「恋の爆弾」と「涙のシーズン」 | edihの昭和音楽よもやま話

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オールディーズ風R&Rが流行った74年。このブログ2回目の登場の"安西マリア"さんの

「恋の爆弾」(74年9月発売)


(作詞:安井かずみ 作曲:かまやつひろし 編曲:柳田ヒロ)

で、R&Rなシングルをリリースしていた。

「♪スリルなくっちゃ、イ~ヤ~ッ!」の部分で、セクシーに腰を振り振り、踊りながら歌っていたのが印象的であった。
注目すべき点は、作曲にはなんと"ムッシュ"かまやつ氏。スパイダース時代から洋楽ティストなサウンドはムッシュならではのものだ。

アレンジは、日本のロック黎明期"フードブレイン"などで巧みなキーボードプレィを聴かせる70年代の屈指のプレイヤー"柳田ヒロ"氏。この2人の組み合わせは、歌謡曲を超えたポップな仕上がりになっている。

バッキングはスタジオ・ミュージシャンではなく、74年にムッシュのバッキングを担当していた"オレンジ"ではないかと思っている。オレンジというバンド、"ウォッカ・コリンズ"のベーシストだった"横内タケ"氏がギター、ベースは"石井治郎"氏、キーボードは"山本達彦"氏ドラムは後にゴダイゴに参加する"浅野良治"氏の4人。伝説の74年の郡山ワンステップ・フェスティバルではムッシュのバックで演奏するシーンが見られる。

次に紹介するのは、キャロルの弟バンドとしてデビューの"ドゥ・T・ドール"のデビュー曲

「涙のシーズン」(74年5月発売)


も、「恋の爆弾」と同じ安井+ムッシュ+柳田トリオの作品で、バッキングはより"オレンジ"っぽい乾いたサウンドである。74年に発売されたユニークなサウンドの2枚、意外な共通点があるのではないだろうか。

(文中一部敬称略)