大宮さんの恋物語です。
毎日20時更新予定です。
ではでは・・・どぞ・・・。
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Side.O
「ホント。なんか甘えすぎてたらガツンと言ってくださいね。」
「・・・いや・・・大丈夫・・・だよ・・・。」
「怒っちゃってください。図々しいぞって。」
「・・・。」
「はっきり言わないとあいつ。調子にのるんで。」
「・・・。」
「そうそう。大野さんがいいって言ったもん・・・とか言いそうだし///。」
「・・・///。」
「大野さん優しいから・・・。マジで。ホントすいません。」
「全然。大丈夫だから・・・///謝んないで。」
「じゃあ・・・遅くまですいませんでした。」
「・・・いや・・・二人も。お疲れさまね。こちらこそごちそうさま。おいしかったよ。」
「それならよかったです。」
「大野さんもゆっくり休んでくださいね。映画楽しみにしてます!」
「・・・ありがとう・・・///。」
「そう言えば。」
「・・・ん?」
「ニノちゃんとのちゅうのシーンってもう撮り終わっ・・・」
「んなこと聞くなよ///じゃあ!失礼します・・お疲れさまでした。」
「///お疲れさまでした!」
「・・・おつかれ・・・///。」
にぎやかに・・・でも小声で。
二人はしゃべりながら出て行った。
最後・・もう一度俺に。
頭をきちんと下げて。
俺は。
無言で・・・そのまま足早に。
ニノの寝室へ行く。
軽くノックした・・・けど。
中からの返事がなかった。
入りたい。
顔を見たい。
・・・ダメ・・・かな。
・・・。
・・・。
二人が言っていたことは・・・本当なの?
俺に。
甘えてるの?
二人を帰そうとしたのはホント?
俺に世話してもらおうと思ってたの?
聞きたい。
・・・けど。
扉の前で立ち尽くし。
中へ入りたい気持ちを抑え・・・あきらめる。
完全に治ったわけじゃあない。
そばにいたいけど。
眠れてるならそれでいいんだ。
・・・。
・・・。
でも。
離れがたい。
この場から・・・離れがたい。
ニノがもし起きたなら。
すぐに気づきたいんだ。
大丈夫?・・・と言いたい。
俺は。
そっとその場を離れると。
寝る準備を始めた。
さっとシャワーを浴びて・・・歯をみがく。
そして・・・スウェットに着替えるとソファの上のクッションを取り。
ニノの寝室の扉を背にしてクッションを床にひき・・・その上に座った。
そう俺は。
ベッドではなくて。
ここで。
ニノの寝室の扉の前で。
夜を明かすことに決めたんだ。
これなら・・・起きたニノが。
トイレに行く時とか・・・遅くても朝。
部屋を出る時に・・・ニノに気づけるから。
ソファで眠ることも考えたんだけど。
それだと・・・俺がニノに気づけないかもしれないし。
ニノが俺を起こさないかもしれない。
だから・・・ここ。
俺はここで夜を明かすことにした。
明日の朝には治ってる・・・と言われたけど。
心配なのは変わらないし。
俺に。
甘えたいのなら・・・甘えさせたい。
いや違う。
俺が甘えたいんだ。
ニノに・・・甘えたい。
幸い・・・今の室温はスウェットで眠るにはちょうどいいから。
何もかけなくても・・・平気だろう。
クッションがあるからお尻もいたくならないし。
どこでも俺は眠れるから。
きっと大丈夫だ。
俺は。
スマホを見て。
一応・・・目覚ましをかけて。
腕を組んで・・・目を閉じた。
風邪が治ってますように。
・・・。
・・・。
ニノに会いたい。
元気なニノに・・・。
これまでも何度も思ってきたけど。
ただただ・・・ニノが恋しい。
そんなこと考えて・・・俺は眠りについた。
つづく