サザエさん | 言葉は天から降りてくる

言葉は天から降りてくる

日々舞い降りてくる言葉をひろってみました

テレビを見なくなって久しい


会社でなり友達なりと昨日のテレビ番組の話なんて話題にも上らん


理由は

とりあえず置いておくとして


子供の頃、テレビは大事なものの風にゴブラン織の布がかけられとった


うちは両親共働きやったから、家族が揃ってゆっくりテレビを見るのは週末

おでかけに連れて行ってもらうより、私は、我が家か伯父の家でのこの時間が好きやった


土曜のお昼に学校から帰ると、前後して帰って来た親とお昼を食べながら吉本新喜劇を見て、夜は「8時だよ❗️全員集合」

日曜の夜はサザエさん

それから、アタックNo1とか世界名作劇場とかアンデルセン物語とか

その後の時間がNHKの大河やった

(書きながらふと、あの当時からNHKって受信料とってたのかな❓って疑問)

親が子供に見てもいいって許容してた定番はそれくらい


あの当時、どの番組見るのかさえ親の許可が不文律やった我が家😓



前に書いた事があるかもしれんけど

父は生まれて間なくに父親を亡くしてる

まだ「家」という概念が強かった時代、武士の家には跡継ぎが必要だった(既に明治維新後、そんな価値観は排除されたのに)

だから、父親を亡くしても、父は大切に育てられた

その後、祖母の実家の男兄弟が戦争で絶えて、生家には(私の)祖父の弟達もいたので、父は祖母の実家に養子に入る


戦中戦後の物のない時代の中では比較的恵まれていたらしいけれど、親と引き離された父は、友人の家庭とは何かしらが違う家庭に淋しさを感じながら、けれど、それを口にできずに大きくなった


その父が

サザエさんを見ながら時々

「お父さんはの、養子に行ってから自分の親との生活をしてないもんやけん、サザエさん見るたび、ああ、親父が生きとったらこんな家族やったんかのと思うったい」ってつぶやきよった

「赤ん坊の時から父親がおらんかったから、お父さんはサザエさん見ながら、父親はこげなもんかと思う時がある」とも


サザエさんは父お墨付きの番組やった



あれからずいぶんと時間が流れた

父も鬼籍に入った

サザエさんの世界観も時代錯誤って言われるくらい世の中も変わってしもた


やけどね、あの何でもない時間は今も

帰りたい時間なんよね


今日は日曜日

サザエさんって、まだありよる❓