大宮さんの恋物語です。
毎日20時更新予定です。
ではでは・・・どぞ・・・。
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Side.N
「あのね?今日から一緒に暮らすでしょ?ここで。」
「・・・ぅん・・・。」
「まずは。よろしくお願いします。」
「ぁ・・・こちら・・・こそ・・・///。」
「あのさ。おーのさん。監督がね。ここを用意してくれた意味って。」
「・・・。」
「わかってるでしょ?」
「・・・わかって・・・る・・・。」
「だから。今日から僕たちは恋人同士・・・ってことでいいよね?」
「・・・ぅ・・ん///。」
探るようにのぞき込み。
でも・・・大事なことは・・・まるで当然のことのようにサラリと言った。
ちょっとぎこちない同意だったけど・・・うんと言ってもらえたから。
本題に入る。
「でね。僕・・・ちょっとやりたいことができたの。」
「・・やりたいこと・・・?」
「そう。あのね・・・さっきの告白シーン。よかったと思わない?」
「・・・///ああ・・・うん。」
「でしょ?でね。リアルとごっちゃになったって言ってたでしょ?」
「・・・ぅん///。」
「ごっちゃになったついでにね。おもしろいこと・・・したいのよ。」
「おもしろいこと・・・?」
「ぅん。あのね。どうせなら・・・とことんやってみない?」
「・・・なに・・・を・・・?」
若干・・・警戒して。
僕を不安そうに見つめるおーのさん。
眉根が・・・寄り過ぎていて。
ちょっと顔つきが変わっちゃってる。
「あのね。監督とかスタッフさんとか・・・ちょっとだましてみない?」
「・・・だますって・・・どういう風に?」
「監督さんがここを借りてくれたのってさ。映画撮影にあたって・・・二人で違和感なく恋人同士の役をやれるように。」
「・・・。」
「仲良くなってねって意味でしょ?」
「・・・ぅん。」
「だからぁ。僕たちはその上をいくの。」
「・・・上・・・。」
「そ。」
「・・・つまり・・・どういうこと?」
「つまりね。監督とかスタッフさんとかにね。『あの二人ガチでつきあってない?』って思わせたいの。」
「・・・え。」
「ね?面白そうでしょ?」
「・・・。」
そう。
僕は・・・どうせやるならとことんやりたいし。
こういう・・・特殊な撮影だからこそ。
一個乗っけて楽しみたい。
さらには。
他の人とじゃこういうこと難しいけど。
おーのさんとなら。
これができる気がするし。
だってさっきの告白。
ホント・・・リアルでドキッとしたから。
「ダメ?」
「いや・・・///ダメ・・・じゃない・・・けど。」
「ぃやった♪じゃあいいね?」
「///いやいいけど・・・。」
「けど?」
「・・・具体的に。どうしたらいいとか・・・。」
「・・・。」
「///ちょっとよくわからない・・・。」
「簡単よ。」
「・・・?」
「僕をね。本当の恋人みたく思ってくれればいいの。」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・ぇ。」
「・・・だからぁ。撮影終わってカメラ回ってなくても。恋人同士みたくふるまうのよ。」
「・・・。」
「この部屋でも。」
「・・・。」
「二人だけの時も。」
「・・・。」
「離れてても。別々の仕事してても。」
「・・・。」
「この期間。あなたの恋人は僕。」
「・・・。」
「・・・どう?」
「・・・。」
めっちゃ複雑な顔してるおーのさん。
鼻がひくひくしてて。
眉根は寄って困ってる風なのに。
驚いているのか。
開いた口元は・・・力なく緩んでいる。
まばたきもせずに・・・僕をじっと。
まるで未知の生物を見るように見つめ。
若干・・・なんか。
額に汗がにじんでる。
賛成なのか反対なのか。
困ってるのか喜んでるのか。
全然気持ちが読み取れないんですけど・・・///。
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つづく