青さんと黄色さんのBL恋物語です。
毎日20時更新予定です。
少しずつの更新ですが楽しんでいただけたら嬉しいです。
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Side.N
ショーが行われるバー。
今は・・・始まる前の時間。
カウンターでスツールに座ったボスが。
誰かと電話している。
俺は。
チラチラと・・・ボスの様子を横目で見ながら。
デリバリーで頼んだMを食べていた。
俺のポテトに勝手に手を伸ばし。
もらうよ・・・と目だけで合図して口に放り込むボス。
その様子を見る限り。
今日のご機嫌はいいみたいだ。
言おうか。
今日。
ボスに。
借金の話を。
うん・・・聞こう。
・・・。
・・・。
俺は。
覚悟を決めた。
ボスは。
怖い人だ。
ただ。
暴力はふるわない。
でも。
物は投げる。
何でも蹴り飛ばす。
言葉も荒く・・・大声も出す。
威嚇。
暴力以外のすべてで・・・俺を威嚇する。
でも・・・それは覚悟の上。
今日は・・・話をしよう。
笑いながら電話を切ったボス。
俺は。
今だ・・・と思って。
ボスに話かけた。
「ボス・・・。」
「・・・ん?」
「ちょっと話が・・・。」
「・・・。」
「って言うか聞きたいことがあるんだけど・・・。」
「なんだ。」
少し。
構えたように。
ボスの声が硬くなる。
空気がぴりつく・・・けど。
大丈夫。
俺には。
智がついてるんだから。
「俺の借金。あといくら?」
なんてことない風に聞く。
声。
震えてない・・・よね。
「なんでそんなこと聞く?」
「いいじゃん。教えてよ。」
「・・・。」
「・・・。」
ボスが。
カチっと。
煙草に火をつける。
電子煙草じゃない。
普通の紙巻きたばこだ。
「8千万くらいかな。」
「・・・え?なんで・・・。」
「なにが?」
「なんで・・・どうして・・・ほとんど減ってないじゃん。」
「お前が返してたのは利子だよ。元金はほとんど減ってない。」
「証拠は?」
「・・・は?」
「証拠。見せてよ。」
「なんの証拠だよ。」
「返済の証拠。いつどれだけ返済されてるのかとか。」
「・・・。」
「そのうち利息はいくらなのかとか。」
「・・・。」
「そもそも借用書に書いてあるはずなんだけど。利率が。それ見せてほしい。」
「前に見せただろ。」
「ちゃんと見てなかったから。もう一回見せて。」
「・・・断る。」
「見せられないなら8千万って金額は信じられない。」
「・・・。」
「そもそも公正証書じゃない限り借用書は法的効力はないし。」
「・・・。」
「だから・・・」
バンッ!
テーブルを叩かれる。
始まった。
怒らせた。
怖い・・・けど。
これは想定内。
ここからが大事。
「・・・お前。」
「・・・。」
「誰に入れ知恵された?」
「・・・。」
俺の瞳を覗き込み。
すごむボス。
そう。
これこそが・・・今回の目的。
俺たちの作戦。
俺の後ろに。
法に詳しい誰か・・・の存在をちらつかせることが目的だった。
あの日。
二人で・・・戦うことを決意したあの日。
智はすぐに・・・友達の弁護士さんと連絡をとってくれて。
このことで相談をしてくれた。
詳しい事情は伏せたけど。
借金の返済義務について。
必要な書類とかそういうの・・・法的な側面から聞いてくれた。
相手がカタギじゃないことを伝えると。
さらに詳しく教えてもらった事実。
借用書に法的効力はないということ。
公正証書扱いにしていればいわゆる取り立てや差し押さえをすることもできるけど。
きっとそういう手続きはしていないはずだと言う。
ただ。
今回大事なのは。
借用書を見せてもらうことではなくて。
相手に・・・面倒だと思わせることだった。
いわゆる手打ち。
正攻法では勝てないと思わせ。
金で解決しようと思ってもらえるように。
面倒だから俺を手放そう・・・と思ってもらえるように。
話に乗せる。
それが本当の・・・目的だった。
ボスは・・・どこかの組に属していて。
本部に親分がいる。
その人の手前。
ボスだってトラブルは避けたいはず。
そこを・・・狙う。
つづく