石岡市民として、なぜ「行方市の人口」が気になるのか

石岡市で暮らしていると、天気予報やニュースで「行方(なめがた)市」という地名をよく耳にします。
霞ヶ浦と北浦にはさまれた水辺のまち。ドライブの途中で道の駅に寄ったり、湖畔を走ったりしたことがある方も多いと思います。

僕自身も、直売所でレンコンやさつまいもを買ったり、湖沿いをゆっくり走ったりするのが好きで、「近いけどちょっと非日常」な場所として行方市に出かけることがあります。

一方で、ここ数年は「地方の人口減少」「消滅可能性自治体」といった言葉が、当たり前のようにニュースに登場するようになりました。
そのたびに、ふと頭に浮かぶのが、

行方市の人口って、実際どれくらい減っているんだろう?
茨城県内で見ると、減り方は速いほうなのか、そうでもないのか?

という素朴な疑問です。

今回は、石岡市在住の地域ブロガーという立場から、

  • 行方市の人口推移(ざっくり)
  • 茨城県全体・周辺市町村との比較
  • 人口規模が似ている青森県黒石市・栃木県矢板市との比較

を通して、「行方市の人口減少のスピード」を考えてみます。
あえて結論を断定せず、「考察・解説・仮説・予想」を中心にした問題提起型の記事です。

 

行方市の人口推移をざっくり確認【いつからどれくらい減ってきた?】

まずは「行方市 人口減少」と検索したときに、読者が一番知りたいであろう部分──行方市の人口が実際どのくらい減ってきたのか──をざっくり整理します。

国勢調査などの数字を並べると、イメージとしてはこんな感じです。

  • 1980年代頃: 約4万3千人前後
  • 2000年代前半: 約4万人前後
  • 2010年   : 約3万7千人台
  • 2015年   : 約3万5千人弱
  • 2020年   : 約3万2千人前後

細かい数字はここでは省きますが、流れとしては、

  • ピークは4万人ちょっと
  • そこから緩やかな下降が続き
  • ここ10年(2010→2020年)で見ると1割強〜1割半くらいの減少

というイメージです。(行方市の最新人口

「減っている」のは確かですが、大事なのはここからです。

その減り方は、茨城県全体や周辺市町村と比べてどうなのか?
同じくらいの人口規模の地方都市と比べても速いのか?

この「相対的な位置づけ」が見えてこないと、スピード感はつかみにくいですよね。

 

茨城県内・周辺市町村と比べた行方市の人口減少スピード

茨城県全体と比べると?

まずは「行方市 vs 茨城県全体」です。

茨城県全体の人口は、この10年ほどで数%程度の減少とされています。
それに対して行方市は、同じ期間で1割強〜1割半くらいの減少。

ざっくりまとめると、

  • 茨城県全体: 10年で数%減
  • 行方市  : 10年で10%台前半〜半ばの減少

というイメージなので、県平均よりもはっきり大きいマイナスになっている、と考えて良さそうです。

周辺市町村(石岡市・潮来市・鉾田市など)との比較

次に、行方市の「近所のまち」との比較です。
ここではイメージとして、

  • 石岡市
  • 潮来市
  • 鉾田市

あたりを並べてみます。

細かい数字は省きますが、おおよその傾向としてはこんな感じです。

つまり、周辺市は「10年間でだいたい1割弱〜1割くらいのマイナス」が多いのに対して、行方市は1割強〜1割半と、一歩先を行くスピードで減っているように見えます。

このあたりをまとめると、

茨城県という枠の中だけで見ると、
行方市の人口減少スピードは「平均よりかなり速いグループ」に入りそうだ

という見方が一つ浮かび上がります。

 

青森県黒石市・栃木県矢板市との比較【同規模都市の中での位置づけ】

ここからは、県外のまちも少しだけ覗いてみます。
行方市と同じく人口3万人台の地方都市として、

  • 青森県黒石市
  • 栃木県矢板市

を例に挙げてみます。(参考:全国市町村人口ランキング

黒石市(青森県)

黒石市も、かつては4万人台を超える時期がありましたが、近年は3万人台前半へと減少しています。
10年単位で見ると、1〜2割程度の人口減少が続いているという点で、行方市とかなり似たカーブを描いています。(黒石市の人口の実状

矢板市(栃木県)

矢板市も同様で、ピーク時は4万人近く。
ここ10年ほどで見ると、やはり1割前後の減少という流れです。(矢板市の人口について

行方市は「全国的には典型的なパターンの一つ」?

