三ツ矢サイダー~馴れ初め編㉟~ | ナツコのブログ

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お話書かせていただきました///。

 

大宮さんのBLです。

 

苦手な方はご注意を。

 

こちらは続編です。

 

本編はこちら→「三ツ矢サイダー①」

 

では・・・どぞ♪

 

 

 

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Side.Sakurai

 

 

 

二人で。

 

大野さんに向かって歩き始めたけど。

 

歩きながら・・・俺の隣でニノが。

 

ぴょん・・・と小さく一度跳ねた。

 

それはまるでスキップみたいで。

 

子供が楽しみを待ちきれなくて。

 

体が勝手に動いてしまった時のようで・・・。

 

嬉しさからなのか。

 

見つけてほしくてなのか・・・はわからないけど・・・でも。

 

俺は前者だと思っている。

 

そして・・・そんな素直なニノを。

 

かわいいな・・・と思うと同時に。

 

ここまで愛される大野さんを。

 

やっぱりうらやましく思う。

 

この二人の幸せがずっとずっと続くように・・・と。

 

願わずにはいられない。

 

きっと・・・これから先。

 

困難にぶち当たるかもしれないけど。

 

この二人なら・・・大丈夫な気がしている。

 

大野さんなら何があっても道を間違えることはないだろうし。

 

そんな大野さんを・・・どんな時でもニノなら必ず支えられる。

 

話を聞いただけだけど。

 

一晩一緒にいただけだけど。

 

そう確信できるほど・・・二人の愛情が深く感じられて。

 

改めて俺は。

 

味方でいたいな・・・とそう思ったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぁ・・・。」

 

 

ニノが。

 

小さく声をあげ・・・そして立ち止まった。

 

その視線の先を見る・・・と。

 

数人の女性に・・・大野さんが囲まれていた。

 

これだけ離れているのに。

 

その大野さんのあたりが・・・急ににぎやかになり。

 

女性陣がきゃっきゃし始めたのがわかる。

 

でも。

 

女性陣のテンションとは全然真逆で。

 

遠くから見ても。

 

その女性陣にまったく興味なさそうな大野さんもわかって。

 

愛想笑いすらしない大野さんが見えて。

 

大野さんも相当だな・・・と。

 

笑いをこらえていた。

 

・・・でも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一緒に写真撮ってる。」

 

「・・・ん?ああ・・・だね。」

 

「・・・。」

 

「・・・ニノ・・・?」

 

「近い。」

 

「・・・。」

 

 

声にトゲを感じ。

 

怒ってる?・・・と。

 

そう思いニノの顔を覗き込む。

 

きゅっと結んだ唇。

 

きゅっと寄った眉根。

 

瞳は・・・潤んでいるように見えるけど。

 

ニノから感じるのは・・・怒りではなくて。

 

寂しさ。

 

切なさ。

 

そして・・・あきらめ。

 

どうにもならないことを・・・目にしてしまって。

 

納得しようと・・・自分で落としどころを探したいのに探せず。

 

せめて動かないことで。

 

自分の意思を表しているような・・・そんな風に見えて。

 

・・・。

 

・・・。

 

仕事できるちゃんとした大人なのに。

 

大野さんが関わると・・・こんなに子どもみたいになるのか・・・と。

 

その苦しみから救ってあげずにはいられなくなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニノが。

 

きゅっと・・・胸元のシャツを握りしめながら。

 

視線は大野さんに固定されたまま。

 

ぽつぽつと・・・話し始めた。

 

 

 

「実は会長は・・・知ってるんです。智と僕の関係を。」

 

「・・・ぇ・・・マジで・・・?」

 

「はい。あの決起集会のあと・・1週間くらいして会長が来社して。」

 

「・・・。」

 

「その時・・・一緒に夕飯食べたんです。会長と智と僕と三人で。」

 

「・・・へ・・・ぇ・・・。」

 

「その時・・・もう智が会長に話しちゃって・・・。」

 

「・・・。」

 

