僕らの日々 59 | ナツコのブログ

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にのちゃんが大好きです。
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大宮さんの恋物語です。

 

毎日20時更新予定です。

 

ではでは・・・どぞ・・・。

 

 

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Side.O





今日は個人の仕事。

雑誌の取材の日だった。

いろいろと話を聞かれ・・・グラビアの撮影もあるんだけど。

俺は・・・早く帰りたくて。

うずうずしていた。

だってニノが一人で家で寝ているから。

とにかく早く帰りたかった。

今朝は。

シルバーウルフがニノが病院へ連れて行ってくれた。

そしてついさっきうちのマネージャー経由で連絡が来て。

風邪のようだけど・・・ウイルス性ではないらしく。

うつる心配はない・・・と教えてくれた。

ならば早く帰って看病したい。

俺は。

指定された衣装へ急いで着替えた。

とにかく。

少しでも早く。

家へ帰りたい。


















昨夜。

調子が悪そうにしていたニノ。

案の定・・・ソファに座ったらそのまま寝てしまった。

少し顔が赤く・・・呼吸が荒いのが気になり。

おでこと首筋に触れると・・・感じる少しの熱。

一瞬の躊躇もなく。

すぐに抱え上げた。

男にしては軽くて・・・でもしっかりと重みは感じ。

なにより・・・ニノの全てを抱えているこの感じが。

頼られているようで心地よくて。

このままずっと・・・腕の中のニノを見つめていたい衝動に駆られる。

抱えたまま立ち尽くし。

そのつやつやの肌やくっきり黒くて長いまつ毛。

少し開いた・・・ツンとした上唇とか。

しゅっととがった顎のライン。

胸の上に無造作に置かれたぷっくりとした手とか。

服の袖口から見える白い腕。

普段あまりじっくりと見ることができないニノのパーツに目を引かれる・・・けど。

早く楽にしてあげなくちゃ・・・・と思い動き出す。

ニノを抱えたままソファやテーブルを避け寝室に向かうと。

少し乱暴に扉を蹴り開け。

でもベッドへは・・・そっと。

まるでガラス細工を置くかのように・・・ゆっくりとニノを横たえた。
















そのあと。

ヨーグルトを食べさせて。

市販のだけど薬を飲ませた。

でもまたすぐに眠ってしまったから。

俺は・・・寝室を後にした。

それにしてもあの・・・女装というセリフ。

 

俺も言うのは嫌だったけど。

ニノも意外にも気にしていることがわかって。

つい・・・本音が出た。

女装しろなんて言わないし。

誰にも隠さないよ・・・という本音。

撮影中はショックを受けた顔をしていて。

演技にしてはリアルだな・・・と思っていたけど。

本気でショックを受けていたのか・・・。

具合悪いのに・・・そんなこと思っていたのかと思った。

演技とリアルと疑似がごっちゃになっているかもしれないけど。

もうそんなの関係ない。

ただただいじらしくて・・・ますますニノを愛おしいと思えた。















こちらへお願いします・・・と。

写真スタジオへ招かれる。

そこで。

ポーズの指示を受けながらも。

俺の頭の中はニノでいっぱいだった。

多忙だから。

心配になる。

今日休めたのはラッキーだ。

なんとか・・・今日一日で治ればいいんだけど。

帰ったらおじやを作ってあげよう。

・・・いや。

具合の悪い時はおかゆか・・・?

そもそも。

おかゆとおじやの違いがよくわからない。

あとで調べよう・・・と。

俺は忘れないように。

写真を撮られながら脳内で。

「おかゆおじやおかゆおじや」と繰り返していた。

















結局・・・ちょっと押してしまい。

予定時間よりも1時間遅く俺はスタジオを出た。

帰り際・・・買物をするためにスーパーに立ち寄ってもらい。

夕飯の買い出しをする。

とにかく栄養があって胃に優しい食べ物。

結局。

おかゆとおじやの明確な区別は。

読めば読むほどよくわからなくなったけど。

病人にはおかゆを・・・と書かれていることが多かったから。

米から作るおかゆを作ることにした。

果物も・・・・おいしそうなものを探し。

いろいろチョイスし・・・どっさりと買うと。

車に乗りこむ。
















・・・と。

マネージャーが誰かと電話している。

俺を見て・・・代わって・・・とスマホを差し出す。

電話の相手は。

シルバーウルフだった。



『お疲れ様です。大野さん。』

「お疲れ様です。」

『すいませんこのたびは。ご迷惑おかけして。』

「いえ。全然大丈夫です。気にしないでください。」

『あの・・・それで。うちの二宮のことなんですが。』

「・・・はい。」



『うちの』という言葉に引っかかる。

当然と言えば当然なんだけど。

はい・・・と言う自分の声に硬さが混ざったのがわかった。

 

 

 

つづく