大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜*~
「・・・もう・・・こうするから。」
「///こう・・・って?」
「これからいつも・・・こうして痕つける。」
「・・・。」
「・・・いい?」
もう。
鏡を見ていない大野さん。
僕の横で。
僕の方を向いて。
僕をじっと見つめている。
こんな・・・大野さん。
こうしてこういう角度から見るのは初めてで。
話とは関係ないのに・・・見惚れる。
「・・・つけても・・・。」
「・・・。」
「・・・いい?」
「・・・は・・・い///。」
「和君。」
「・・・。」
「もう・・・誰にも見られないで。」
そう言うと大野さんは。
ぐいっと僕の半身に覆いかぶさり。
こつん・・・とおでこを僕のこめかみにあてた。
足は・・・僕の下半身に乗っかり。
抱え込まれる僕。
鏡の中の大野さんが。
僕に・・・甘えている。
少しだけ・・・とがった口元が見えて。
大野さんが・・・拗ねているのがわかって。
心が・・・じんわりと暖かくなる。
もう・・・ね。
目で見るよりも感じたい。
大野さんを感じたくなった。
ポトン・・・と。
鏡をベッドの遠いところへほおる。
ぐいっと・・・体をひねって大野さんの方を向いて。
僕も・・・大野さんの体を抱きしめた。
好き・・・の思いをこめて。
抱きしめる。
ぎゅっと抱きしめると。
ぎゅっと抱きしめられるから。
胸の奥の方が熱くなり。
自然と・・・その熱さが体に連鎖していく。
「大野さん。」
「・・・。」
「も一回・・・ シ ます///?」
「・・・。」
「僕・・・もう一度・・・大野さんに・・・ 抱 か・・・」
ぐぅ~きゅるるるるぅ~
お腹がなる///。
なんで。
こんな時に///。
クス
耳元で大野さんの。
笑う息遣いが聞こえたかと思うと。
大野さんがはずみもつけずにすっと起き上がった。
すぐそこに脱いだままの僕の服。
それを・・・無言で僕に着せると。
屈みこんで僕の頬に口づけて言った。
「カレー食おう。」
そう言って向こうの部屋へと行ってしまった。
もう・・・色気がなくて。
自分が残念になる///。
でも。
開けっ放しの扉から。
向こうの部屋が丸見えで。
Tシャツを。
着ながらキッチンへと向かう大野さんを見ていたら。
なんだか・・・心の奥がくすぐったく感じてくる。
しばらくしてから。
僕は・・・ぐいっと反動をつけて起き上がり。
キッチンへと向かった。
カレーをかき混ぜる大野さんの背に。
すっと・・・抱きつく・・・けど。
微動だにしない大野さん。
真剣に・・・同じ速度で同じ方向にグルグルと。
キレイな円を描きながらカレーをかき混ぜ続けている。
ぎゅぅっと・・・一度強く大野さんに抱きついて。
それから離れた僕は。
テーブルの方の準備をし始めた。
テーブルの上には・・・少し大きめな花瓶。
中にあるのはブーケ。
実は・・・昨年僕が作った白井さんのブーケを。
白井さんがSNSに投稿したところ。
すごく評判がよくて。
あれから・・・僕のブーケがいいって指名してくれる花嫁さんが増えたんだ。
ありがたいことに・・・あのホテルで挙式しない人も。
わざわざ・・・ブーケだけは僕にって。
そう言って花屋のほうに注文してくれる人が増えた。
ブルースターを指名してくる人もいるし。
おまかせで・・・って言ってくれる人もいるし。
僕は・・・できるだけ打ち合わせにもちょっと参加させてもらうようにして。
なるべくその人に合うブーケを作るように心掛けたんだ。
今までとは比べ物にならないくらいの熱量でブーケに取り組んだ僕。
幸せになって欲しい・・・という思いを込めてブーケを作り続けた。
ホントは・・・ね。
もう・・・大会とかはあきらめていたんだけど。
だって何度出ても賞とかとれなかたから///だからもうずいぶんと長く出てなかったんだけど。
もう一度出てみろよって・・・潤君に言われて。
それで・・・思いきって出た先週の大会で僕は・・・ブーケ部門で佳作に入ったんだ。
それが・・・このブーケだった。
だから・・・このブーケは。
すごく思い入れがあるブーケで。
大事な・・・大切なブーケだから。
ここ・・・大野さんの部屋に置いてある///。
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つづく
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作者のナツコです。
読んでくださって、ありがとうございました。
最後までお付き合いいただけたら嬉しいです♪