付き合い始めた7歳年上の『彼』は、4人の姉がいる末っ子の長男。
29かな?30かな?
だったけれど、「お前が大人じゃないと困る」と言うほど『子供』でした。
付き合い始めてほとんど直後に妹と『カス』が付き合い始めました。
その当時、私たちは兄弟3人と子供嫌いで家事を一切しない祖母との4人暮らしをしてました。
その家に『カス』が妹を迎えに車で乗り込む。
妹は首筋にベッタリキスマークをいくつも付けて帰って来ました。
私と妹は姉妹ではなく 女同士になりました。
私がダメで妹なら良い?
私は私の存在自体を全否定された気分でした。
家に堂々と迎えに来る見慣れた車を見なければならなかった私は、『カス』の母親に訴えようと思い電話をしたら『カス』本人が出て、
もう耐えられないと訴えたら別れると言ったにも関わらず、またもや妹に泣きついたらしい。
うちでは修羅場ですわな。
ふすまを隔てただけの隣の部屋から、悲劇のヒロインと化した妹が歌う杏里の『悲しみがとまらない』が聞こえて来るし。
同じ頃、『可哀相な私』を慰めて貰おうと思って、頼みの綱の『彼』に言ったところ、慰めるどころか彼は私を『サル』と罵り始めました。
『サルの姉妹』
『淫乱』
セックスするだけして、その後にはやっぱり『サル』だと。
淫乱姉妹だと。
たぶん精神がイかれていたんだと思う。
その彼にしがみついて、私には別れることができませんでした。
別れるという選択肢が私にはなかった。
どこにも逃げ場がなかった私は人生に絶望して死ぬことを決意しました。
食べない方法で。
あんたが別れない限り私は食べない。このまま死ぬ。そう宣言すると、
妹は「死ぬのは勝手だけど、私の前から消えて」と言いました。
誰も家から出ず、同じ家に住み続けている異常な状態が2週間ほど続き、たまたま顔を出した母親に悟られて私は病院送りになりました。(病名は急性膵炎)
絶水食の点滴だけの1ヶ月半、私は今度はどうやって死のうかと考えていました。
病院で死ぬと迷惑をかけるから、退院したら死ぬつもりでした。
そんな私に母親は言いました。
今 何を言っても無駄だから、あんたが我慢しなさい。
エンピツ 【昔の恋の話をしましょう】 by 夏海