お話書かせていただきました///。
大宮さんのBLです。
苦手な方はご注意を。
こちらは続編です。
本編はこちら→「三ツ矢サイダー①」
では・・・どぞ♪
~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~
Side.Sakurai
「馴れ初めは・・・以上です。」
「・・・。」
「・・・櫻井さん・・・?」
「・・・えっ?・・・ああ・・・うん///。」
「どうしたんですか?」
「・・・いや・・・///。」
突然。
現実に引き戻された感覚。
周りのざわつきが・・・急に耳に聞こえ始める。
ここは。
工場見学の最終地点で。
売店と試飲会場が一緒になっている広いスペース。
俺は・・・ニノに話を聞きながらここへやってきて。
二人で・・・わが社の新作サイダーを試飲しながら。
続きの話を聞いていたところだった。
ずっと・・・トリップしていた感覚。
ニノの話を聞きながら。
去年の10月の・・・決起集会の頃に。
心を持っていかれていた。
軽い疲労感。
椅子に座りなおした俺は。
目の前の・・・ニノをチラと見た。
わりと。
素直に隠さず話してくれた方だと思う。
あのアウトローの一匹狼の大野さんの変貌ぶりは・・・聞けば聞くほど驚くことだけど。
このニノが・・・そうさせたんだとしたら。
それも納得がいくような気がする。
それほどニノは・・・魅力的で・・・。
老若男女問わず・・・虜にする力を持っているから・・・だから。
大野さんがそんな風になるのはわかるし。
ニノも・・・あの一本筋の通った大野さんに魅かれて。
しかも二人とも同じくらいのタイミングで互いを愛していると認識して・・・。
・・・。
・・・。
それってもう。
奇跡じゃね?
なんか。
すげぇな。
・・・でも。
でもさニノ。
そこまで聞いたらさ・・・俺。
気になるわけよ。
その続きが。
「続き・・・は?」
「・・・え///。」
「馴れ初めの・・・続き。」
「続きって?」
「そりゃ・・・その・・・二人のハジメテの夜・・・のこと?」
「ぇ///なんでそこまで櫻井さんに話さなくちゃいけないんですか///。」
「いや///いけなかないけど・・・。」
「じゃあ却下です///どうしてそんな二人の夜のことを・・・///」
「でもさ。」
「・・・。」
「聞きたいのは俺だけじゃないんだよ。」
「え?」
「みんなも聞きたいと思うんだよね。」
「・・・みんなって・・・?」
「ぁ・・・いや・・・こっちの話///。」
「・・・。」
「あのさ・・・別に・・・興味本位じゃないよ///?」
「・・・。」
「ないけど///。」
「・・・。」
「・・・さ・・・。」
「・・・。」
「気になるわけよ。」
「・・・。」
「・・・。」
「じゃあ・・・今日はもう時間がないので・・・。」
「・・・。」
「今度・・・。」
「・・・。」
「少しだけ・・・なら・・・。」
「え。マジで///?」
「ホントちょっとだけですよ///?」
「わかってる///いやぁ・・・マジで聞けるのか・・・その話。」
「・・・ホントに少しだけですからね///?」
「わかったわかった。」
照れたように・・・うつむくニノに。
逆に俺も照れて。
って言うか・・・勢いで言っちゃったけど。
俺そんな話聞いて大丈夫かな///と。
嬉しさと羞恥で・・・ドキドキが止まらなくなった。
それにしてもニノは。
いつもそうなんだけど。
今日は特にキレイで。
肌はツヤツヤしているし唇もぷっくりしていて。
話の中の大野さんじゃなくても。
その柔らかそうな頬には・・・思わず手を伸ばしてしまいそうになる。
って言うか俺。
今朝・・・触れたじゃん///。
ニノの頬に・・・確か指の背で・・・触れちゃったじゃん。
やっぱり・・・うん。
ニノの頬にはきっと引力が存在するんだと思う。
すぅっと・・・手が伸び触れてしまうような。
月みたいな引力が・・・。
なんて。
バカな事を考えて。
今朝自分が触れたことを・・正当化しようとする俺///。
アホだな///。
いや・・・そうじゃなくて///。
今日ニノが特にきれいに見えるのは。
きっと・・・昨夜たっぷりと愛されたから・・・だと思う。
大野さんに・・・って言うか。
愛する人に・・・愛されたから。
心も体も満たされたってこと・・・でしょ?
