よく「精神科医は足し算はできるが引き算ができない」と揶揄されますが、まさにその通りで、薬をどんどん増やすことはするのに、減らすことをしない。
一般的には病状が改善し落ち着くに伴い、使用する薬の種類や量を減らしていきます。
患者の体(脳や肝臓や腎臓)に負担をかけないためというのもありますが、薬の量を減らすことで、健全な考え方の患者は、自分が良くなっていることを実感し、もっとがんばろうという気になるからです。
いつまでもたくさんの薬を盛られたままではどんどん自信を失ってしまいます。
【編集後記】
私がまだうつ病真っ盛りだった頃。
友達の元彼は、16才の時に統合失調症と診断を受け、入退院を繰り返しており、看護婦さんに『可愛がられて』いたそうです。
(本人はモテていると自慢してるが、友達いわく、『慰みもの』になっていたと)
過呼吸が日常的に激しく、バイトも長続きせず、
一緒に寝ているとおねしょをし始めたので、薬のせいではないかと疑い、友達は一緒に診察室に入るようになったと言っていました。
彼の主治医に症状を事細かに伝え、主治医は驚き薬を飲んで減らして行ったそうです。
「そんなことは聞いていない」と。
体調が悪い時にだけ報告をし、回復しても報告はしないので、悪化の一途を辿っているのだと思い精神薬がどんどんと増えて行き、筋肉の弛緩によってオネショをするようになったのだとの説明だったそうです。
当然彼から主治医に『オネショ』の副作用の報告はなく、その他の副作用の存在も主治医に一度も報告されたことはなかったのだと友達は呆れていました。
自分に興味がなく、医師に自分の全てを投げ出して、丸投げ&依存して生きて来た結果が、オネショとして現れていたのだと。
社会に出ることなく無関心な父親に育てられて生きて来た彼は、年相応な成長をしないまま大人になり、16才の精神年齢の『守られたい』意識が強い男の子でした。
母親は離婚して出て行った為、父親と二人暮らしの一人っ子の彼は、当時は30才手前だったかな。
恐らく今はもう40代以上になっているのかなと思いますが、育つ機会を奪われ続けた彼を思うと、罪なことだなと思います。
ちなみに『統合失調症』の症状って一体何だろう?と友達は不思議に思っていました。
彼が彼であることは性格だし、
過緊張とパニック以外に目立つ症状は見たことがないと