こちらは大宮さんBL物語です。
苦手な方はご注意を///。
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「いじめもそうだけど・・・。」
「・・・。」
「なんかそういうの全部・・・もうヤになっちゃってさ・・・それでここに逃げてきたの。」
「・・・。」
「ここは何もないから。」
「・・・。」
「何も考えなくてすむから。」
「・・・。」
「自分をキライにならなくてすむ。」
「・・・。」
「だからもう日本へは・・・」
「でも。」
「・・・。」
「抱かれなかったんでしょ?」
「・・・。」
「最終的に・・・ちゃんと道をはずさずに・・・」
「結果的にはね。でも俺はホテルに行ったの。」
「・・・。」
「わかる?俺は自分に都合の悪い人を排除しようとして。」
「・・・。」
「自分に言い寄ってくる人を利用しようとして。」
「・・・。」
「体を差し出そうとしたの。駆け引きとかしちゃうのよ。モラルのかけらもないでしょ。」
「・・・。」
「ヤな奴なのよ俺。」
「・・・。」
「ね。」
「・・・。」
「嫌いに・・・なったでしょ。」
嫌いになんか・・・ならない。
ならないよ和。
だってそんなに。
傷ついた顔して。
嫌いにならないでって顔して。
見つめられたら・・・さ。
嫌いになんて・・ならない。
いや。
なれないから。
だって踏みとどまったんだから。
和。
いっぱい傷ついて。
いっぱい悩んだんだな。
あまり自分のことを話さない和の。
心の奥に触れた様な気がした。
「嫌いになんかなる訳・・・」
「なんで・・・あなたがそんな顔するの?」
「・・・。」
俺。
どんな顔してる?
「眉間にしわ寄せちゃって。」
「・・・。」
すっと。
伸びてきた和の指が。
俺の眉間に触れる。
優しい指。
もしかして俺達。
付き合ってたっけ?
そんな事思わせるくらい。
自然に触れる・・・愛情に満ちた指先。
「そんな顔しないで。」
「・・・。」
「あなたが傷付く必要はないんだから。」
「・・・。」
「悲しい顔しないでよ。」
「・・・。」
慰めたいのに・・・慰められている俺。
すっと。
眉間にあった手が外され。
今度は俺の手をすっととる和。
「優しいんだね。」
そう言うと。
まるでつかまるかのように。
和が俺の手を握った。
「ねぇ・・・見てあの星。」
和が指をさす。
どの星のことかわからないんだけど。
そっちの方向を見る。
「月があるけど・・・あっちの空は星がキレイに見えるでしょ。」
「・・・ぅん。」
「どんなに頑張って生きてもさ。人間は死ぬの。」
「・・・。」
「星たちに比べたら人の寿命なんてあっという間よ?」
「・・・。」
「あなたと俺・・・いつかは二人も星屑になるの。」
「・・・。」
「最後はお星さまになるのよ。」
「・・・。」
「だから・・・その時に一緒にっ・・・ぁ。」
抱きしめた。
思いは強かったけど。
でも優しく。
和が・・・壊れてしまわないようにそっと抱きしめる。
ふわっと吹く潮風。
和の髪が風で揺れ。
俺の頬をなでる。
いつか・・・の話じゃなくて。
今・・・の話。
和は・・・何をあきらめてるの?
まだまだこれからの人生なんだ。
あっという間の寿命なら。
だったら余計に輝かせなくちゃ。
いつかは星屑になる・・・なんて。
それも駆け引きなの?
俺をあきらめさせようと・・・駆け引きしてるの?
もしそうなら。
そんな駆け引きは月と太陽に預けて。
遠くの星なんて見ないで。
ただ俺を。
「今目の前の俺を見て。」
「・・・。」
「ただ俺を見つめて。」
「・・・。」
抱きしめた腕の中の和へ。
まるで祈るように思いを伝える。
大事なのは今じゃないの?
「キザな事言うんだね。」
「・・・。」
「なんか・・・照れる///。」
「・・・。」
「でも俺わかるの。もし日本に戻ったらまた同じ・・・」
「わかってるのは。」
「・・・。」
「もうすぐ今日が終わるってことだけ。」
「・・・。」
「そしてまた来る明日を・・・。」
「・・・。」
「繰り返されるその毎日を。」
「・・・。」
「ただ俺と生きて欲しいだけなんだ。」
「・・・。」
ぎゅっと。
想いが伝わるように抱きしめる。
自分でも・・・必死すぎて何を言ってるのかわからなくなってきたけど。
いつかは二人も星屑になるのなら。
それまで二人でいようよ。
あっという間なら。
刹那の夢でいい。
終わりにしないで。
二人で同じ夢を・・・。
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つづく
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