今回の区外施設施設報告は、大田区休養村とうぶです。

休養村とうぶは、下記の条例にもあるように、区民の健康や余暇、区立小中学校の校外学習活動のために作られた施設です。

年間管理運営費はおよそ、4億5千万円。

利用者数は、コロナの前年で2万8千人。
うち約半数は、校外学習で使う、大田区のこどもたちです。

できて25年くらいになるそうです。小中学校で行った、お友だちやご家族と言ったという方もいらっしゃるかもしれません。

大田区休養村とうぶ条例 (g-reiki.net)

条例から一部引用
(設置)

第1条 豊かな自然環境の中で、区民の健康の増進及び余暇活動の充実を図ること並びに区立学校に在学する児童及び生徒が校外学習活動を行う校外施設として活用することを目的として、大田区休養村とうぶ(以下「休養村」という。)を長野県東御市和字入山神6733番地1に設置する。

 

豊かな自然の中にある施設です。(朝食の時に撮りました!)

 

 

施設内には、ホタルブクロや桔梗も咲いていました。(写真は桔梗)

写真でもわかるように、豊かな自然の中にある施設です。

視察先で受けた説明で、気になったのが、配られた資料の次の数字です。

休養村とうぶ資料 (nasurie.com)

 

 

どこが気になったかというと、写真の一番下の部分の利用実績の一般と学校の利用数です。

抜き出してみます。

平成30年度(2018年4月~2019年3月)

一般19194(区民11,847区民外7,347)  学校15390  総利用者数34584

平成31年度(2019年4月~2020年3月)

一般17830(区民11,191区民外6,639)  学校10263  総利用者数28003

 

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令和2年度(2020年4月~2021年3月)

一般 5754(3,728区民外2,026)    学校    0  総利用者数 5754

令和3年度(2021年4月~2022年3月)

一般 8878(区民5,977区民外2,901)  学校 1235  総利用者数10113

令和4年度(2022年4月~2023年3月)

一般12605(区民8,554区民外4,051)  学校 2138  総利用者数14743



赤の二重線で、だいたいでコロナ前と後にわけていみました。
(新型コロナが武漢でおきたのが、2019年の12月。日本への影響は翌年の2月以降です)

ところが、学校利用が2/3と大幅に減っていたので、教育委員会聞いたところ、
減ったのは、3泊4日を2泊3日に変えたからだそうです。

 

大田区内から長野県の東御市までは、車で3時間はかかります。

せっかく自然豊かな場所まで時間をかけて訪れているのですからゆっくり
様々な体験をさせてあげたいと思います。

みなさんはどうお考えになりますか?

 

また、
学校利用が減ったことで、区民利用割合について調べてみました。

施設は、大田区民の税金を使って、区民の健康や余暇や教育のために使う施設だからです。
これは、地方自治体が区民の税金を使い何を行うべきかという根幹の部分でもあると思います。

2019年から校外学習利用日数が2/3になりましたが、これを3泊4日で利用率を
試算するとおよそですが80%になりました。

 

2018年 78%
2019年 76%(校外学習を3泊4日で試算すると利用率はおよそ80%に増える)
2020年 64%
2021年 71%
2022年 72%

 

今回、あらためて 休養村とうぶのHP をみたら、大田区の税金で建てた施設ですが、区民以外の方の料金との違いで があまりなくなっていました。

 

休養村とうぶは大田区民の税金で建て、維持管理している施設ですが、ほかに契約保養所と言って
企業が運営するホテルや旅館と提携し、区民が2000円安く泊まれるしくみがあります。


旅行や余暇が一般的なっている方たちがいて、伊豆高原荘では、高額な食事を選ぶ方たちが増えている、という話を聞きました。
契約施設の従業員の方にうかがったら、高額なホテルや旅館の人気が高いとおっしゃっていました。

一方で、格差が拡大し、旅行やレジャーとは縁遠い方たちも増えています。

以下は契約保養所の資料です

 

 

いろいろな暮らしをなさっている方たちがいるなか、私たちの税金はどう使うべきでしょうか。

 

休養村とうぶのHPからは、大田区の施設だということは見えません。(どこかにあるでしょうか?探せませんでした)

 

コロナの前に、テレビで取り上げられ、来場者が大幅に増えたそうです。
このテレビは、区民向け放送だったのでしょうか?

 

その時に、区民利用割合も、さらに下がったかもしれません。


区民のの税金を多額に使って建設し
年間管理運営身費も4億5千万円を超え()
区立学校の学習利用を減らし
区民以外が使えるようアピールし
料金は区民がそれほど安いわけでもない


大田区は、区民の税金で建てたこの施設を、誰のために、どう使おうとしているのでしょうか。


施設でメリットを受けるのは、
建設して利益を上げる事業者と管理運営する事業者でしょうか。


私は、校外学習施設は必要だと思っています。

ところが、豊かな自然の中に建つ野辺山学園は地元で管理する事業者が無い、施設が老朽化している
ことを理由に借地を地元に返すため、更地にしてしまいました。

休養村とうぶも利用を日数を減らしています。

保養や余暇のための施設が大切だった時代もいあると思いますが、
今の使い方では、区民の税金を多額に使うほどに、区民のメリットが見えてきません。

まるで、大田区が、区民の財産でホテル旅館業、観光業を行っているようにみえます。

ところが、実際の運営を担うのは、指定管理者制度と言って、営利企業が行うことがほとんどです。

区民の財産で投資し、投資利益は、指定管理者など施設を管理運営する事業者が得るというのが多くの場合です。

 

もちろん、儲からないから官が行ってきたという背景がありますが、
料金が官民変わらなくなってきていること、受ける指定管理者が「損にならない」指定管理料を
区が支払っていることを考えれば、安定的な事業と言えるでしょう。

 

私たちの財産は、民営化で、一部の投資家が投資利益を上げられる仕組みに変わってしまったということです。

公が行っていた時代は、建設や運営にかけた税金は、

・適正に働く人の賃金として分配され
・利用する区民の料金は、妥当な金額が設定されていました。


これを、

・賃金を減らし
・利用料をあげて

投資した事業者の利益に分配することを可能にしたのが、民営化、であり、指定管理者制度ということだと思うのですがいかがでしょうか。

 

・・・・・・

番外編

 

以前、もうだいぶ前ですが、区外施設視察で訪れたら、市長が夜にご挨拶においでになりました。


帰りに、視察のバスは、市長の関係のお菓子屋さんに寄っていました。

今回は、市長の訪問も、お菓子屋さんに立ち寄ることもありませんでした。

 

因みに、休養村とうぶの指定管理者は、株式会社信州東御市振興公社です。

 

この意味も一緒に考えていきましょう