先鋒編はこちら

先鋒の中田が普段着麻雀で繋いだタスキを受け取った花田は、対局前のインタビューで自らのポジションについて「ちょうどいい位置」「絶妙に遊べる」と語った。
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表情からも余裕が感じられるが、現状の「ぼくくぼ」及び4チームのポイント状況は以下の通りである。
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YDTの1人沈みとなっており、この時点では三つ巴の戦いと言う他ない。となるとこの次鋒戦は、かなり大事なものになってくる。
最悪でも上位2チームに食いついていくことができないと、後の2半荘が苦しいものになってしまうからだ。
そして結論から言うと、この次鋒戦は決勝の中で最も苦しい戦いになった。花田の勝負手が中々決まらず、そして他家に簡単な高い手が濁流のように流れ込み続ける。
そういった苦しい展開の中でどのように花田が闘っていったのか、じっくりと見て行こう。

開局から早速、難しい局面になる。
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ドラドラから發をポンし、シングル選抜柴田(以下敬称略)の先行リーチと2m9sのシャンポンでめくりあっていた所にアタリ牌の3mを掴む。
これ以上は押せないと考えるのであれば、4mや4sといった現物はそれなりに所持しているし、スジもあるのでオリには困らなさそう。当然高めマンガンの手なので、3mを押していく選択もある。

しかしここで花田は、フリテンの147mでテンパイを続行する打2mを選択した。思うに、これは中々バランスの取れた一打であるように見える。
出アガリこそ効かないものの、現物の47mが1枚も合わせ打たれない所を考えると、待ちは山にありそう。
かつ1枚通ればもう1枚打てる牌であること、加えてドラポン後の36m変化などを考えれば、流局してのテンパイ料はこちらの方が取りやすそうである。
その後も通っていない7pを押し切ったものの、残念ながら7mはリーチ者がアンコ。結局は柴田のリーヅモ赤赤が決まり、苦しいスタートとなった。

ただその次局に發東1pを激しく仕掛け、役役の700-1300というらしいアガリを見せる。
そこから暫くはガマンタイムが続き、迎えた南2局で花田にチートイツのテンパイが入る。
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場にピンズが高いこと、1枚切れの西が狙い目であることは、花田がこの前日先輩と行ったカラオケでべろんべろんに潰されきった状態でもわかる話だ。
しかし何せ2pはドラであり、ヤミテンでもマンガン、ツモればハネマンの待ちになる。幾ら高い色とは言え、北家のイッツーが好き森山が2巡前に切っていることから、今のうちと2枚目が切られてもおかしくない場況だ。
だったらここは手堅く西切りダマか。後は二日酔いのせいで視界がボヤけ、1pを2pと見間違え誤ロンしないことを祈るのみと思いながら画面を見ていると…
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花田はドラの2pを横に曲げていた。当然ながら、二日酔いのせいではない。
これが本人の言う「遊び」なのだろうか?結果は下家のYDT奥村が一発で西を切ってしまい6400の出アガリとなったが、このドラ切りリーチは河を見てもチートイなどの変則手とは読み辛く、致し方ない放銃であろう。
そして実はこの局面、オヤの柴田に6巡目テンパイが入っていた。
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タンヤオ赤ドラのカン7s、7700のヤミテンである。
花田が1枚山だったドラ単騎でテンパイをとっていると、こことの勝負が長引くのは確実。
北家森山の手牌で赤5sが発射台に乗っていたことを見ると、恐らくオヤの柴田はそれをポンした47sの12000に手替りするはずなので、その手と勝負してもあまりいい未来はなかっただろう。
花田の大局観が導いた「遊び」が、チームを危機から救い、それどころか6400の加点をもたらした。
二日酔いだなんてとんでもない。はなちゃんレーダーは、いつどんな相手に対してもビンビンに働いている。

しかし今回の苦しかった次鋒戦を象徴するようなアガリが、南3局1本場の花田のオヤ番で出てしまう。
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ここまで不用意なドラ切りなどで放銃し、先鋒戦のプラスを全て失いかけていた森山のこのツモアガリ。
メンピン一発ツモ赤の2000-4000は2100-4100である。
この局も
4赤5689p2335m34678s
という2巡目の手牌から3mをツモ切り、結果マンズでの1面子+雀頭を逃した上でのペン7pを入り目にした一発ツモで、オヤ被りさせられた側としては「なんじゃそら…」とゲンナリしてしまう。
東場でも花田は森山の独特な手順に勝負手リーチを躱されており、打ち手によってはキレてしまってもおかしくない所だった。

しかし最近プライベート(体調面)で不幸のあった花田、この程度でキレるわけはないとオーラスでも見事な打牌を披露。
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下家のオヤ番奥村が9巡目にカン4sをチーして、タンヤオドラドラに向かっていく。
この仕掛けにまたしてもレーダーをビンビンにした花田は、見事な絞りを披露し、オヤに鳴かれそうなピンズや上目のマンズを絶対にこぼさない。
南家の森山からリーチが入っても安易にリーチの現物を打たず、スジの2sをアンコ落としして徹底した極絞り(©︎藤原隆弘)を行なっていったが、結果はまたしても森山のツモアガリ。
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裏もきっちり1枚のせて3000-6000となり、次鋒戦に幕を下ろした。

この時点でのトータル成績は以下の通り。
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一時プラスを溶かしかけた「イッツーが好き」は結局先鋒戦と同程度のポイントを叩き出し、「ぼくくぼ」は「YDT」と共に小さいながらマイナスとなってしまった。
しかしこの次鋒戦での花田の麻雀は、様々な技を見せることで失点の危機を何度も回避し、最小限にマイナスを抑えたように見える。実際にアタリ牌を掴むことも少なくなかったが、結局放銃は前述したリーチ後の森山への2000点のみなのだ。

花田という打ち手はとにかく手牌が短いイメージがあり、そうすると放銃も増えてしまうというように私は考える。
ただこの次鋒戦で花田が見せた麻雀は、手牌を短くしつつ放銃は回避、時にはメンゼンの待ち取りでロン牌を打ち取り、また状況に応じては完璧な絞りを披露する、といった具合で、引き出しの多さを感じさせるものだった。
多彩な技があるからこそ、安い鳴き手のような単純な技も活きてくる。
常に内股や大外刈りのような大技が決められるわけではない。
花田の言う「遊び」とは、技の多様さに繋がるものであった。「芸は身を助く」とは、よく言ったものである。

ある種先鋒の中田と対称的な麻雀で花田は傷口を最小限に抑え、大学入学前からの盟友である副将・久保の為の道筋を切り開いたのだった。

副将編に続く!