一年の感謝を込めて | 一般社団法人民間災害時動物救済本部(CDCA)

当会のブログをご覧いただいている皆さまへ

 

おかげさまで、決算、二年ごとの理事の登記も無事終えることができました。

 

気付けば、東京オリンピックが開催された2021年も残すところあとわずかとなりました。
 

今年こそは穏やかな一年でありますようにと願い始まった一年ですが、7月には静岡県熱海市で土石流災害が発生し、地域としては限定的ではありますが、規制線(後の警戒区域)が張られ、その中では多くの尊い人命や動物の命が失われました。

未だに1名の方が行方不明となっており、一日も早く見つかりますよう願ってやみません。

 

 

以前に、多発する災害から、大雨や台風など、気象庁の予報を注視していれば被害を最小限に防げぐことができる災害と突然やってくる地震のような災害があることをお伝えいたしました。

 

 

今回の熱海の土石流災害では、飼い主さんが仕事などで外出している留守の時間帯に災害が発生し、室内で過ごしていた多くの動物も災害に巻き込まれました。

 

ワンちゃんは自力で脱出し、ご親戚などにお預かり頂いた子が多かったようで、捜索の依頼はありませんでした。

 

猫ちゃんについては、迷子捜索を行っていくなかで毎回思うことなのですが、災害発生後、外にいる子が壊れた家屋から逃れた子なのか、もともとお外で暮らしていた子なのか、首輪が付いていない子では判断が難しい。

尚且つ、飼い猫ちゃんでは不妊去勢済であっても耳カットされていない子もいるわけで、不妊去勢済かどうかを耳カットだけで判断することもできず。

 

飼い主さんがお亡くなりになってしまった家の子達は、ご遺族の方やご近所の方に情報を頂きながらの捜索となり、戻る家もなく、捜してくれる人もなく、お腹を空かせてさまよっている子達を見つけ出すまでに、苦しい時間だけが過ぎ去ります。

 

賛否両論、ご意見はいろいろあるかと思いますが、災害現場で迷子捜索をする立場として、改めてマイクロチップの必要性を強く感じた災害でもありました。

 

 

お話が変わりますが、ここのところ頻発している地震によるアラームの通知音で、東日本大震災当時のことを思い出されている方が多いのではないでしょうか。

 

当時、わたくしも帰宅難民となった一人で、愛猫ちゃんが待つ家にたどり着いたのは翌朝のことでした。

家の中がどうなっているのか、猫ちゃんは無事なのか・・・

心配で心配でたまらなくても、頼りのバスも来なくなり、ただひたすら、家の方角に向かって知らない人と一緒に歩き、やっとやっと、翌朝帰宅。

 

我が家の猫ちゃんは名前を呼んでも出てこず、カーテンの後ろに隠れていました。

その翌日から発熱・・・

どれだけ怖くて不安だったことか・・・

 

 

近年言われているのが、災害が発生した際に無理に家を目指して帰らず、会社や近くの備えのある安全なビルや施設で待機するようにということ。

 

万一、そのような状態になった時を想定して日頃からどう備えるべきか。

 

水害の場合には事前の予報であらかじめ避難をすることとして、地震の場合は、揺れにより飛びそうなもの、落下しそうなものを固定したり、ワンちゃんや猫ちゃんがいる部屋に置かないようにする。

そして、ワンちゃんや猫ちゃんが安全に身を隠せる場所、スペース(室内の避難場所)を作っておく。

押し入れなどの狭い場所に入り込む子もいますので、戸を少し開けておくとか、揺れでベッドが移動しない前提で、ベッドの下のスペースなど。

 

そして、地震が頻発していて不安を感じているようなときは、スムーズに帰宅できないことを想定し、いつもより飲み水やご飯を多めに用意して外出する。

 

留守時に自動給餌器や自動給水器を利用されている方は、停電によって影響を受けないものに切り替えたほうが良いかと思われます。

マンションによっては停電に備えて、発電機を備えている場合もありますので、平時に確認をされてみてはいかがでしょう。

 

 

熱海の土石流災害現場や今年一年を振り返り気付いたことを記させていただきました。

少しでも参考になれば幸いです。

 

 

近年発生している自然災害は、いつ、どこで起きてもおかしくありません。

 

明日は我が身ととらえ、どこかで災害が発生した際には、自分自身が被災した場合を想定し、イメージして、命を守る備え(住環境・避難場所・避難ルート・物資)を万全にしましょう。

 

 

想像してみてください。

 

今、ふかふかの暖かい寝床で眠っている子達が、この寒空、猛暑の中、お腹を空かせてさまよう姿を・・・

 

不妊手術をしていない子達はさらに悲惨です。

ご飯にもありつけない状態で身ごもり、ボロボロになりながら仔猫を育てなければなりません。

災害時に生まれてきた仔猫ちゃんたちは生きてはいけません。

 

 

家族の一員であるペットの命を守るためには、まずは飼い主さん自身が生き延びること。

飼い主さんの命あってこそ、迷子になってしまった子たちを捜してあげることができるのです。

 

 

そして、災害時に幸せになれない命を増やさないためにも、体調に無理のない範囲で不妊去勢手術を行っていただきたいと切に願います。

不妊去勢手術を行った際には、上記理由からもマイクロチップの装着、耳カットをご検討いただけますようお願い申し上げます。

 

 

12月31日に都内を出て、福島県飯舘村の活動に向かいます。

 

当会を立ち上げた大きな理由は、飯舘村の子どもたちを応援してくださっているご支援者の皆さまのお住まいの地で災害が起きてしまった時に、何もできずに見守るだけではなく、避難所の中で、一緒に避難できずに心を痛めている飼い主さまに寄り添い、少しでもお役に立つことができればと言う思いからです。

 

また、飼い主さんがいない、お外の世界で頑張っている子どもたちが手のひらからこぼれ落ちてしまわないように、救いの手を差し伸べることができればと思っております。

 

 

災害が起きないことが一番の願いですが、万一の時には猫ちゃんのロゴマークのCDCAを思い出しSOSを発信してください。

 

 

物資、ご寄付を託してくださったご支援者の皆さま

当会の記事をシェア、拡散してくださった皆さま

熱海の活動でご自宅を提供してくださったジェニーちゃんの里親さま、

愛ちゃん&しんちゃん

保護っ子ちゃんたちの預かりさま、里親さま、

災害現場で連携してくださったNPO法人くすのきさま、個人ボランティアの皆さま、

熱海市災害ボランティアセンターの皆さま

飯舘の活動でお世話になっているボランティアの皆さま

動物病院のスタッフの皆さま、

セミナーでお世話になった皆さま、

仕分け積込メンバーの皆さま、現地入りメンバーの皆さま

 

今年も一年大変お世話になりました。

来年も同じ想いの方とできることをつなげて、足りないところを補い合いながら、より多くの命をつなぐことができるよう愚直に精進してまいります。

 

来年もご指導ご鞭撻、お力添えを賜りますようどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

コロナ禍、どうかご自愛いただき、良いお年をお迎えくださいませ。

 

一年の感謝を込めて。

 

一般社団法人民間災害時動物救済本部

(CDCA)

代表理事 西澤  ひと美

 

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