外環道の陥没事故は、大深度地下は安全という根拠の希薄な説明を根底から覆しました。

大深度地下法という法律の建付けや運用に問題があったのです。

ところが、不備な法律もとで認可された、大深度地下使用の外環道やリニアは、そのまま進んでいます。

形だけ、原因究明も安全確認のための調査も、安全確保になっていないことが次々明るみに出ています。


今日は、そこから得たいくつかの新しい視点や問題などについて、ご報告します。

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外環道は、有識者委員会による再発防止策 を作ったにもかかわらず、

東京外かく環状道路(関越~東名)工事現場付近での地表面陥没事故について | NEXCO東日本 (e-nexco.co.jp)

 

今年10月、新たに2か所の陥没が起きています。

 

また陥没穴? 東日本高速がこっそり修復 近くで外環道トンネル工事 調布のサイクリング道路に6カ所:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)


「堤防の経年劣化が原因とみられる。外環道のトンネル工事との因果関係は、現時点では考えにくい。」という専門家のコメントを合わせて報道していますが、

・1.3キロメートルも離れた工事現場とは全く関係ない場所の陥没を、
・わざわざ工事業者が見つけて
・自腹で修復すること自体、

因果関係を疑わせるに十分だと思います。

 

それとも、工事業者は、工事現場から半径1.3キロメートル内に起きた事象は、すべて善意で修復することにしているのでしょうか?

 

今も、リスクにさらされ、不安な日々を過ごしている調布市の外環道周辺の方たちですが、
なんと、固定資産税も住民税も減免無く、負担させられているそうです。

ひどい話だと思います。

 

そういえば、

大深度地下法というのは、土地収用法の適用除外法です。

土地収用法は、国民の私有財産の権利を認め、公共事業などを行う際の手続きや保証の在り方が定められています。
 

その適用を除外するのが大深度法
お上が、私有財産の権利を奪ってしまったのが、大深度地下法なのです。

 

外環道は、国土交通省、東日本高速道路(株)、中日本高速道路(株) が共同して事業を進めています。

大深度地下法の認可をしたのは国交大臣。
東日本高速道路(株)、中日本高速道路(株)は財務省100%出資の企業。

お上が、
私有財産を公共事業に使うにも関わらず、何かあっても国民が文句を言えないようにしたのが、大深度法の事業ということです。

この国は、国会議員が守るべき憲法の規定

  13条=生命・自由・幸福追求
  29条=私有財産

国民の命も財産も守らなくて良いようになってきています。

 

 

一方、

リニア中央新幹線は、外環道の事故を受け、2021年9月に調査屈伸と呼ばれる、安全確認のための調査を行うと言ってから、2年が経過していますが、調査のためのシールドマシンは掘り進められず、未だにJR東海の敷地内から出ることができません。

 

事故が起きるたびに、調査委員会などが立ち上がり、原因が解明されて、たまたまの不備だったので、それは人力で補えるという結論を導き、工事が始まります。

全ての要素を把握して、安全な工事などできるのでしょうか。

仮にできるとするなら、なぜ、いま、想定できる様々なリスクを丹念にクリアにしてから工事を始めないのでしょう。
 

 

事故が起きれば、リニア周辺の住民にも
外環道で起きていることと同じことがおきるでしょう。
 

私の事務所は、リニアの経路から1.3キロメートルどころか、500m程度ですから
十分影響を受ける可能性があります。
 

洗足池周辺も、名前の通り、湧水が溜まってできた池がありますから
外環道が陥没した調布市の入間川周辺に似た環境にあります。

 

できるのに、やらないのは、

・すべての要素を把握するには、時間や手間=つまりは、コストがかかるから
・そこまでしたら、儲かるチャンスを誰かにとられてしまうから

でしょうか。

リニアの事業者は、
外環道と違い、民間の営利企業ですから、どうなるのか、さらに心配です。

 

そんな誰かの都合のために、そこまでして、リニア中央新幹線を開通させる意義はあるのしょうか。

2020年11月に、国会は、リニア事業への3兆円の財政投融資を議決しています。


30年元金返済不要で、0.8%の利子だけ払えば良いという極めて有利な融資条件です。


急いで大阪まで通したいどころか、いまも、敷地内で足踏みしているリニア中央新幹線工事。

 

今も日本円という貨幣価値は下がっています。
30年後の3兆円は、どれほどの貨幣価値でしょうか。

 


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