行政の「お金が無い・財政が厳しい」が、いよいよ怪しくなってきました。お金が無いのではなく、そこに使いたくないということなんですね。165億円で買っても、区民のために使わず9割引で企業の金もうけに貸し出す大田区、区民は1600億円も損します。
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 羽田の跡地は、165億円も支払って買うにも関わらず、大田区が使うわけではなく、羽田みらい開発に50年も定期借地で貸します。
しかも貸付金額は、㎡あたり600円と、隣の第二ゾーンを国が直接貸し付ける5200円に対し、9割引という安さです。
使用目的もかっこいい言葉は並びますが、オフィスや研究機関と商業施設です。それどころか、特区指定されている羽田の跡地は「生産性向上特別措置法」が施行されたことで、法令を一時停止できる無法地帯になりましたが、大田区はそれを区内に持ち込もうとしています。

AI武器やゲノムなど、法令や倫理上の合意を得ていない分野を実用化し金もうけに使わせることに加担して良いのでしょうか。

今日は、この跡地の疑問点、問題点を明らかにしたいと思います。
 

大田区は、国土交通省が所有していた羽田空港の跡地5.9haを165億円で購入しました。

平成30年度の当初予算にのせず、5月のたった一日の臨時会に補正予算で計上し、第二回定例会で議決しましたが、決して当初予算に乗せられなかったわけではありません。

大田区は、昨年の平成29年7月7日に国土交通省東京国空局長宛で羽田空港跡地54,710㎡(仮換地で32,385㎡)の普通財産買受要望書を出していたからです。しかも、契約希望時期は平成30年6月。平成30年度中に買うと決めていました。大田区が行わせた不動産鑑定は、国の鑑定に比べ簡素ですから、昨年7月に購入を決めてすぐ鑑定に出せば、当初予算に十分に間に合ったはずです。

区民に喜ばれる自信のある土地購入なら、規模も価格も大きく、当初予算の目玉にすればよかったのです。まるで、人目を避けるかのように臨時会の補正予算に計上した羽田の跡地は、予算計上の時から問題がありました。

まず問題なのが、なぜ、大田区が買わなければならないのかです。

大田区は、跡地取得について、羽田空港の歴史的経緯を持ち出します。「戦後GHQの接収をうけ空港島の中で暮らしていた大田区の住民約3000名ほどが、着の身着のまま周辺地域への移住を余儀なくされた」ことです。

1そこでうかがいます。

大田区は跡地5.9haを買いましたが、「買う」だけで強制退去させられた皆さんへの大田区の役割は果たせたと考えていますか。大田区が区民のためにすべきことは残っていますか。大田区が行った跡地の不動産鑑定評価書に、「国と複数の個土地が含まれるが、同一所有者に帰属するものとしての鑑定評価」と記載されていますので、これと関連付けてお答えください。

 

今回、大田区は、5,9haの跡地に165億円を支払いました。

購入した跡地の165億円は、大田区が基金として積み立てた額とぴったりと一致します。基金積立残高は172億円ですが、利息の7億円をのぞいた積立総額は165億円なのです。

すごい偶然だと思ったら、大田区は、昨年平成29年7月7日に、国交省東京航空局長あて、普通財産買受要望書を提出していて、資金計画として羽田空港対策積立基金の一部を活用する予定で残高が172億円あると書かれていました。

大田区は、国交省に5.9haに165億円まで、利息含めれば172億円までつかえますと、示したわけです。

5.9haに165億円つかったことで、基金残高は7億円になりましたが、大田区は第一ゾーン16.5haを取得すると言っています。道路3.2ha、公園2.0ha、それに海老取川や多摩川沿いの緑地帯のような部分を除いても開発の見込める宅地はまだ、2.7ha残っていて、これらをどう取得するのか明らかになっていません。 

2そこでうかがいます。

今後、大田区は、跡地の用地購入と整備にいったいいくら使うつもりですか。大田区の総事業費としていくらを想定しているのでしょうか。資金計画はありますか。

 

こうした、全体像を見えにくくしている原因の一つが、区画整理事業です。

 

議案が通常の土地の売買の形で上がってきたので、見えにくいのですが、URからの購入分は、保留地と呼ばれる区画整理事業費をまかなうために売却されている土地です。

3そこでうかがいます。

国は、見積もり合わせをする際の予定価格を算定するにあたり2者の不動産鑑定を行っていますが、大田区は1者しか鑑定していません。この違いはなぜですか。また、URの保留地部分は、購入希望価格の照会を受け、大田区が提出した㎡当たり288,000円でURから購入しています。保留地処分の際に、購入側が価格を提示し、大田区の言い値でURが大田区に売却するのはなぜですか