こちらは「暁」「三日月」「Japonesque」の続編でございます。
もしまだ未読の方がいらっしゃるようでしたら。
「暁」「三日月」「Japonesque」を先に読んでいただきますようにお願いいたします♪
↓
大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜*~
家へと戻り。
夕飯を食べ終わり。
この町を出よう・・・と。
和也に伝えようとした私に。
姿勢を正して和也が言った。
この町に住みたい・・・と。
・・・ここの暮らしがやはり落ち着きます・・・
・・・・・・・・・
・・・人もみなあたたかくて・・・
・・・・・・・・・
・・・いつも笑顔があふれております・・・
・・・・・・・・・
・・・西の町も・・・好いておりましたが・・・
・・・・・・・・・
・・・やはりここ・・・智様の故郷のこの町が・・・
・・・・・・・・・
・・・私は一番好きです・・・
凛とした顔つきで。
まっすぐに私を見つめる和也。
気高くて・・・美しい。
そして。
震えるほど・・・愛おしい。
つい先ほどの決意が。
和也のひとことで。
あっけなく覆る。
この・・・和也への愛おしき切なさを。
勇気に変えて。
この・・・町の笑顔を。
和也の笑顔を守り。
未来へとつなぐことが。
私の・・・使命のような気がしてきた。
ずっと避けてきたが。
陰陽師として生きる事が・・・私の使命のような気がしてきた。
人は・・・つながっている。
それは・・・今を生きる人々同士もそうだが。
これから生まれ来る子や・・・その子のためにも。
この笑顔をつないでいくのが大切なのではないか。
それにはまず・・・この目の前の和也の笑顔を・・・曇らせないように。
そうすることが大切なのではないか。
そして。
もしも・・・それを私ができるのなら。
やはり。
・・・。
・・・。
逃げてはいけない。
たとえこの身が滅びたとしても。
男として・・・戦わなくては・・・と。
そう・・・決意した。
・・・そうだな・・・
・・・・・・・・・
・・・ここで・・・この町で・・・暮らそう・・・
・・・はぃ・・・
嬉しそうに・・・笑う和也。
明日おかみさんに・・・家の事を相談してきます・・・と言う。
仮の家のこの場所を。
このまま借りたい・・・というつもりだ・・・と言う。
本当はもう少し町に近いほうが便利なのだが。
和也は・・・山に近いこの場所がいい・・・と言う。
和也。
・・・。
・・・。
私が・・・守ろう。
和也の事も。
和也が一番好きだ・・・と言ってくれるこの町の事も。
私が守る。
床の準備をしている和也を見つめ。
私は・・・大きく深呼吸をした。
それからは。
猛特訓だった。
父の知り合いを頼り。
陰陽師の修行を行った。
昼間は肉体の鍛錬として武道を学び。
夜は山に入り精霊たちの見守る中。
座禅を組んで精神を研ぎ澄ませた。
精霊たちは言う。
多分・・・あの貴族が亡くなった時に。
一時的に魔の者の力が弱まる・・・と。
その後。
その魂を喰らって魔の力が増大するであろうから。
戦うならその時・・・貴族が亡くなった時だ・・・と言う。
時間はほとんどない。
私は集中して修行を行った。
幸か不幸か。
町全体に妖気があふれているおかげで。
私が力をつけやすい環境になっているらしい。
精霊たちの力も・・・魔の者の力の増殖にともなって。
大きくなっているようで。
今まではあの・・・山の中の舞台でしか出会えなかった精霊達に。
町の中でも出会えるようになった。
特に・・・風を操れるようになったという森の精は。
山からの風にのって・・・頻繁に私の家に来て。
日がな一日中・・・和也を見ているのには・・・正直あまりいい気はしないが。
守っているんだよ・・・と言われれば。
よしてくれ・・・とは言えない。
和也には私が何をしているのか・・・詳しくは説明しなかったが。
深くは聞かず・・・私の思うままにさせてくれている。
とにかく今は。
強くならなければ。
それだけを思って鍛錬を続けていた。
父の知り合いの陰陽師の中には。
魔の力の増大を感じ取っている人もいるようで。
同じように鍛錬を強化している人もいる。
私は・・・寝る間も惜しんで。
鍛錬をつづけた。
そして。
その日はついにやってきた。.
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つづく