一つ前に「家族旅行&お知らせ♡」の記事がございます。
大宮さんの恋物語です。
毎日20時更新予定です。
ではでは・・・どぞ・・・。
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Side.O
「思ったこと何でも言って。」
「・・・。」
「まとまってなくてもいいから。」
「・・・。」
ああ・・・やっぱり。
ニノは俺のこと・・・よくわかってくれてる。
思ってることを上手く言葉にできないこと。
これまでもよくあったんだけど。
そういうこと・・・ちゃんと。
わかってくれてる。
「ぁ・・・多分・・・急・・・だったから。」
「・・・。」
「突然のことで・・・なんか・・・。」
「昨日の今日だもんね。そっか。・・・確かに。ちょっと急だね。」
「心の準備が・・・ちょっと・・・ね。」
「理由はそれだけ?」
「・・・ぅん。」
「僕のこと。キライって訳じゃないのね?」
「嫌いな訳ない。むしろ・・・」
「・・・むしろ?」
「・・・///。」
好き・・・と。
言えればいいんだけど。
いや・・・今ならさらっと言えるのに。
意識しすぎて。
言葉にできない・・・。
「好きってことでいい?」
「・・・ん///。」
「ん~・・・だとしたら。・・・そっか。」
「・・・?」
「おーのさんって。心が納得しないと。体が動かない人だもんね。」
「・・・。」
「そっかそっか・・・。」
腕を組んで。
口をとがらせ。
ん~・・・と小首をかしげて悩み始めたニノ。
瞳が・・・あちこち動いていて。
脳内がすごい速さで回転しているんだろうな・・・と。
そんなこと思う。
そうなのか。
俺は
心が納得しないと・・・体が動かない人なのか。
どれほどそうしていたか。
ずっと同じ姿勢のまま微動だにしないニノ。
そんなニノを邪魔しないように・・・と動かないようにしていた俺だったけど。
何か・・・ビールでも持ってこようか・・・と。
そっと立ち上がった瞬間。
「ぁ。わかった。」
ニノが小さく言って。
俺を見た。
何かひらめいたらしい。
キラキラした瞳。
口元がもにょもにょっと動いている。
そんな顔も・・・ホントかわいいな。
「順序立ててやらないと。ダメってことよね。」
「・・・順序・・・?」
「そう。気持ちが追いつかないのよきっと。」
「・・・。」
「『じゃあ今からね。はい!』みたいなの。苦手だもんね。」
「・・・。」
早口でまくしたてるニノ。
「はい!」と言いながら手を・・・縦にして叩いた。
言葉はわかるけど。
何を言ってるのかいまいち意味が理解できない。
でも。
なにやら・・・ニノの中では。
納得がいっているみたいで。
うんうん頷いている。
「撮影で告白シーンあったけど。」
「・・・。」
「あれじゃあダメってことね。撮影だから。カメラもあったしね。」
「・・・?」
「ん~・・・ぁ。わかった。じゃあ流れつくるから。」
「・・・。」
「ついてきてね?ちゃんと。」
「・・・。」
ダメ?流れ?ついてきて?
よくわからないままに。
じっとニノを見つめる。
ニノも。
座り直すと・・・俺に向き合い。
俺の両の手をとり引っ張るから・・・ソファにすとんと座った。
そんな俺をじっと見つめ。
ニノが言った。
「おーのさん。」
「・・・。」
「僕。おーのさんが好き。」
「・・・。」
え。
・・・え。
・・・え///。
「だから。僕と付き合って?」
「・・・。」
そう言いながら。
ほら・・・と。
ねぇ・・・と言わんばかりに目をまん丸にして。
いつもの1.5倍くらいに大きくして目配せし。
くいくいっと・・・顎を出し。
何かを俺に促している。
・・・。
・・・。
・・・あ。
そういうこと。
そういうことか。
これも・・・演技。
ニノの演技。
急だったから・・・恋人同士のふりができなかった俺のために。
順序立てて。
嘘なのに流れを作ってくれている・・・ってこと。
疑似恋愛のための・・・疑似告白。
それを今・・・ニノが俺にしてくれてるってことか。
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つづく