前編はこちら

南1局の2本場、南家の鷲尾からリーチを受けた林であったが、イーシャンテンから3s4p8pと3連続で無筋を押していき、終盤にこのテンパイになる。
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先程の47mと同じく、覚悟を持ってまっすぐ押して行った先のテンパイだ。
9mを切ればドラの7pと1sのシャンポン待ち、4mを切ればチートイツでの8m単騎、8m切りは同じくチートイツの4m待ち。
場況的には4m単騎以外ならとても良い待ちのように思える。2sが3枚見えでかつ生牌の1sはどこかで固められてない限り山であるし、序盤に他3人がマンズの上をバラ切りしている為8mも山にいそうだ。
また、チートイに受ける打4or8mがどちらもリーチの危険牌なのに対し、シャンポン受けの9mは現物である。
纏めると高打点とヤミテンで出アガリが効く点に優れるのがチートイ受けで、その点では劣るもののこの瞬間確実に声をかけられない点で優れているのがシャンポン受けといった所か。
打点で劣るとはいえ後者もリーチすればドラ3のマンガン手であり、この瞬間の収支に最も優れているのは打9mリーチであろう。しかも待ちは曰く付き(?)の1sである。

ところが林の打った牌は8m。4m単騎に受ける選択をしたのだった。この打牌は瞬間の安全度でも、待ちの強さでも中途半端な選択ではないか。
しかし、林は更に志の高く、強い意図を語ってくれた。
「この手はもっといい待ちに変えて白水からの直撃を狙うので、それがなくなる打9mでのリーチはない。4mと8mの選択は迷ったが、この場で待ちの強さに拘った所で、直撃の取れそうな待ちになれば結局どちらも叩き切っていくつもりであり、それならばと若干安全な8m打ちを選択した」
とのことである。
この煮詰まった場であってもあくまで林は、白水からの直撃を狙っていたのだ。
その志の高さには本当に感服させられる。
結局この場は1s48mの全てが2枚山だったので、この瞬間の選択に優劣はあまりないのかもしれない。
ただこの次巡に林の下へ舞い降りて来た牌は、その志の高さに応えるようなものであった。
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このハネマンツモで首位白水の尻尾を完全に捕まえた林は、流局を挟んだ南2局1本場でも終盤にクイタンのチーテンを入れ、本来白水のポンテンであった牌を捉えて供託込みで2300点のロンアガリ。
この時点で首位白水と林の差は、僅か2000点となっていた。
続く南3局、チーム「ぼくくぼ」最後のオヤ番では、ラス牌のカン4mを先に引き入れて当然のリーチ。
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これをツモれば一気に勝利に近づけるし、こういったリーチで白水を降ろしていければ、例えツモれずとも逆転、ダメ押しとしていくことが可能な状況である。
しかしここで白水がトータルトップの意地を見せつける。
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手詰まる局面もあったがうまくイーシャンテンをキープし続け、最終手番で引いた5pでなんとかテンパイ料をもぎ取った。
チーム「イッツーは好き」も、九州予選から厳しい闘いを勝ち上がって来た猛者揃いなのである。
そう簡単に3万点の逆転を許すはずがない。
ここまで来れば、私達にできるのはもう祈りを捧げることのみである。

続く南3局1本場、またしても林に勝負手が入った。
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先程のチートイツに続き、またしても待ちの選択。
見た目枚数ではカンチャンが上であるが、目無しが2人いることもあり場況に全く情報はない。
しかしここでの林の決断はノータイムであった。
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林の選択は、あくまで直撃の可能性を高めるカン3s。
この河では22468sから8s6sを払い最終手出し2sのカンチャン待ちが当然読み筋に入るので、いくら筋ヒッカケとは言え簡単に出る待ちではないが、それでももう白水には後がなく、出アガリも十分に期待できる。
更にこの3sはなんと4枚山だ。
私達の夢を乗せた林の麻雀は、優勝という終着駅に向けてもう止まることを知らない。
遂に「ぼくくぼ」が「イッツーが好き」の背中を捉え、そして追い越していく瞬間は、それから間もなく訪れたのだった。
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ただ次局は白水が息を吹き返し、發ドラ3のテンパイを入れたところ、3着浮上を狙いとした鷲尾のリーチ宣言牌を捉えて8000は8600のロンアガリ。
1位の林との点差を5800点としてオーラスのオヤを迎えることとなった。

オーラスの優勝条件を整理すると、下位2チームは完全に目無し。トータルトップの林は白水を上回ったままオーラスを終わらせればよく、逆に白水は1局で差をひっくり返すには1600オール以上のツモアガリが必要。
出アガリについては下位2チームからの5800、直撃の2900だとぴったり同点となり、ルール上同点は上家取りなのでアガリやめとはならない。なので出アガリについては直撃で3900、林以外からであれば7700の打点が必要となる。
いずれにせよ現実味のある条件であり、決して油断は出来ない。

優勝の行方を決めるオーラスの幕が、遂に切って落とされた。
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アガレば優勝のオーラスで、ここから林が切ったのは5p。
解説の渋川、独歩は両者とも、ここで愚形を処理する打1mや1sを推奨していたが、林はペン3mのような愚形待ちでもリーチを決めていたとこと。
がらくたリーチを恐れない林の勇気は、ここでも最高の結果を齎した。
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6s3mと絶好の牌を入れ、47sでのピンフテンパイ。オヤの白水はまだ手にはなっていない。
勝負の結末は、時にあっけないものだとよく言われる。
その言葉を証明するかのように、次巡のツモで林はあっさりと手牌を倒したのだった。
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林の志高く、勇気のある麻雀が、「ぼくくぼ」を優勝という名の終着駅へ導いた。
チーム全員が誰一人足を引っ張ることなく、全員が全員の持ち味を活かし、たどり着いたこの場所から見える光景は、さぞかし美しいものであったに違いない。
私自身これが羨ましくないと言えば嘘になるが、それ以上にそんな仲間達を誇らしく思う気持ちが大きい。
「ぼくくぼ」の4人はとても強く、同卓していると時にムカつく相手であるが、同時に最高の仲間でもあるのだ。
月並みではあるが、ここで改めてこの言葉を贈ろう。

「ぼくくぼ」、優勝おめでとう!
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エピローグに続く!


P.S. 2記事にも渡って林を褒め続けるだけというのもシャクなので、彼のエラーについても触れておく(笑)。
南1局1本場にて、林はこの6sでチーテン。
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この前に1p2pとポンしていっているので、ほぼ役牌バック、或いはアンコと読める仕掛けである。
供託が2本あるので、局収支のみを考えればさほど悪い鳴きではない。しかし36sをチーしてしまうことで、白水の視点からはトイトイもピンズのホンイツも否定されてしまい、とても押し返しやすくなってしまうのだ。
36sが何枚も見えてしまっているならともかく、対面と上家に連続して切られただけのこの状況なら、まだチーは我慢するべきだろう。
高い手を作ってまっすぐ押していくことと、白水からの直撃を狙うことの2点を一貫して続けていた林にとって、この鳴きはそのどちらも満たしていない、大将戦で見せた唯一の隙であったように見える。
こういった仕掛けを今後林が我慢できるようになれば、更に怖い存在になっていくだろう。
ドラが1sになった際に表示牌の9sを何度も撫でる癖については、半ば手ジャミであるので、ここではもう無視させていただく(笑)。