こちらは大宮さんBL物語です。
苦手な方はご注意を///。
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「それは・・・」
「ねぇどうしたのよ。何怒ってんの?」
「・・・。」
「ぁ・・・。」
「・・・。」
「もしかして。」
「・・・。」
「俺が・・・誰かとしけこんでるとでも思った?」
「そんな言い方・・・。」
「・・・。」
「聞きたくない。」
まさに今。
そう思っていたから。
自分が・・・和とエム。
そう・・・まさにしけこんでいると思っていたから。
だから図星で。
でもそれを和の口からは聞きたくなくて。
思ったよりも強い口調になってしまった。
「ごめん。ここで・・・話してただけだよ。」
素直に謝る和に。
居心地が悪くなる。
って言うか・・・エムとは何の話をしていたの?
いや。
話したいのはそういうことじゃなくて。
違う・・・話したいとかじゃない。
もっと近づきたい。
隣に。
でもそれすらできなくて。
立ったままの俺。
時間だけが・・・過ぎて行く。
「でもさ。」
「・・・。」
突然和が話し出す。
俺を・・・見てはいない。
「自分だってしけこんでたじゃん。」
「・・・。」
「あの女優さん・・・ほら・・・プールでの撮影の時にさ。あなたのことずっと見てた女優さん。」
「・・・。」
「いいことしてたんじゃないの?二人で。」
「してないよ。」
「あの人いい人だよね。俺にも笑顔で挨拶してくれるの。」
「・・・。」
「ああいう人と付き合えば?」
「・・・。」
どんな顔して・・・和が言っているのか知りたくて。
知りたい気持ちの方が先だって。
躊躇していたはずなのに・・・すっと隣に座る俺。
少しの明かりの中・・・うっすらと見える和の表情。
寂しそうに見えるのは・・・俺の気のせい?
こっちを見ない和に。
俺は話かけた。
「俺が付き合いたいのは君だよ。」
「・・・。」
「好きだ。」
「だから遠距離は無理・・・」
「俺がここに残る。」
「・・・はぁ?」
「こっちで暮らす。」
「・・・。」
「だから・・・」
「カメラマンになるんじゃないの?」
「それは・・・」
「亀さん言ってたよあなたの事。センスあるって。」
「・・・。」
いつの間に亀さんとも。
そんな話を?
和。
誰からも好かれるんだな。
「カメラマンになりたいから前の仕事辞めたんでしょ?」
「そうだけど。でもそれよりも俺は君の方が大事で・・・」
「そんなのあなたらしくない。」
「・・・。」
「あなたらしくないよ。」
すっと・・・立ち上がる和にきっぱりと強く言われ。
思わず俺も立ち上がる・・・けど。
その責められるような言い方に・・・言葉が出ない。
じゃあ。
どうすればいいんだ。
だって俺は。
「君のためなら・・・カメラマンになる夢を捨てられる。」
「・・・あのね。」
「・・・。」
「そもそも大事な事忘れてるから。俺達男同士だからね?」
「・・・。」
「ちょっと舞い上がってるだけだよ。」
「・・・。」
「あなたは日本に戻って。」
「・・・。」
「俺はここで暮らす。」
「どうして・・・。」
「・・・ん?」
「どうして・・・日本に戻らないの?」
「・・・。」
そう。
和が日本に戻らないのは。
何か理由があるように思うから。
ここに留まりたい・・・というよりも。
帰りたくない・・・という頑なな理由。
「何か・・・。」
「・・・。」
「いじめの他に・・・何か理由があるんじゃないの?」
「・・・。」
「・・・。」
「するどいね。」
「・・・。」
「なんでわかったの?」
「好きだから。」
「・・・。」
「君が好きだから。」
「・・・。」
「なんとなくわかる。」
「・・・。」
ふっと。
和の口もとが緩む。
甘えた様な瞳で俺を見る。
ねえ。
どれほど俺を惚れさせるの?
もういっぱいいっぱいだと思っていた和への思いが。
まだまだ・・・どんどん膨らんで行くのを感じた。
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.
つづく
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