今回の議会は、国会軽視による議会制民主主義の危機を感じた議会でした。

大田区は、国会で成立していない補正予算を根拠に、大田区に補正予算案を送付しました。

国は、マイナンバー法を改正して、マイナンバーに紐づけできる大田区の事業を、省令で紐づけられるよう法改正にしています。

国会や区議会の議決が軽視された議案が送付され可決した議会だったのです。

 



法律と条令でマイナンバーに紐づけるということは、国会と区議会の議決が必要だということで、
省令でできるということは、行政内部の手続きでできてしまい、国会も区議会も議決が不要だということです。

省令でできるようになると、これまで法改正、条例改正していた区の個人情報を使った事業をマイナンバーに紐づける時にも、国会の議決と自治体の条例改正がなくなります。

議会の議決なしに、国や大田区など行政内部だけで、個人情報を扱えるようにしたのです。

憲法改正の先取りのようなことが、始まったと感じた議会でした。

ところが、私のように考えて、問題だと発言した政党も議員もいませんでした。

それどころか、
国会の議決を待たず送付した補正予算案は、私以外全政党、前会派賛成でした。

 

実は、前回の特別定額給付金の時も、私以外、全ての議員、政党が、
区長の独断の専決処分に賛成しています。

議会を開けるのだから、開くべきだと、誰も言わなかったのです。(奈須りえ以外)、

私は、
恐ろしいことが始まっていると、議会制民主主義に大きな危機感を持っています。

戦争などは、いつも「正義」のために行われます。
その「正義」に、嘘やまやかしが紛れ込んでいる時、見抜くのも、政治の役割だと思います。

いま、
与党だけでなく、野党も、行政の言うことをそのまま信じ、行政に甘くなっていると思います。

 

自民党は憲法を改正して、国会で議決しなくても、内閣だけで法律(と同じ効力の政令)をつくれるようにしようとしています。

今回の議案は、自民党の憲法改正案の先取りのようです。

自民党の憲法改正案が通ると、行政府である内閣が立法権も持つことになり、強大な権力を持った内閣が誕生します。

 

行政が法律と同じ効力の政令をつくれると、
国会議決なく増税出来たり、年金を減らしたり、選挙の期日を変えることも可能です。

 

財務省が消費税増税と言っていますから、
「緊急」に財源不足を確保しなければならない、と言って増税するかもしれません。

 

行政は、企業と連携し、議会を軽視し、その権力を増大化させているのです。