ちょっと・・・うらやましいな・・・と。
そんなこと思う。
俺は・・・この先。
そんな存在に出会えるんだろうかって・・・思って。
うらやましいな・・・と。
素直に思ったんだ。
たぶん・・・最初に二人が築き上げたのは信頼関係。
そして・・・そこから育った愛情・・・なんだと思う。
いや違う。
そもそも愛情があったからこそ・・・素直に信頼関係が構築できたのか?
あ・・・もしかして。
同時?
・・・。
・・・。
いずれにしても。
男だろうが女だろうが。
二人を見ているともう・・・そこはあんまり大きな問題じゃないように思えてくる。
って言うか・・・まあ・・・うん。
その・・・夜・・・の///?
いわゆるソノ時はかなり問題だろうけど。
だって俺痛いの弱いし。
あ・・・じゃなくて///。
なんで俺が受ける設定なんだ///?
おかしいだろ///。
うまくまとまらない脳内のあたふたを鎮めるために。
ニノから視線をはずし・・・周りを見渡す。
土産物屋で・・・松本君と・・・多分あの子が話に出てきた彼女なんだろう。
仲良さそうに二人で・・・品物を選んでいる。
ニノの話の中では・・・ずいぶんと彼女がやきもち焼いていたみたいだけど。
まあ・・・そんなことで壊れたりしなくて。
よかったと思う。
向こうでは・・・相葉君が。
あれは・・・後輩かな?と楽しそうに話をしている。
目の前には・・・試飲ビールのグラスがいくつも置いてあって。
かなり飲んでいるのが・・・その顔でわかる。
試飲は・・・ビールでもサイダーでも。
好きな方を飲んでいいって言われてるけど。
昼間のビールはきくし。
トイレも近くなるから///これからのバス移動を考えると。
サイダーが無難だからって・・・アルコールは控えてる人が多い。
でも・・・相葉君は・・・そういうの気にしてないみたいで。
ちょっと心配になる。
あんなに飲んで・・・相葉君大丈夫か?って。
・・・。
・・・。
たった一晩・・・部屋が同じだっただけだけど。
大野さんもニノも。
相葉君も松本君も。
俺にとって・・・ちょっと特別な存在になっている。
全員部署は違うけど。
それはそれで・・・面白いし。
また・・・いつか。
五人で一緒に会えたら・・・なんて思う。
って言うか。
二人の馴れ初めを聞いちゃったから。
俺・・・大野さん見たらにやけちゃうかもしれない。
ヤバイな///。
「実は・・・。」
「・・・ん?」
「智・・・会長と会ってるんです今。」
「・・・え・・・。」
「次の企画・・・半分くらい会長の案が乗っかってて・・・。」
「・・・。」
「それで・・・その話を二人でつめてるんです。」
「・・・マジか。」
「はい。わざわざ別荘から来てくれてるんです会長。」
「・・・。」
「同じ県内ですけど・・・1時間くらいかかるんですよ?ここまで。」
「・・・。」
「なんかすごいですよね・・・ホント智って。」
さらっと。
大野さんを「智」と呼ぶニノ。
俺に・・・心を開いてくれたのかな・・・と。
もしそうだったら嬉しいな・・・と思いながら。
あの会長を動かす大野さんって。
やっぱすげぇな・・・と思ってしまう。
そう言えば。
ここ数か月・・・会長がよく会社に来ているな・・・と思う事が多かったような気がする。
あれは・・・大野さんに会うため?
言われてみれば。
あの決起集会の頃から。
会長が会社に来始めたような気がするけど。
そういうことだったのか・・・と合点がいく。
マジすげぇな・・・大野さんは。
そろそろ・・・みんなが外に出始める。
集合の時間ももう間もなくだ。
俺とニノ。
二人とも・・・特に土産も買わず。
何か所かある出口の・・・人の少ないところから建物の外へと出た。
・・・と。
「あ・・・智だ。」
ニノが。
ぼそっと・・・言葉をこぼした。
その・・・視線の先を探すけど。
上手く見つけられない。
「・・・どこ?」
「あそこ・・・あの白い壁の前。」
「・・・あっち?」
「そうです・・・バスの駐車場のこっち側。」
「・・・。」
「もう会長との話・・・終わったみたい・・・。」
「・・・ぁ・・・。」
いた。
白い壁の前。
出口の方を気にしながら。
ポッケに手を突っ込んで立っている大野さんを見つけた。
多分。
ニノを探しているんだろう。
男の俺が見ても。
そのかっこよさに惚れぼれする。
つづく
~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~
ありがとうございます。
20時更新予定です。
楽しんでいただけたら・・・♡
ではでは。
来てくださってありがとうございました。