ここ数年に出て来た作家での、僕のベスト1はダントツに森見登美彦(もりみとみひこ)氏なんですね。
「太陽の塔」から始まった彼の妄想世界を突っ走る快進撃は多くの若き男女を虜にしました。
中でも「夜は短し歩けよ乙女」は絶頂のファンタジー度を誇ります。
京都の町を舞台に、不毛な時を過ごす大学生たちが繰り広げるちょっと異世界な話たちは、結果的に多くの女子を京都へと誘いました!
つまり小説という昔ながらのコンテンツの魅力によって、今でも人が観光地に流れているんですね。何も大作映画に限っての話ではない。
今の時代、若い連中が旅に出なくなったとはよく言われます。でもそうではないんですね。今までの旅行代理店が作ってきた旅行に魅力を感じなくなったというだけの話です。
社寺仏閣、自然環境、郷土料理に関心がなくなっただけの話です。
そしてそういうことに、行政や旅行会社や宿の人たちが気付いていないふりをしているか、幸か不幸か全く気付いていないか、なのです。
そういうことを、僕らはしっかりと捉えていきたいなと思っているわけですね。
