大将編(後編)はこちら

 

「ぼくくぼ」が準決勝進出を勝ち取った2ヶ月前から、私は折に触れて彼らより「初回で一番貢献した門脇が出れないことになって申し訳ない」といった趣旨の言葉をかけられており、特に林は大将戦前や優勝後のインタビューでも私に対することを話してくれていた。

当然私もチームの一員として参加したかったのは山々なのだが、麻雀というゲームの性質上こういったことが起こるのは当たり前であるので、特にマイナスな感情は抱いていない。

信頼のおける仲間とチームを組んで闘ったのであるから、その結果がダメでもそれはただの不運に過ぎないのである。

寧ろ普段から頻繁にセットを組んでいて、かつ自分がチャラ程度で戦えているよきライバル達が、これだけの結果を出せたという点でどこか誇らしく感じてさえいる。

なので「ぼくくぼ」の4名は私に対する負い目を一切感じる必要はない。ただただ私は、今回の結果に感謝を伝えたく、今回の観戦記を書かせてもらった。

 

最後に簡単にではあるが、チームの4人に対して一言ずつコメントしていき、エピローグとさせていただこう。

 

まずは先鋒の中田。

先鋒に中田を置くことは私が最初に提案したことだったように記憶している。そして中田は、私の期待通りの麻雀を打ってくれた。結果云々の話ではなく、全国放送の決勝の舞台、その緒戦で中田が中田であったこと、それがチーム全員にとってとても大きかったことのように感じている。

もし先鋒が中田でなかったら、今回最高の結果を勝ち取ることはできなかったかもしれない。

これから私と同卓する際は可能な限りオヤ番でリーチを控えることと、いつかのセットで私が中田からオールスターのロンアガリを見逃した借りを早急に返してもらうことを、最後に希望させていただく。

 

次鋒の花田。

決勝の前日に多分に酒を飲まれた(笑)こと、アレな要因で体調を崩していたことから心配していたが、麻雀は何の問題もなく打ってくれたのでホッとした。体調最悪の二日酔い状態で出場するくらいであれば私が出た方が…と思う時もあったが、麻雀の内容を見た後ではとてもそんなことは言えない。

花田の麻雀は私達の中で一番ベクトルが違うと私は考えていて、一体どういった手牌進行をしているのか気になっていたのだが、今回の次鋒戦で、花田のような打ち手はこういった選択で勝ちをもぎ取っているのか、という新たな知見が多々あった。特にあの西単騎リーチは他のチームメイトは(ついでに私も)アガれていない手だろう。

花田のような打ち手の存在は、チームに不可欠であったと私は考える。

 

副将の久保。

今回の決勝戦でMVPを挙げるとすれば、殆どの人間が林を選ぶだろう。

しかし私は、真のMVPは久保であったと思っている。

副将戦ではトップ目に鬼のように手が入り、普通であればあそこでほぼ勝負が決まってしまっていたところだが、2度のハネマンツモなどでそこに喰らいつき、30000点差未満でタスキを繋いだ久保の活躍が勝負をわからなくしたのではないだろうか。

確かに副将戦では点差を広げられてしまったが、あの8m一発ツモが潮目を変えたポイントであったと私は考えている。

林の逆転劇を呼び込んだのは、間違いなく久保の麻雀であった。

 

そして大将の林。

まずはインタビューで散々私の名前を出してくれたことに感謝したい。

様々な人の想いを抱えて麻雀を打ち、その結果為し得た逆転優勝は、非常に感動的であった。

押すのが難しい牌を押し、待ちの薄い牌をツモるその麻雀は、まさに林の憧れる前原麻雀そのものだったと言えるだろう(一方で1sの出番はなかったが…)。決勝の大舞台、それも大将戦という極限の状況であれだけの麻雀を打った林を、仲間として心から尊敬する。

恩を売るわけではないが(笑)、大会前のセットであれだけ林のトップを抑え込んだことが、この結果につながったのかもしれない。無論これからも抑え込むだけ抑え込ませていただくので、その折は鬼手だぞTシャツを是非とも着てきていただければ幸いである。

 

皆の素晴らしい麻雀をこれだけ見せられた私に、1つやりたいことができた。

私達はもう何年もセットをやってきているが、「誰が最強か」ということは、あまり考えずにやってきたような気がする。

無論麻雀というゲームでそれを正確に判別することは難しいが、ここで一つタイトル戦のような形で、仮初にでも最強を決定するのも面白いかもしれない。

「ぼくくぼ」の4人であれば、きっと熱い闘いが見られるはずだろう。

 

そして願わくばその場には今度こそ、私という打ち手も参加させていただければ、それに勝る喜びはない。

 

麻雀甲子園2017観戦記 完