学校に接し、フロントのないホテルができるということで、大きな住民運動になりました(今も住民運動は続いています)。

 

この住民運動に後押しされて、大田区が民泊新法の民泊の平日の営業を制限する条例改正を行おうとしています。

 

第四回定例会中の健康福祉委員会(12月1日)で審議、採決され、全会一致で委員会での条例改正が可決しました。本会議で可決すれば、条例は改正されます。

 

学校に隣接してホテルが出来ることを知った住民が、
地域集会を重ね、チラシをつくり、ポスターを張り、区や教育委員会に要望書や請願を出すなど、あらゆる手段を使って問題を広く伝えてきました。
 

地域住民、教育委員、区議会議員など多くの共感を得、そうした方たちの後押しもあり、条例改正に至りました。

 

条例が改正されると、これからできる民泊新法の民泊は、月曜の正午から金曜の正午まで営業ができなくなります。

ただ、
1.すでに届け出を済ませ営業している79施設のうち小中学校から100m以内の15の宿泊施設は、そのまま営業できますし

2.旅館業法の規制が緩和されて、旅館業の届け出で宿泊業を行えます

から、小中学校から100m以内でのホテル業を止める効果がどこまであるかは疑問です。

 

それでも、大田区を動かしたのは、大きな一歩だと思います。

 

こうしたホテル業が可能になった背景には、旅館業法の規制緩和があります。規模の小さなホテルの営業やフロントの無いホテルの営業が可能になっているのです。

 

この発端は、大田区が全国に先駆けて手を挙げた国家戦略特区法に基づき、特区民泊により旅館業法の適用除外を求めたことにはじまります。

国家戦略特区による規制緩和は、1年経過したら、評価し、効果が無いと立証できなければ、全国展開すると定められています。

大田区が特区民泊に手を挙げたことで、旅館業法そのものの規制緩和による法改正が行われたのです。

大田区が、全国に先駆け、特区民泊に手を挙げたことの責任は重大だと思います。

この特区民泊でわかるように、規制は、私たちの環境や安全や人権を守っています。規制を緩和するということは、規制=法が守っている環境や安全や人権を法で守らなくなるということですから、私たちはその分守られなくて無防備になり、自己責任で自分を守らなければならなくなります。

大田区が、特区民泊に手をあげた結果、小中学校に極めて近接するフロントの無いホテル営業を可能にし、それによって区民の住環境を悪化させてしまいました。

大田区は、区民生活を守ってきた規制を緩和することで、区民の安全や環境や人権を侵害することを実感したと思います。

条例改正の効力から見れば疑問は残りますが、大田区が、今後の規制緩和に慎重になり、及ぶべき影響について十分に精査することを望み、条例改正に賛成しました。

住民運動は引き続き、子供の環境を守るために続いています。