大宮さんの恋物語です。
毎日20時更新予定です。
ではでは・・・どぞ・・・。
*************************
Side.O
スマホの目覚ましより先に目が覚めた。
しかも・・・かなりぱっちりと。
寝室を出て。
洗面所で歯を磨きながら。
鏡に映る・・・自分を見つめる。
昨夜の・・・あの撮影の余韻がまだ残っているけど・・・でも。
今日は。
重要な撮影日。
告白シーンの撮影日だった。
そして。
今日の撮影後。
そのまま・・・ニノと二人で暮らすマンションへと向かう。
しばらくここへは戻らない。
ニノとの・・・共同生活。
しかもただの生活じゃなくて。
映画のためとはいえ・・・仲を深める必要がある共同生活だ。
いったい・・・どんな生活を送ることになるのか。
そのことを思うと・・・ソワソワが止まらなくなるから。
とりあえずは・・・今日の撮影のことだけ考えることにした。
今日のシーンは告白シーンのみ。
あの・・・「男女だったら付き合ってる」と。
そう言ったキス未遂の日の翌日の設定だ。
居酒屋でした・・・公園で会う約束。
それが。
キス未遂で少しぎくしゃくした感じになり。
約束が決行されるかどうかもわからなくなっていた。
電話でもラインでも・・・いくらでも連絡して確認する方法はあるのにそれをせず。
来てくれるかどうかわからないまま約束の時間に公園で待つ俺。
昨夜を思い出し。
自分の・・・好きの想いに気づき。
今日来てくれたら好きだと言おう・・・と決める。
でもなかなか現れなくて。
そのうち雨が・・・。
という撮影シーン。
つまり・・・雨の中の告白のシーンだ。
俺はまた今日雨に濡れる。
でも・・・この間の雨と違うのは。
今日の雨は本物の雨だ・・・ということ。
ちゃんと天気予報を確認した監督が。
予備日を作ってまでも・・・本物の雨にこだわったけど。
上手い具合に今日は・・・午後から雨予報だった。
ニノは・・・午前中別のところですでに撮影をしていて。
こっちへ移動してきたんだけどまだ会っていない。
ただ・・・到着はしていて・・・別のところで待機しているらしい。
ニノとともに移動してきた監督は。
天気まで味方してくれているね・・・と。
上機嫌で。
すでに到着していた撮影スタッフさんとともに。
機材にビニールをかぶせたりカッパを用意したり・・・と。
急いで雨の撮影準備をし始めた。
まずは・・・公園で待つ俺だけを撮影。
いい感じの曇り空の元・・・すぐに本番に入る。
待ち合わせ場所で立ち尽くし。
来るかどうか・・・わからないままに待ちながら物思いにふける俺。
セリフはない。
映画ではきっと・・・これまでのニノとの回想シーンが差し込まれるだろう。
カメラがまわり始め・・・俺はニノを思い出す。
昨夜の・・・あのシーン。
暗闇の中・・・ニノと至近距離で見つめ合った。
昨夜からもうずっと・・・あのニノを忘れないように・・・と。
何度も何度も思い出し・・・記憶にとどめている。
撮影でもなければ・・・あれほどの距離には近づけない。
ニノを共演者に・・・と監督に推した時の。
あの邪な俺の願いが・・・次々と叶っている。
だから。
本当なら喜ぶべきことなんだろうし。
もっと・・・自分から近づいたっていいんだろうけど。
どういう訳か・・・そんな軽々しくできなくて。
近づくことへのとまどいの方が・・・毎回大きい。
大切で大事な存在に・・・これほど簡単に触れていいのか・・・と。
小さな葛藤を・・・多分無意識にしているんだろう。
俺にとってニノは。
それほど大事な存在なのだ・・・と。
改めて認識した。
そのくせ。
キス・・・しようとしたりして・・・。
・・・。
・・・。
ただ触れればいい。
ただ見つめ合えればいい。
そんな・・・刹那的な願いではなくて。
自分の願いはもっと・・・深く。
そして重いことにも気づいた。
叶うはずもないのに。
.
つづく
*************************
ということで・・・アンケートにより選ばれた告白シーンは。
1の雨の中での告白でした///。
アンケートにご回答くださった172名の方々・・・ありがとうございました。
みなさまからのアイデアで妄想ふくらみすぎて・・・暇さえあればトリップしておりました///。
そのままお話にできそうなコメントまでいただき・・・感謝です♡
たくさんの方のご参加嬉しくて・・・そしてとても楽しませていだきました。
本当にありがとうございました♡
告白シーンはまだ少し先ですが。
告白の撮影日の物語を・・・しばらくお楽しみいただけたら嬉しいです。
みなさんのご期待に添えるようなシーンになっているとよいのですが・・・///。
とにかく・・・楽しんでいただけたら♡
ちなみに。
1位「雨の中」80票
2位「社内での残業中」62票
3位「電話」45票
でした///♡
.