こちらは大宮さんBL物語です。
苦手な方はご注意を///。
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「飲む?」
和が・・・ペットボトルの水を俺に差し出す。
その・・半分くらいまで減った水を。
コクン・・・と一口飲んだ。
喉をするり・・・と通っていく水がおいしくて。
喉が渇いていた事に・・・それで気づいた。
「俺ね・・・いじめられてたって言ったでしょ?」
「・・・ぅん・・・。」
「まあ・・・ちょっと陰湿だったけど・・・それはね。そんなに・・・ね。」
「・・・。」
「味方もいたから・・・そんなでもなかったのよ。」
「・・・。」
「でも・・・さすがにね。同期にまで被害が及んだ時は・・・俺もちょっとショックで。」
「・・・。」
「俺への嫌がらせのせいでさ。同期の仕事がダメになっちゃって。」
「・・・。」
「それは・・・かなり堪えた。」
そういうの・・・わかる。
俺もサラリーマンだったから。
自分の・・・例えばミスで。
自分が怒られるならいいんだけど。
しかたないんだけど。
それで他の人に迷惑がかかるのは。
ショックだよな。
俺から受け取ったペットボトルを。
ぐいぐい・・・と自分の後ろのポケットに無理矢理入れる和。
「で・・・そこで初めて相談したのよ。かわいがってくれてた専務に。」
「・・・。」
「いじめられてるんだって。で・・・同期までまきぞえくっちゃって。許せないって・・・相談したの。」
「・・・。」
「そしたらさ・・・専務が言うの。係長を辞めさせてもいいって。」
「・・・。」
「『俺ならいくらでも理由をつけられる。』って・・そう言うのよ。」
「・・・。」
「今思うとね。辞めさせるっていうのはどうかと思うんだけど。俺もね・・頭きてたから。そん時は。」
「・・・。」
「だから・・・係長をクビにしてくださいって言ったの。」
「・・・。」
「そしたら・・・条件があるって言われて。」
「・・・。」
「俺のモノになれって言われたの。」
「・・・。」
「意味わかる?抱かせろってことね。」
「・・・。」
淡々と話す和。
ちょっと・・・イロイロと話が唐突すぎて。
驚く事が多いんだけど。
きっと。
そう言う空気・・・みたいなものがあるんだろう。
でも・・・まさか。
「で・・・どう・・・したの。」
「どうしたと思う?」
「・・・。」
「俺ね。OKしたの。」
「・・・ぇ。」
「ちょっとね・・・打算も働いた。この専務は味方につけておいた方がいいって。」
「・・・。」
「女じゃあるまいし。抱かせるくらい訳ないだろって思って。」
「・・・。」
「嫌いじゃなかったしね。その専務のこと。仕事できたしかっこよかったし。」
「・・・。」
「だから・・・行ったのホテルに。」
聞きたくない。
その先を。
でも。
・・・。
・・・。
それがどうして日本に戻りたくないってことにつながる?
「でもね・・・ダメだった。」
「・・・。」
「部屋に入って・・・抱き寄せられてさ。キスされたらもう・・・やっぱヤダってなっちゃって俺。」
「・・・。」
「専務のこと突き飛ばして・・・逃げたの。」
「・・・。」
ほっとする。
よかった。
何もなくて。
「そのまま会社・・・ばっくれて辞めちゃって。」
「・・・。」
「これでも・・・仕事頑張ってたんだけど・・・ね。」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
「ね。俺そういう人間なの。」
「・・・。」
「人として最低でしょ?」
「・・・。」
「係長に頭きて・・・専務にさ・・・貶めること相談して。」
「・・・。」
「で・・・その代わりに体を差し出すような駆け引きをしたの。」
「・・・。」
「最低の人間でしょ。」
「・・・。」
「イヤな奴なのよ。」
「・・・。」
「日本が悪い訳じゃないけど。」
「・・・。」
「またさ・・・日本に戻ったら・・・。」
「・・・。」
「・・・同じ事しそうで・・・。」
「・・・。」
「俺・・・ちょっとね・・・怖いのよ。」
「・・・。」
「自分が怖い。」
「・・・。」
「悪意の中に入ると。」
「・・・。」
「ちゃんと判断できなくなっちゃって・・・さ。」
「・・・。」
「自分自身が悪になってしまいそうで。」
「・・・。」
「怖い。」
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つづく
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