第1節から苦しいスタートとなってしまった渋谷ABEMAS。
第2節では、大方の予想通り松本、日向と今期まだ出場のない2名が起用されました。
ABEMASの様に4人でチームが構成されていると、ローテーションが回しやすかったり相性等での戦略が立てやすくなって良いのでは?と思います。
他の7チームはどうかわかりませんが、少なくとも渋谷ABEMASでは今後も4人の麻雀があまり出番の偏りなくコンスタントに見られるのではないでしょうか。

先述の通り今節の先発は松本。

今回取り立てを行う債務者は50代独身(実家暮らしではない)男性と雀荘の娘、白熊に似た中年の3人。
特に中年男性の2名は昨シーズン白鳥から多額の融資を受けておきながらその返済が滞っており、利息込みでの確実な「回収」が求められる。
取り立てには格好の手材料が松本に入ったのは東3局1本場。

形では2m切りとなるが、ペン7pに然程魅力がないのと出来れば赤5pを使いたいことから89pと払っていく。

ただここでドラ3sを切り飛ばすのは珍しいケースと言える。
2m、赤5pと手が広い局面だが、おそらくソーズの場況が気がかりだったのではないだろうか。
2mをずっと残していた以上マンズには魅力を感じていたはずで、同様にピンズも両面は勿論カン4pくらいでも勝負になりそうではあるが、ソーズは2sの絡む待ちになると途端にアガリが苦しい。
またおそらくABEMASは、このように牌理と自身の読みを天秤にかける展開になった際に自身の読みと心中するようチームとして徹底しているのではないだろうか。他の局面、他の半荘でもそういう選択が随所に見られており、もしこれが事実とするならばやはりエース多井の影響が大きいのだろう。
4面子目の完成までを見た一打だったがW中年のリーチと仕掛けに先手を取られてしまい、通りそうな2pで回ったところ近藤に5200は5500の打ち込みとなった。
その後はクイタンやテンパイ料での細々とした取り立てに精を出す松本。数千万、あるいは億といった華々しい金額のやりとりがベストバランスの本質ではない。こういった日々の地道な回収が、彼の麻雀を支えているのである。
雀荘の娘へ追加の融資がありつつも直後にメンピンツモの700-1300を捉え、迎えたオーラス。

ホンイツ役で条件を満たした手を張っている中持ってきたのは7m。見た目枚数では8m待ちの方が勝るものの白熊のリーチに47mはあまりにも危ない。
加えて親の仕掛けもケアするとなると手牌5枚は全てが危険で、強いて言えば8mが7mのワンチャンスというくらいだ。
テンパイを崩すことになるリーチの現物3m切りや壁に頼った打8mも頭をよぎったろうが、松本の選択は7mツモ切りでの勝負であった。
結果論にはなるが8mは雀荘の娘にアタリで、3mを抜いて気合いオリしたとしても嬉しい展開はたろうのアガリだけ。しかもツモの際はマンガン以下のしょぼくれ中年残念和了だった場合ラスのまま半荘が終わってしまう。
押すのであれば7mをツモ切った方がアガリが見えるのは明白で、これは最善手だったように思う。それを裏付けるかのように、松本の取り立てが報われる瞬間が来た。

8mを掴みアツそうに河に置くのは白熊に似た中年。3900+リー棒の直撃となり、なんと松本は一気に2着まで浮上となった。


???


開幕から4着→3着→4着と厳しい展開が続く中、2戦目の席に座るのはゴールデンルーキー日向藍子。

大人気のYouTubeチャンネルを持つ彼女はそちらでのタレント的活動に目を向けられがちだが、麻雀でも女流のタイトルを多数獲得しており、男女混合のリーグ戦でも鬼の住処と言われる最高位戦B1リーグで無限に残留を重ねる(今期は産休の為欠場)などその実力は疑いない。
余談だがこの最高位戦B1リーグは土田浩翔や水巻渉、石井一馬、佐藤聖誠といった錚々たる顔触れがB2への降級を経験する等本当に意味不明なリーグである。それこそMリーグにいてもおかしくない彼らを蹴落として残留を続けられているというのは、本当に並大抵のことではない。
そんな日向も流石に最初の方はカタくなっていたのか、

ここから7sツモ切りとしてしまう。ここはソーズの上を逃さないよう東切りが勝るのではなかろうか。7s切りが成立するのは8sがもう一枚見えてからになるだろう。
日向がこれまで主戦場としていた最高位戦は赤なしで、対して赤のあるMリーグとの1番の差は守備への意識である。赤がないならこのようにドラを固めた手は対面に座る先輩の腹回りくらいパンパンに構えるべきだが、赤があると途端に下らない仕掛けがマンガンクラスになることもあり、この手でも攻め一辺倒とは言えなくなってくる。おそらく日向はまだこの辺りのバランスを調整しているところなのだろう。
今回の手は結局ペン3sなどを引き入れ最高の形になり、アザラシから倍満の直撃に成功。

何とは言わないが世の中には天罰というものが存在する。これしか倍満出アガリの道は存在しない中ピッタリハマってしまったアザラシ、今年は苦労する展開が多くなるのかもしれない。

雀士としての日向をあまり知らない方のために、彼女の雀風がよく出ている局面を紹介する。

この前巡から、1246とソーズがある手で日向はカン5s払いを敢行。1sを切ってリャンカンにしておくのが手筋と言える中、鳥が対面と上家の現物であることを重視して4巡目から既に守備的な選択を取ったのだった。
形だけを見ると「非効率じゃね?害鳥が手に居座ってね?赤5s受けなくなってね?」と思いがちだが日向のこういった打牌には受け寄りの理由が必ず卓上に転がっている。今後の観戦の参考にされてみてはいかがでしょうか。
一方でドングリと化した先輩に迫られて迎えたオーラスの、

このドラ残しは解説も瞬時に拾えていなかったが、決してもう打てない…といった守備目的の一打ではない。
場をよく見ると14mは既に4枚見えており、更に悪いことには外側の1mがそのうちの3枚を占めている。
344578pは決して良い形ではないが、ドラ表の3pが先に入れば一転してアガリの約束されたようなイーシャンテンに生まれ変わることになる。この4p残しはどちらかと言うと、土壇場で最大限にアガリ率を高めた攻撃的な一打と言えるだろう。
しかしここではこの手は実らず。最終的にはドングリが逆転の手を仕上げトップを奪取し終局。
オーラスで着順こそ落としたが、日向は自身の緒戦でチーム初連対を控え室に持ち帰ることとなった。


第2節終了後の総合成績がこちら。
依然最下位に沈む渋谷ABEMASだが、-130程度のスコアは1節でプラスに転じてもおかしくないのがMリーグのルール。特に気にする必要はないだろう。
4選手が1半荘ずつ打って、おそらく4人なりに手応えを感じているはずである。特に新加入の日向がプラスで帰ってきたのは、今後のチームにとって明るい材料だ。

結果は4-3-4-2と残念でしたが、良い時期も悪い時期もあるのが麻雀というゲーム。
嵐が去ったあとの陽だまりを待ちながら、今後も応援していきたいですね。