臨海斎場の料金が値上げという委員会報告をみて、根拠となるデータを求めましたが、議決後に見せると言わました。区議会議員にデータをみせず、料金値上げ(実質増税ですが)を決める。
臨海斎場は、5つの区の合同の施設で、広域組合という「地方公共団体」を作って運営しています。臨海斎場広域組合には、各区の議長5人が議員の議会もあり、値上げはこの議会で9月23日に議決するのだそうです。
今回の値上げは平成27年に続くわずか4年で約2割もの大幅値上げになります。それにしても、値上げなのに、各区の議員に運営費用の内訳や前回値上げ時からの経費の推移さえ出さない。こんなやり方で大丈夫でしょうか。
臨海斎場の料金が約2割引き上げられるという委員会報告
をみて、根拠となるデータを求めましたが、議決後に見せると言わました。
区議会議員にデータをみせず、料金値上げ(実質増税ですが)を決める。
臨海斎場は、5つの区の合同の施設で、広域組合という「地方公共団体」を作って運営しています。(港区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区)臨海斎場広域組合には、各区の議長5人が議員の議会もあり、値上げはこの議会で9月23日に議決するそうです。
火葬料金の値上げは実質増税
火葬料金の値上げは、実質の増税を意味します。
火葬料金だけをみれば、「仕方ない」と見えるような、臨海斎場の財政状況かもしれませんが、施設使用料値上げ、保育料値上げし、これらは、税金という名前でないから見えにくいのですが、大田区の歳入で、増税と同じことです。
受益者負担と言いますが、そうなると、民間の経済活動と公のサービス提供はどこが違うのか明確にすべきです。
いまの税金は、中間所得層に重く、富裕層はその収入に比べ税負担が相対的に軽い税体系ですが、こうした利用料の引き上げも、所得の差なく負担いただくので、所得の低い世帯により負担が大きくなります。死ぬことは一人に一度しか起きないから、と流してしまうのではなく、十分に点検し、議論しないと、あれもこれも、あいまいな根拠で値上げを許すことになりかねません。
短期間で約2割値上げ
今回の値上げは平成27年に続くわずか4年で約2割もの大幅値上げになります。
それにしても、値上げなのに、各区の議員に運営費用の内訳や前回値上げ時からの経費の推移さえ出さない。こんなやり方で大丈夫でしょうか。
今回の値上げは火葬料で、式場など貸館使用料は値上げの対象ではありません。
資料を見ると、前回、平成27年に、急激に値上げをするのは負担も大きいということで、1.5倍を上限にした激変緩和措置で大人料金を23,000円から34,500円に値上げしています。
今回、その34,500円が40,000円ですから、平成26年からみれば、23,000円が40,000円とわずか4年で1.7倍、2倍近い値上げ幅です。
公の斎場が区外利用だと民間料金より高い?
しかも、値上げの比較に民間斎場を持ち出しています。
しかし、区外の利用料金設定は大人で80,000円で、民間の桐ケ谷斎場より高い料金設定です。
火葬需要は平成16年4,016、28年7,177、32年8,000と見込んでいます。
*前回の改定内容のところに激変緩和措置。当初からこの料金まで引き上げることを予定していたということです。
値上げの理由の根拠は議決後?
建物の老朽化や増大する火葬に対応するため火葬炉の更新など斎場施設の整備を進め、安定した財源を確保するというのが料金値上げの理由のようですが、運営経費の内訳も示さず、値上げはあり得るでしょうか。
報告した地域力推進部に確認したところ、臨海斎場広域組合議会が終わってから、つまり、議決して(たぶん決まってから)データを出すと言われました。
持っているのに出さない、ということです。
区民の声が届きにくい広域連合などの課題
こうした複数の自治体が広域連合や一部事務組合などの「地方公共団体」を作って、清掃工場や斎場などを管理運営することがあります。
こうした広域連合や事務組合では、予算決算、管理運営に係る問題や、こうした利用料について、それぞれの「地方公共団体」の選挙で選ばれた議員ではなく、各区の議員があて職で従事しています。
そのため、各区の議員がその内容を知ろうとしても、十分な情報を得られないことが多くみられます。
また、各区の代表が、多数会派から選ばれることが多く「与党化」するという問題もあります。
値上げの時だから十分な議論を
葬儀は高齢化における大きな問題の一つで、増える火葬の需要が現在の葬祭場で足りるのか、葬儀の在り方が変わり、多様なニーズ(ご遺体の保存など)に対し、公がどのように関与していくのか、など、議論しなければならないことはたくさんあります。
料金改定は、臨海斎場の料金だけでなく、少なくとも、大田区はじめとした5区の葬儀需要が今後どうなり、公がどう関与すべきかを議論する重要な場であると思います。
十分な情報を提供され、的外れでない、適正な議論へつなげる必要があります。