議案

2018定例会第53号議案大田区特別区税条例等の一部を改正する条例 

 当初所得の格差の拡大が大きな社会問題になっています。これは日本に限らず、世界で起きている共通の問題でもあります。日本の税制は、累進性が低く、課税しただけでは当初所得の格差を是正できないことは国も認めています。今回の国の崩壊背に伴う特別区税条例の改正で、格差は是正されず、中間所得者層以下での税負担の平準化がおきるとみられ、高額所得者との格差の是正に取り組まれていないこと、国と地方の配分で、社会保障ニーズの高まる地方への配分が極端に小さいことから、条例改正に反対しました。


 

この条例は、国の法改正によるものです。

国は今回の法改正により、
・個人事業主やフリーランスの方たちの基礎控除を厚くして、690億円の減税。
給与所得控除で1020億円、公的年金控除で100億円の増税
合計所得2400万円超の納税義務者の基礎控除を減らす、あるいはなくすことで430億円増税。

◉全部で、国税1150億円の増税、地方税400億円の増税となっています。

徴税には、所得の再分配機能があります。

お金持ちからたくさん集め、低所得者からは少しあつめる、非課税にすることにすることで、格差を是正する機能があるということです。

国は今回の税制改正で、860億円分税の再分配が行われたと国会答弁しています。個人事業主やフリーランスの方たちの国・地方あわせて690億円の減税と、給与所得者、年金受給者、合計所得2400万円超の納税義務者の1550億円の増税で、その差額860億円が再分配されたということだと思います。

たしかに、この部分だけみれば、格差は是正されていますが、一方で日本では、利子所得や株式の配当所得など資産所得に対しては分離課税と言って累進税率の適用を除外しています。アベノミクスは投資家への経済政策で、配当率を高めることが一つの指標になっていて効果が出ていると言われています。

同じだけ稼いでも、株の配当所得などは給与所得に比べ税率が低いため、株で儲けている人とそうでない人との格差は拡大するばかりです。

今回の税制改正は、いわゆる減っている中間所得者層の所得に対する増税とも言えます。配当所得者層への分離課税の問題を放置したまま改正することは格差の拡大になるため反対です。

また、国税と地方税でみると
・国 780億円
・地方 80億円
社会保障の責任主体である地方への配分が極端に少ない増税です。

 分離課税者への不公平を除いても、国と地方の配分は、社会保障ニーズに見合わず反対です。