この3市を並べて眺めてみると、

  • 行方市:10年で1割強〜1割半程度減少
  • 黒石市:10年で1〜2割減
  • 矢板市:10年で1割前後減

というように、「人口3〜4万人規模の地方都市が、10年で1〜2割減っていく」という傾向は、ある意味で「よくあるパターン」とも言えます。

つまり、

  • 茨城県内だけで見ると、行方市の人口減少スピードは速いほう
  • でも、全国の同規模都市と比べると、特別に異常というほどではなく、“典型的な地方小都市の一例”

という二つの顔を、行方市は同時に持っているのかもしれません。

 

なぜ行方市の人口減少が進んでいるのか?いくつかの仮説

ここからは、あくまで「仮説」として、行方市の人口減少スピードを押し上げているかもしれない要因を並べてみます。

1. 高齢化率が高く、自然減が進みやすい

行方市は、茨城県平均と比べても高齢化率が高いまちです。
高齢化率が高いということは、

  • 亡くなる方が増え、
  • 一方で、子どもを産み育てる世代の人数が少ない

という構造を抱えている、ということでもあります。

その結果として、出生数より死亡数が多い「自然減」が大きく出やすい地域だと考えられます。

2. 鉄道のない車社会と、暮らしやすさのバランス

行方市には鉄道駅がなく、生活はほぼ車前提です。
車があればかなり自由に動けますが、

  • 免許を持たない高校生・大学生
  • 免許返納後の高齢者

にとっては、買い物・通院・通学など、生活のハードルが上がりやすくなります。

「若いうちはいいけれど、歳をとったときにどうなるか不安だ」という感覚が、
長期的な「住み続けるかどうか」の判断に影響している可能性はありそうです。

3. 首都圏や工業地帯への“近さ”が、地元定着を難しくしている?

行方市は、車を使えば、

  • 首都圏方面
  • 鹿島臨海工業地帯
  • 成田空港
  • つくば・土浦方面

など、いろいろな場所にアクセスしやすい立地です。
これは大きな強みである一方で、若い世代にとっては、

地元を離れてしまうハードルがあまり高くない

という意味も持ちます。

「通勤・通学は市外」「買い物も大きな街へ」が当たり前になると、
生活の軸足はだんだん市外に移り、やがて転居してしまう…という流れにもつながりかねません。

4. 取り組みの効果が数字に出るまでには時間がかかる

もちろん、行方市も人口減少を放置しているわけではなく、

  • 移住・定住施策
  • 子育て支援
  • 空き家対策

など、一定の取り組みは行われています。
ただ、こうした施策の効果が「人口」という形で数字に出てくるまでには、どうしても数年〜十数年のタイムラグがあります。

今見えている「この10年の減少スピード」は、
ある意味ではここ数十年の積み重ねの結果とも言えます。
これからの10年でカーブがどう変わるのかは、まだ途中経過の段階だと言えるでしょう。

 

石岡市民として考えたい、これからの問い

最後に、石岡市に住む立場から、行方市の人口減少をどう受け止めるかを少しだけ考えてみます。

「お隣のまち」は、数年後の自分たちの姿かもしれない

この10年で見ると、

  • 石岡市 : 約1割弱の人口減少
  • 行方市 : 1割強〜1割半の人口減少

という差があります。

この差を、

  • 「まだ石岡市のほうが余裕がある」と見るのか
  • 「単にカーブの進み具合が違うだけで、いずれ石岡市も同じような局面に来る」と見るのか

どちらが正しいのかは、今の時点では断言できません。

ただ一つ言えるのは、

行方市の人口減少スピードは、
石岡市や周辺市町村の「未来の姿」を考える手がかりになる

ということです。

これから注目したいいくつかのポイント

この記事では、あえて「だから危ない」「こうすれば解決」という言い切りはしていません。
代わりに、これからも意識して追いかけてみたい“問い”を残しておきたいと思います。

  • 行方市の人口減少スピードは、次の10年で加速するのか、鈍化するのか
  • 移住・定住や子育て施策は、長い目で見て「減少の底打ち」につながるのか
  • 石岡市・潮来市・鉾田市など、周辺市町村との「減り方の差」は広がるのか、縮まるのか
  • 青森県黒石市や栃木県矢板市といった、同規模のまちの工夫から、行方市や石岡市が学べることは何か

「行方市 人口減少」というテーマは、行方市だけの話ではなく、石岡市を含む多くの地方都市に共通するテーマでもあります。

お隣のまちの数字を、ただのニュースとして流すのではなく、

「自分の住むまちの10年後・20年後を考えるヒント」

として、一緒に眺めていけたらと思います。