大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
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「喜んでもらおうと思って。」
そう言って翔君が持ってきたのは。
銀座あたりで買って来たんだろうって思うくらい。
何重にも丁寧に包装された高級そうなケーキだった。
ナースたちがキャアキャア言いながら箱をあけケーキを選んでいる。
「ねぇ智君・・・二宮君は?」
「オペの後片付け。」
「・・・俺さ。」
「・・・ん?」
そっと俺に近付いて。
ヒソヒソ声で言う翔君。
「これ・・・二宮君のために買って来たんだけど・・・。」
「ニノに?なんで。」
「昨日のお詫び。怒らせちゃったし。」
「・・・。」
「嫌われたくないからね・・・必死だよ俺も。」
なんで嫌われたくないのか。
なんでそんな必死なのか。
聞けないけど・・・俺は言った。
「ニノ・・・ケーキはあんまり好きじゃないよ。」
「マジで?」
「うん・・・特にこういう・・・生クリームだらけのものは多分食べないと思う。」
「マジか。」
「ん。」
「よく・・・知ってるね。」
そう言われて言葉につまった。
言えばいいのに。
一緒に住んでるんだって。
でも・・・それを言ったら理由を聞かれそうで。
理由はまあ・・・その・・・ストーカーに合ったから。
だから・・・心配で一緒に暮してるっていうのが理由だけど。
それは表向きであって。
本当はそうじゃなくて。
ただ・・・俺が。
ニノと一緒にいたいからであって。
それが・・・なんとなく翔君にはばれそうで。
だから。
言い淀んでいた。
「あ・・・二宮君。」
「・・・。」
翔君を見て。
軽く会釈をするニノ。
その顔からは歓迎している様子が見えなくて。
俺は・・・ちょっと笑っちゃうと同時に。
翔君が不憫に思えてきた。
相性が合わない・・・とニノが言っていたこと。
本当の事のように思えてきた。
「ケーキ買って来たんだ・・・昨日のお礼。」
「お礼?」
「そう・・・オペにお邪魔しちゃったし。」
「それは別に・・・」
「食べて・・・どれがいい?」
覗き込むニノ。
でもすぐに・・・言った。
「僕はいいです。」
「あ・・・やっぱ・・・生クリームダメ?」
「やっぱ?」
「智君に言われたんだ・・・ニノは生クリームダメだよって。」
「・・・。」
すいっと俺を見るニノ。
その瞳が・・・翔君を見た目とはあきらかに違って。
眉が軽くあがり。
目がまん丸になって。
くいっと左右の口角があがり口元が緩んでいて。
ちょっと・・・照れているような・・・うん。
なんだろ・・・もう。
・・・。
・・・。
すごくかわいい顔になった。
「ええ・・・大野先生の言う通りです・・・僕生クリームが苦手で・・・。」
「はぁ・・・残念。じゃあ何が好き?」
「いえ・・・別にいいですから。」
「よくないよ・・・二宮君に食べて欲しいんだからさ。」
「なんでですか。」
「なんでって・・・。」
「・・・。」
「お詫び・・・的な?」
「なんで疑問形なんですか。」
「とにかくさ・・・次は二宮君の好物を買ってくるから教えてよ。」
「・・・。」
「あ・・・じゃあ智君知ってる?二宮君の好物。」
「え・・・ぁ・・・知ってるって言うか・・・。」
「教えてよ。何なら二宮君は喜ぶの?いいよね?二宮君・・・智君に聞くなら。」
「それは・・・ええ・・・いいですけど・・・。」
少しだけはにかんだように小首をかしげ。
ニノがじっと俺を見つめる。
その・・・少し甘えた様な瞳に。
こんな場所・・・こんなシチュエーションなのにドキッとする。
そんな心の動揺を翔君に見悟られないように気を付けながら。
俺は・・・すぐに答えた。
「せんべい。」
「あ・・・当たり。」
かわいく笑いながら。
軽く俺の腕に触れるニノの手。
そんな少しの接触でも俺を動揺させるには十分だった。
「じゃあ次はせんべい買ってくるからね。」
「別にいいですって・・・。」
「いや・・・買ってくる。」
なぜか意地になっているような翔君。
すぐ次の日にニノに高級なせんべいを買ってきたけど。
あいにくその日はニノは休みで。
もちろん俺も休みで。
だからとっときました・・・なんて松本先生に言われて。
その次の日出勤した時に食べたんだけど・・・その日は翔君が休みで。
一応お礼の電話はしたんだけど。
やっぱり翔君はついてないな・・・なんて。
そんな事思ったんだ。
.つづく