こちらは「暁」「三日月」「Japonesque」の続編でございます。
もしまだ未読の方がいらっしゃるようでしたら。
「暁」「三日月」「Japonesque」を先に読んでいただきますようにお願いいたします♪
↓
大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜*~
・・・私はどうするべきだ・・・
・・・智・・・この町から出ろ・・・
・・・そうだね・・・和也と二人で西の町に戻ったほうがいいね・・・
・・・・・・・・・
・・・智・・・すぐに準備をして・・・
・・・私がいなくなったら・・・この町はどうなる?・・・
・・・・・・・・・
・・・火の精・・・答えてくれ・・・
・・・・・・・・・
・・・あの強大な魔の者と戦える陰陽師はここにはいない・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・では・・・もし・・・私がいなくなったら・・・
・・・やがて・・・すべてが魔の力に飲み込まれるでしょう・・・
水の精が静かに言う。
・・・。
・・・。
あの。
長屋のおかみさんを思い出す。
和也を・・・3年たってひょっこり戻ってきた和也を。
お帰りなさい・・・と言って抱きしめてくれたあのおかみさん。
私の・・・友人を思い出す。
3年前に和也が逃げる時に・・・世話になったあの友人。
戻ってきたよ・・・と顔を出すと。
これを持っていけ・・・と。
食べ物と酒を分けてくれた。
角の茶屋の娘さんには・・・子ができていて。
やっと歩きはじめました・・・と。
嬉しそうに言っていた。
置いていけるのか。
私は・・・あの人々を。
この町を。
やすやすと魔の者に引き渡してしまうのか。
あの方々の・・・笑顔を。
私は・・・守れないのか。
・・・智・・・
・・・・・・・・・
・・・あなたが気に病むことはありません・・・
・・・でも・・・
・・・この町の陰陽師が・・・力を合わせて戦うでしょう・・・
・・・それで・・・勝てると?・・・
・・・無理だと思うよ・・・
森の精が・・・言う。
精霊達から見ても。
この町の陰陽師は・・・力が足りない・・・と言う。
山や風・・・雲などを読む力には長けているようだけど。
強大な魔の者と戦うような力を持っているものはいないだろう・・・と言う。
そもそもが・・・平和な町だからだ。
今まで・・・魔の者との大きな戦いがあった・・・とは。
聞いたことがなかった。
・・・。
・・・。
ならば。
精霊たちの言うように・・・魔の者の狙いが私なのだとしたら。
この町に魔の者が入りこんだのは。
そもそもが私のせいなのかもしれない。
私のせいで。
この町が。
魔の者に支配されるというのか。
・・・私なら・・・戦えるか?・・・
・・・・・・・・・
・・・その・・・魔の者と・・・戦うことができるか?・・・
・・・智なら・・・戦える可能性が高いでしょう・・・
水の精が静かに答えてくれた。
精霊たちは・・・長く存在してきた今までで。
私ほど・・・心を通わせた人間はいなかった・・・と言う。
それだけの力が私にはある・・・と。
そう・・・言う。
・・・俺は反対だ・・・
火の精が静かに言う。
戦うことができる・・・とは言い切れない・・・と言う。
私と和也の安全を第一に考えるのなら。
この町を出るのがよい・・・と言う。
魔の者はこの町を離れることはできないようだから・・・と言う。
森の精も・・・言う。
ここを出たほうがいい・・・と。
・・・ん・・・
急にみじろぎして。
和也が・・・目覚めた。
・・・智様・・・
・・・ん・・・
・・・申訳ありません・・・眠ってしまって・・・
・・・いや・・・いい・・・
・・・急に眠くなってしまって・・・
・・・昨夜が昨夜だったからな・・・
・・・・・・・・・
・・・疲れたであろう・・・
・・・ぃえ///・・・
昨夜を思い出したのか。
少し頬を染め・・・下を向く和也。
自分から私の上に乗り・・・体を揺らしていた昨夜の和也とは。
まるで別人のようだった。
どちらの和也も。
本当に愛おしい。
起き上がり・・・乱れた着物の裾をささっと直す和也。
・・・。
・・・。
そうだ。
私は・・・和也を守らなくてはいけない。
ここの町を守りたい気持ちはもちろんあるが。
和也の身の安全を第一に考えなくてはいけない。
一番大切なのは・・・この目の前の和也だ。
やはり。
・・・。
・・・。
ここを出よう。
もしかしたら。
この町の陰陽師たちが。
力をあわせれば・・・魔の者に勝てるかもしれない。
精霊たちは無理だ・・・と言うけれど。
そうとは限らないではないか。
私のような修行もしていない者よりも。
何百倍も・・・力があるはずだ。
その者たちの・・・力を信じよう。
私は心を決めた。
明日にでもここを発つつもりで。
和也と二人・・・家へと戻った。
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つづく