心の空~5 | ナツコのブログ

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大宮さんのお話(腐です///)なども書いております///♪

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こちらは「暁」「三日月」「Japonesque」の続編でございます。

 

もしまだ未読の方がいらっしゃるようでしたら。

 

「暁」「三日月」「Japonesque」を先に読んでいただきますようにお願いいたします♪

 

 

『「暁」はこちらから♪』

 

『「三日月」はこちらから♪』

 

 

 

 

 

大宮さんBL前提のお話です。

 

苦手な方はご注意を///。

 

 

 〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜*~

 

 

 

 

 

 

 

   ・・・私はどうするべきだ・・・

 

 

 

   ・・・智・・・この町から出ろ・・・

 

 

 

   ・・・そうだね・・・和也と二人で西の町に戻ったほうがいいね・・・

 

 

 

   ・・・・・・・・・

 

 

 

   ・・・智・・・すぐに準備をして・・・

 

 

 

   ・・・私がいなくなったら・・・この町はどうなる?・・・

 

 

 

   ・・・・・・・・・

 

 

 

   ・・・火の精・・・答えてくれ・・・

 

 

 

   ・・・・・・・・・

 

 

 

   ・・・あの強大な魔の者と戦える陰陽師はここにはいない・・・

 

 

 

   ・・・・・・・・・

 

 

 

   ・・・・・・・・・

 

 

 

   ・・・では・・・もし・・・私がいなくなったら・・・

 

 

 

   ・・・やがて・・・すべてが魔の力に飲み込まれるでしょう・・・

 

 

 

水の精が静かに言う。

 

・・・。

 

・・・。

 

あの。

 

長屋のおかみさんを思い出す。

 

和也を・・・3年たってひょっこり戻ってきた和也を。

 

お帰りなさい・・・と言って抱きしめてくれたあのおかみさん。

 

私の・・・友人を思い出す。

 

3年前に和也が逃げる時に・・・世話になったあの友人。

 

戻ってきたよ・・・と顔を出すと。

 

これを持っていけ・・・と。

 

食べ物と酒を分けてくれた。

 

角の茶屋の娘さんには・・・子ができていて。

 

やっと歩きはじめました・・・と。

 

嬉しそうに言っていた。

 

置いていけるのか。

 

私は・・・あの人々を。

 

この町を。

 

やすやすと魔の者に引き渡してしまうのか。

 

あの方々の・・・笑顔を。

 

私は・・・守れないのか。

 

 

 

 

 

   ・・・智・・・

 

 

 

   ・・・・・・・・・

 

 

 

   ・・・あなたが気に病むことはありません・・・

 

 

 

   ・・・でも・・・

 

 

 

   ・・・この町の陰陽師が・・・力を合わせて戦うでしょう・・・

 

 

 

   ・・・それで・・・勝てると?・・・

 

 

 

   ・・・無理だと思うよ・・・

 

 

 

森の精が・・・言う。

 

精霊達から見ても。

 

この町の陰陽師は・・・力が足りない・・・と言う。

 

山や風・・・雲などを読む力には長けているようだけど。

 

強大な魔の者と戦うような力を持っているものはいないだろう・・・と言う。

 

そもそもが・・・平和な町だからだ。

 

今まで・・・魔の者との大きな戦いがあった・・・とは。

 

聞いたことがなかった。

 

・・・。

 

・・・。

 

ならば。

 

精霊たちの言うように・・・魔の者の狙いが私なのだとしたら。

 

この町に魔の者が入りこんだのは。

 

そもそもが私のせいなのかもしれない。

 

私のせいで。

 

この町が。

 

魔の者に支配されるというのか。

 

 

 

   ・・・私なら・・・戦えるか?・・・

 

 

 

   ・・・・・・・・・

 

 

 

   ・・・その・・・魔の者と・・・戦うことができるか?・・・

 

 

 

   ・・・智なら・・・戦える可能性が高いでしょう・・・

 

 

 

水の精が静かに答えてくれた。

 

精霊たちは・・・長く存在してきた今までで。

 

私ほど・・・心を通わせた人間はいなかった・・・と言う。

 

それだけの力が私にはある・・・と。

 

そう・・・言う。

 

 

 

   ・・・俺は反対だ・・・

 

 

 

火の精が静かに言う。

 

戦うことができる・・・とは言い切れない・・・と言う。

 

私と和也の安全を第一に考えるのなら。

 

この町を出るのがよい・・・と言う。

 

魔の者はこの町を離れることはできないようだから・・・と言う。

 

森の精も・・・言う。

 

ここを出たほうがいい・・・と。

 

 

 

   ・・・ん・・・

 

 

 

急にみじろぎして。

 

和也が・・・目覚めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   ・・・智様・・・

 

 

 

   ・・・ん・・・

 

 

 

   ・・・申訳ありません・・・眠ってしまって・・・

 

 

 

   ・・・いや・・・いい・・・

 

 

 

   ・・・急に眠くなってしまって・・・

 

 

 

   ・・・昨夜が昨夜だったからな・・・

 

 

 

   ・・・・・・・・・

 

 

 

   ・・・疲れたであろう・・・

 

 

 

   ・・・ぃえ///・・・

 

 

 

昨夜を思い出したのか。

 

少し頬を染め・・・下を向く和也。

 

自分から私の上に乗り・・・体を揺らしていた昨夜の和也とは。

 

まるで別人のようだった。

 

どちらの和也も。

 

本当に愛おしい。

 

起き上がり・・・乱れた着物の裾をささっと直す和也。

 

・・・。

 

・・・。

 

そうだ。

 

私は・・・和也を守らなくてはいけない。

 

ここの町を守りたい気持ちはもちろんあるが。

 

和也の身の安全を第一に考えなくてはいけない。

 

一番大切なのは・・・この目の前の和也だ。

 

やはり。

 

・・・。

 

・・・。

 

ここを出よう。

 

もしかしたら。

 

この町の陰陽師たちが。

 

力をあわせれば・・・魔の者に勝てるかもしれない。

 

精霊たちは無理だ・・・と言うけれど。

 

そうとは限らないではないか。

 

私のような修行もしていない者よりも。

 

何百倍も・・・力があるはずだ。

 

その者たちの・・・力を信じよう。

 

私は心を決めた。

 

明日にでもここを発つつもりで。

 

和也と二人・・・家へと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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つづく