら・・・なんて話も。
潤と和で話しているのを聞いてもいたから。
その辺の事は・・・改めてオーナーに聞かなくても。
本人達から聞いてみんな知っていた。
でも。
「両親をなくしてこっち来た時に・・・。」
「・・・。」
「和と潤は・・・いじめられてね・・・。」
「・・・。」
「転校生だったし・・・それに二人とも都会から来てて・・・。」
「・・・。」
「っていうかもう・・・二人とも可愛すぎてさ。」
「・・・。」
「こっちの子達は圧倒されたみたいで・・・。」
「・・・。」
「どう接したらいいかわからなかったんだろうな・・・その反動でのいじめだと思うんだけど・・・。」
「・・・。」
なんとなく。
分かる気がする。
多分・・・可愛すぎて綺麗すぎて。
小学生ながら。
畏れ・・・みたいなのを感じたんだろう。
「まあ結局・・・少し経ったらいじめなんてなくなって・・・。」
「・・・。」
「クラスにもちゃんと溶け込めたんだけど・・・。」
「・・・。」
「まあその・・・いじめられてた時に・・・。」
「・・・。」
「和が・・・俺に言ったんだ。」
「・・・。」
「潤君の事は僕が守る・・・って。」
「・・・へぇ・・・。」
「今からは考えられないだろうけど。」
「・・・。」
「潤は泣き虫の甘えん坊で・・・。」
「・・・。」
「いじめられた時はもう・・・ただただ泣いてるだけだったんだ。」
「・・・。」
「双子とはいえ・・・和の方がお兄ちゃんだったから・・・。」
「・・・え?」
「戸籍上はね・・・和がお兄ちゃんなんだ。」
「・・・。」
「だから和は・・・いじめられても泣くのを我慢してた。」
「・・・。」
「たった二人しかいなくなっちゃった家族だから・・・。」
「・・・。」
「潤を守りたかったんだよ・・・和は。」
「・・・。」
「だからじゃないかな・・・未だに潤に対して和が過保護なのは。」
「・・・。」
過保護。
同じ歳の兄弟に・・・過保護・・・という言葉があてはまるのかどうかわからないけど。
二人だけで。
支え合って生きてきた和と潤。
なにより・・・兄としての和の思いに。
自分がしっかりしなくては・・・という思いに。
幼いながらに誓ったその思いに。
俺なんかにはわからない二人の深い兄弟愛を。
見た気がした。
「そんな子には・・・潤君は渡さないよ。」
あの・・・和の言葉が。
耳に甦る。
どれだけ和が・・・潤を大事にしているのか。
その思いが。
心に突き刺さる。
つづく