外環道の陥没事故を受けたJR東海の説明会で事故の原因を

【地盤の特殊性】と【施工管理】に限定し、

リニア経路の地盤は特殊ではないので、施工管理に気を付け工事する

と説明しました。   

これだけ聞くと、リニアの工事は大丈夫に聞こえますが、
外環道では、トンネル工事で下水管が下がり、管内部がはがれた事故が起きていて、
因果関係が認められているのに、JR東海はこのことにふれませんでした。 

さらに、近隣では因果関係は明らかになっていないものの、
ガス漏れも起きていたそうです。 

調布陥没周辺で原因不明の地中管ガス漏れ3件 住民不安に拍車 :東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)   

その後の調査結果はどうなっているのでしょう。
東京ガスだけに任せているようですが、東日本道路は
調査の責任があると思いますし、道路管理(=市道なら市)も
重大な事故ですから東京ガスに任せるのではなく
責任をもって調査原因を解明すべきと思います。


過去に、大田区が東京都土木研究所に委託して行った調査報告に

●表層地盤の詳細な検討が必要
●とくに地盤災害による被害は、大構造物よりも、木造家屋、道路などのほかガス・水道等の地下埋設物に対して影響の著しいことは従来の震害例が示している。

という記述を見つけました。

支持地盤の強度だけでなく、表層地盤を調べなければならない。
シールドマシンによる掘削で
生じた振動が、上部の木造家屋や道路、ガス、上下水道などに
影響することは、過去に起きた地震が示している、
ということです。

さらに言えば、外環道の調査報告書には、陥没カ所について
「造成時などにおいて人工的に掘削された可能性があるエリア」
と、表層地盤にふれた記述があります。

 


果たして大深度地下使用は、過去の知見に基づき、安全確認の上認可されている事業でしょうか。

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大田区は、昭和45年3月、地震対策のため東京都土木技術研究所に「表層及び浅層の地盤地質構成を明らかにすることを主眼にした調査」を依頼し報告書を作成しています。

ここに、先ほど私が指摘した調査結果の気になる二点、
「造成時などにおいて人工的に掘削された可能性があるエリア」
「入間川(いりまがわ)分水路地下下水管沈下と剥離」
に重なる問題点を指摘している箇所がありました。大切なのでいかに記載します。

1、従来震害(地震・振動の被害のこと)に関係した地盤条件として、沖積層(ちゅうせきそう)の分布等、いわゆる浅層地盤構造が主に検討されてきたが、震害における地盤災害の点から見ると、表層地盤の詳細な検討が必要である。とくに地盤災害による被害は、大構造物よりも、木造家屋、道路などのほかガス・水道等の地下埋設物に対して影響の著しいことは従来の震害例が示している。

2,表層地盤の性状は微地形等から概要は、はあくできるが、土性については不明瞭な点が多いので、よりきめの細かい調査が必要であろう。とくにこの地盤には、人工的な埋立土(場所によってはゴミの層がある)が広く分布し、人為的な改変がいちじるしい。

 

このことは、先日の大田区議会第二回定例会の一般質問で取り上げています。
質問全文(一部変更あり)はこちらです。ご参考まで

リニア大深度シールドマシントンネル工事をこのまま始めてはいけない理由 - 大田区議会議員 奈須りえ  フェアな民主主義を大田区から! (goo.ne.jp)