「あせりました僕。急に言うから・・・。」

 

「・・・会長・・・なんて?」

 

「あ、そうですか・・・って。」

 

「・・・。」

 

「それだけです。」

 

「・・・。」

 

「会長はそんなだから・・・まだよかったんですけど。」

 

「・・・。」

 

「智・・・総務部長にも言いそうになってて・・・それはちょっとまずいと思って・・・。」

 

「・・・。」

 

 

まだ。

 

きゅぅっと胸元のシャツを握っているニノ。

 

そんなに強く握ったら。

 

手を痛くしちゃうよ・・・と思いつつ。

 

その手を離してあげられるのは。

 

俺じゃないんだろうな・・・と。

 

そう思いながら続きを聞いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

って言うか。

 

俺でもわかる。

 

あの総務部長には・・・絶対に言わない方がいいって。

 

 

 

「総務部長ってさ。」

 

「・・・はぃ。」

 

「大野さんに飛ばされたって聞いたけど?」

 

「それ。誰から聞いたんですか。」

 

「・・・え・・・ぁ・・・いや・・・。」

 

「その噂。まるで智が悪者みたいで困るんですけど。」

 

「・・・いやぁ・・・ぁ・・・あれ///誰から聞いたっけな?」

 

「・・・。」

 

「えっと・・・ぁ・・・ごめん。忘れた。」

 

 

とばっちりをくらったような感覚。

 

でも・・・なんとなくわかる。

 

あの二人の名前は出さない方がいい。

 

絶対に。

 

 

「会議でしかけたのは確かに智の方ですけど・・・。」

 

「・・・。」

 

「最終的に出向を決定したのは会長です。」

 

「・・・。」

 

「会長も・・・総務部長のワンマンは耳に入っていたみたいで・・・。」

 

「・・・。」

 

「僕もいろいろ聞かれました。」

 

「・・・。」

 

「智は自分でなんとかしたかったみたいなんですけど。」

 

「・・・。」

 

「遺恨を残さない方がいいって言われて・・・会長に全部お任せしたんです。」

 

「・・・そう・・・なんだ・・・。」

 

 

思ってる以上に。

 

会長と親しくなっていることに・・・正直びっくりする。

 

さらには。

 

あの大野さんが。

 

自分の筋を通したかっただろうに。

 

人に任せるなんて・・・。

 

それもきっと。

 

ニノの力なんだろうね。

 

ニノが。

 

人に頼ることを。

 

大野さんに教えたんだろうね。

 

あの大野さんの意識をこんなにも変化させたニノは。

 

もしかしたら。

 

とんでもないヤツなのかもしれない。

 

・・・それにしても。

 

一番権威や地位と無関係の大野さんが。

 

なんなら・・・それを嫌ってちょっと避けていたくらいの大野さんが。

 

会社最大の権力者と通じるなんて。

 

無欲だからこそ・・・の結果なんだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ。

 

にぎやかな大野さんのまわり。

 

なんなら・・・女子が。

 

ちょっと増えているような気がする。

 

なのに・・・全然動じない大野さん。

 

頭の中にはニノしかいないんだろう。

 

 

「智は・・・全然隠すつもりはないんですけど・・・僕たちのこと。」

 

「・・・。」

 

「でも・・・どう思います?櫻井さんは。」

 

「・・・ぇ・・・俺・・・?」

 

「はい。こういうの・・・櫻井さんはどう・・・思いますか・・・?」

 

「・・・。」

 

 

身長差で。

 

俺を見上げる瞳が上目遣いになるニノ。

 

クリクリのうるんだ瞳が。

 

俺を見上げている。

 

や・・・それは・・・ニノ。

 

その瞳は・・・マジやばいと思う。

 

勘違いする奴・・・多いと思うよ。

 

俺みたいに。

 

 

 

 

 

つづく

 

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ありがとうございます。

 

毎日20時更新予定です。

 

楽しんでいただけたら・・・♡

 

 

 

 

ではでは。

 

来てくださってありがとうございました。

 

 

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