バレンタインのお話(仮)♡2 | ナツコのブログ

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大宮さんの物語です。

 

一つ前に「バレンタインのお話(仮)♡1」がございます。

 

 

 

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10も歳の離れた高校生の妹。

 

最初にあの店員さんを見つけたのは妹だった。

 

某コンビニに新しく来た店員さんがめちゃくちゃキレイだ・・・と。

 

母親にきゃあきゃあ言いながら報告していた。

 

言い始めたのは確か3ヶ月くらい前。

 

俺は・・・信号を渡るのが億劫で。

 

いつも違うコンビニを使っていたんだけど。

 

男なのにキレイなのか・・・と。

 

妹がそれほど言うなら・・・と。

 

仕事帰りに久しぶりにそのコンビニを覗いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妹が言うめちゃくちゃキレイな店員さんとは。

 

どの人のことだろう・・・と。

 

探すまでもなくすぐに目当ての彼はわかった。

 

確かにキレイだ・・・けど。

 

ツヤツヤの白い肌。

 

潤んだ茶色い瞳。

 

見た瞬間・・・思い出す過去。

 

小学生の時の・・・淡い記憶。

 

あの子に似ているな・・・と思い。

 

レジで会計している時に名札を盗み見たけど。

 

そこには「吉永」と書かれていて。

 

俺の記憶の中の苗字とは違っていた。

 

ああ・・・そうだよな。

 

そんな奇跡みたいことないよな・・・と。

 

苦笑いした俺に。

 

なんか僕変わってますか///?・・・とその店員さんに話かけられたのが・・・初めての会話だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから・・・買物をするたびに。

 

なんてことない言葉を二言三言交わし。

 

でもその二言三言が・・・俺にはすごく楽しくて。

 

あれほど億劫だった信号をわざわざ渡り。

 

こっち側にもコンビニはあるのに。

 

俺はほぼ毎日のように・・・彼のいるコンビニに通っていた。

 

店が忙しすぎて。

 

彼と話ができなかった時は・・・わりとガチで寂しく思ったし。

 

逆に・・・店が暇でたくさんおしゃべりできた時は。

 

お兄ちゃんご機嫌だね・・・と妹にいわれるくらいご機嫌になった。

 

とある雪の日。

 

自動ドアがあくたびに風が吹き込んできて寒いんですよねぇ・・・と言う彼に。

 

その場でホットコーヒーを買って彼に手渡しプレゼントした。

 

いつもならそんなキザなことできないんだけど///。

 

その日はちょっと酔っていて。

 

だから・・・思い切って心のままにそんなことしたんだけど。

 

思いのほか・・・彼が嬉しそうに笑って。

 

うわぁ///嬉しい・・・ありがとうございます・・・なんて言うから。

 

外は雪ですごく寒かったけど・・・心はホワホワになったんだ。

 

それから数日後・・・買物を終え帰ろうとする俺に今度は彼が。

 

これどうぞ・・・と。

 

出来たてのコロッケをくれて。

 

それがまた・・・温かくてホワホワで。

 

食いながらの帰り道・・・ニヤニやしっぱなしで。

 

次の日・・・あのコロッケすごくおいしかったよ・・・と言って買って帰ったりしたことを思い出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は。

 

店内を覗きこみ。

 

さっきより客が増えたのを見て・・・3本目のタバコに火をつけた。

 

わかってる。

 

渡すのは俺だけど・・・妹から預かってるだけなんだから。

 

そんなに恥ずかしがることじゃないって。

 

さっと渡して。

 

妹から預かった・・・と言えばいい。

 

たったそれだけのことなんだ。

 

なのに。

 

どうしてか・・・かなりドキドキしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一応・・・鞄の中の紙袋がくしゃってなってないか確認する。

 

妹にさんざん言われたから。

 

キレイなまま彼に渡してくれ・・・と。

 

妹がおととい一生懸命に作っていたブラウニー。

 

作り終えてほっとしたのか・・・昨日の朝発熱。

 

そのまま医者に行きウイルス性の風邪と診断され自宅療養となった。

 

そして半べそかく妹に懇願され・・・俺はこうしてチョコを持ってきている。

 

お前からだって言ったって彼はわからないだろ・・・と言ったんだけど。

 

彼に私の写真を見せてくれればわかるはずだ・・・と言い。

 

昨年の文化祭で撮った写真をいろいろ加工し始めた。

 

あんまり加工するとわからなくなるよ・・・と言ったんだけど。

 

かわいい自分を見て欲しいの・・・と赤い顔で苦しそうにしながらも・・・がんばって修正してるから。

 

しかたなく・・・その写真をもらった。

 

ぴゅぅ・・・っと風が吹く。

 

さすがに・・・じっとしていると寒さが堪えるな。

 

こんなことなら・・・一緒にコーヒーでも買っておけばよかった・・・と思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふと見ると。

 

駐車場の脇に。

 

先日積もった雪の塊が残っている。

 

大変そうに雪かきしている彼を見て。

 

思わず手伝った俺。

 

会社に遅刻してしまったけど。

 

ありがとうございます・・・と。

 

頬を上気させ嬉しそうに俺に言う彼を思い出す。

 

毎日彼に会い。

 

毎日彼と話す。

 

他愛もない会話・・・プライベートなことには特に互いに触れず。

 

なのに・・・なんでも知っている様な・・・穏やかな空気。

 

テレビが好きみたいで。

 

昨日の○○見ました?なんて聞かれたりする。

 

見ていても見ていなくても。

 

彼とのおしゃべりは・・・とにかく楽しい。

 

家族でもなく会社の同僚でもなく・・・なんのしがらみもない彼。

 

そんな彼と過ごすほんの数分が・・・俺の毎日にはかけがえのないものになっていて。

 

そんなこと・・・あるわけないんだけど。

 

これってそう言えば。

 

恋の始まりに似ているな・・・なんて思って。

 

男同士だけど・・・ちょっとソワソワしたりしていた。

 

恋の始まり。

 

男同士。

 

・・・。

 

・・・。

 

ふと思い出す。

 

この季節の・・・あの小学生の頃の忘れられない出来事。

 

彼によく似たあの子との・・・出来事。

 

それを・・・思い出す。

 

 

 

 

 

 

 

つづく

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