さて1月中旬から始まったロードが一昨日の大阪で終わりました。
少しでも何かを感じて頂ければ幸いです。
そして僕も本当に沢山のエネルギーをもらいました。
この場を借りて改めて御礼申し上げます!
ようやく本業?に専念できます。(笑)
さて一週間振りの講義です。
本日はプロデューサーが行う大事な役割、「演出」についてお話しします。
映画だと「演出」はディレクター、つまり監督の仕事ですね。
ただニッポンの場合、ディレクターと言うとどうしても立場が弱く感じられてしまいます。
なのでここではプロデューサーにその役割を担ってもらいます。
基本的に、世の中の殆んど全てのエンターテインメントには
「演出」が施されています。
映画、音楽、小説、演劇、博物館、美術館、あらゆるスポーツなどなど。
真剣勝負の舞台であっても、
そこに至る過程には様々な「演出」が施されています。
それを地域で、それぞれの施設で、
「演出」をかけていってあげるわけです。
例えば宿泊施設を考えてみましょう!
どういう気持ちでチェックインしてもらい、
どういう過程を経てチェックアウトしていただくか。
料理にクライマックスを持ってくるのか、
お風呂でクライマックスを持ってくるのか、
それともアクティビティで持ってくるのか。
起承転結を作ってあげるんですね。
地域にしても同じです。
前回も少し述べましたが、どういう気分で駅を下りてもらうか、
どこで観光のクライマックスを持ってくるか、
そのバリエーションはどれぐらいあるのか、
などなどを考え、ゲストの心を誘導してあげるわけです。
数年前、イギリスの湖水地方を旅したことがあります。
どの街にもエントランス的な機能があり、
ディレクションサインが整備され、
街の景観を乱す看板類はなく、
見事にコントロールされた美しい観光地がありました。
日本の観光地はどこでもそうですが看板だらけです。
まあ一種の文化と言ってしまうこともできますが、ニッポンが本来持っていた奥ゆかしさや自然との調和といった部分はないんです。
ただ最近では観光地をなんとか演出していこうという流れが
幾つかの観光地でも見られるようになってきました。
少しづつですが、ニッポンも良くなっています。
演出というものは何も映画や舞台にだけあるものではないんです。
日常のあらゆるものにあります。
次回はちょっと面白い演出事例を紹介します。