アメリカ兵に寄り添って、パンパンたちが水玉模様や派手な色のドレスに身を包み、真っ赤な口紅を塗り、髪にパーマをかけ、アメリカ女のように大仰な身振り手振りで陽気さをまき散らしている。敗戦後の東京・銀座。
そんな描写から始まる「下巻」にあたる「ブギウギ敗戦後」。
終戦を迎え東京にもどった法城は、GHQよりドイツ潜水艦の艦長がもっていた、最新鋭型潜水艦と最新兵器の設計図を撮したマイクロフィルムを探すことを依頼される。
その重要な手掛かりを持つのは、旅館の女中・リツであった。
リツは、パウルとの子供を女将に預け、一人東京・銀座に上京し、ジャズのクラブ歌手になっていた。
しかし、その命は国際的陰謀から何者かに狙われるとこに…。
リツがドイツ潜水艦乗組員のパウルから贈られたペンダントトップに、マイクロフィルムが隠されているというのだ。そして、そのマイクロフィルムにはドイツの最新鋭型潜水艦と最新兵器の設計図が撮し出されているという。
この小説は、ドイツ・ナチス党の陰謀とアメリカ進駐軍、CIA、ソ連のスパイなどがマイクロフィルムを追っての思惑が錯綜し…。という、緊迫するその展開にあっても、自由で奔放にその時代に生きる女の姿を描いた部分の方がむしろメインストーリーのように思える。
ジャズシンガーとしていきいきと突き進む安西リリことリツ。終戦とともに英会話学校をはじめた旅館の女将。そして「愛」のために命をかけたオルガ。彼女らを通して、動乱の時代に生きるたくましくも自由な女を描きたかった物語なんだろうと思う。
やっぱり、これは女性作家だからこその小説なんだろうな。
面白かった
![!!](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/176.gif)
Android携帯からの投稿