上り坂があれば下り坂があり、逆風の後には追い風がある。特にマラソン大会に出ていて、スタートとゴールが同じ地点ならば、苦労した分、楽な状態を感じられると思いがちですが、そのようにいかないのが風です。向かい風を必死で克服してようやく方向転換し、よし、これから追い風、なんて思うと余計に苦労することになります。そもそも逆風のときには実際に吹いている風速に加えて前に進んでいるわけですから、じっと止まっているより苦しいはずです。しかし、追い風になると自分で走って逃げていくわけですから、風が感じられなくなります。無風状態です。背中を押してもらおうと思うものなら、強風も強風、暴風と名前がつかないとまず無理で、それ以下の風は無風状態を作ってくれることしかできません。非常に残念ですが、逆風でがんばった分は返ってきませんので、期待せずに走りましょう。
あえてこの項目は心のジャンルにしておきます。先日、私は風速25メートル以上の暴風が吹く中、マラソン大会に出た経験があります。少しくらいの風なら、体が涼しくていいコンディションといえますが、ここまで強風だと前に進むことすら困難になります。まあ、根性だけで走るしかないのですが、そんな中では心で思うことが大切です。セーリング(ヨット)は風を受けて進むのですが、この世界では、逆風に対しても進むことができるそうです。クローズホールドという仕組みらしいのですが、船の装備や微妙なコントロールにより、正対する風には進めませんが、ななめ45度なら進めるそうです。その原理をマラソンに活かす方法までは会得していませんし、それほどこだわらないといけない機会もないと思いますが、要するに体を斜め45度にして走っていたら、まったくの逆風を受けるより、もしかしたら楽になるのではないか、と言う考え方です。実際に私もそうして(変な格好ですが)走 ることにより、ちょっと楽に走ることができたような ”気がします。”


屋外で行う競技ですから、本番にせよ、練習にせよ、天候に恵まれないケースもあります。トップランナーの世界では、雨は体温の上昇を抑えるのでランナーに有利、との見解が一般的なようですが、おじさんランナーとしては一概にそうとも言えないと思います。初心者ランナーの走るコースは、特に練習で走行する場合には、ロードレースではなく、オフロードが多いので、雨は水溜りを作る要因になります。水溜りはランナーにとってあまり良いものではありません。当然、除けて走ることが必要ですし、思い切ってビチャビチャと走っても靴(足)や体が水をどんどん吸収して体が重くなります。そうまでしても練習にもならないですし、いいことはありません。もちろん、マラソン大会などで、かつロードレースだった場合には体を冷やす効果も期待できますので、そのときには予期せず好タイムが出たりします。そのことは確かです。濡れながら走ることは普段以上に体力を失うことになるので、その意義を充分に考えてランニングに挑むようにしないといけませんね。
マラソン大会に出ても、練習でも同じなのですが、おじさん初心者ランナーは走っている間、結構暇なことがあります。そんなとき、周囲の景色などを見て気を紛らわせると良いのですが、コースが周回だと飽きてしまいます。1周2キロのコースを10周、とかいうのは初心者にとっては拷問に近い状態。私の経験では、多くて3周が限度です。慣れない間はそんな条件を見た上で大会をチョイスしたほうがいいです。3周目くらいから、同じ走り方をしていてもなかなか進まないような気がしてきます。もっとも、進まないと思うときは本当に進んでいないんですけどね。精神的疲労が原因だと思います。
マラソン大会に出ているとエイドステーションがあります。何箇所かありますが、慣れない間はどのように扱っていいか考え込んだりします。(しない?)一流マラソン選手のように、水をさっと取って走りながら飲んで、、、と行きたいところですが、これをやると、そもそもコップが取れなかったり、周りのコップも倒してしまったり、なんとかそれをクリアしても、ぐっと飲んだ瞬間に空気も一緒に飲み込んだりで、せっかくそこまでキープしていたペースが一機にくずれてしまうこともままあります。しかたないですね。おじさんランナーは素直に止まって飲みましょう。もちろん、後ろから来るランナーに気を配りつつ、止まってコップを手にして、すーっと息を吐き、その息の分を水で埋めるつもりでぐぐぐっと喉に通しましょう。そのあとはおもむろに歩き出し、コップを捨てるくらいのタイミングで 元のペースに戻しましょう。焦ると損します。それから、エイドステーションでは水とスポーツドリンクがありますが、スポーツドリンクは種類によっては手がベトベトになってあとから走りにくいことがあるので、水にしておいたほうが無難です。それほどあとの走りに違いは出ません。
ランニングには靴が重要です。レーシングタイプの靴はいわゆる玄人さん用の靴で、超軽量でクッションが少ないかわりに足にピッタリフィットするタイプです。足にダメージは多くなりますが、その分早く走れます。一方、トレーニングシューズは素人さん用で、少し重いですが、クッションがよく、フィットするというより足首などをしっかりガードしてくれるものです。最近はその中間のシューズ、レーシングトレーナーなどという部類の靴もあります。クッションは少し減りますが軽量になり、足の動きが軽くなるので大会出場時は好タイムが期待できるというわけです。要するに、初心者のうちは足が弱いのでトレーニングシューズを使い、少しなれてきたらレーシングトレーナー、速さを極めるにはレーシング、とそのように使いたくなるわけです。ところが、初心者ランナーにはさらに注意しないといけないことがあります。おじさんランナーの極意です。マラソン経験がいくつかできると、レーシングトレーナーをはきたくなります。まあ、実績ができていけばそのほうがスピード勝負できるわけですから、それにこしたことはありません。実際靴が軽量化するとタイムもよくなります。しかし、大会でレーシングトレーナーをはくようになっても、練習時にはトレーニングシューズを使ったほうがいいと思います。練習時には、特に一般初心者ランナーは、河川敷、公園、住宅街を走ります。決してトラックは走りません。ね。これらのコースはマラソン大会のコースとは違い、障害物が数多くあるわけです。当然、普通に走るより足への衝撃は大きいはず。そもそも、練習ではタイムを目指さないわけですから、トレーニングシューズを使うべきです。公園内のコースを走る場合など、平坦なコースが確保されている場合はレーシングトレーナーでもいいかもしれませんが、別にわざわざ足にダメージを与えることは必要ないと思います。ちょっとこなれたランナーでも、おじさんランナーは、大会ではレーシングトレーナー、練習時はトレーニングの両刀使いが理想だといえます。
私の造語ですが、アイドリングペース。実はラップタイムではありません。練習でも本番でも長く距離を走るときは一定のペースで走りたいものです。時計を持ったりして計測し、微妙に早めたりコントロールしている方も多いと思います。しかし、本当に長距離を走るためには、「いつまでも走り続けられるペース」、つまり、「体力の消耗を最小限に抑えるペース」を把握することが大切です。実はこのペースは、多分に環境や気分によるものが大きく、キロ何分とか決まったものではないということです。その日の体調、体重、気温、湿度、その他の条件によりこのアイドリングスピードというのは変化しますので、実は時間を計るより、走っている自分が気分よく走れているか、無駄なく走ることができているか、を判定できように、つまりその日のアイドリングペースがどのペースであるかを見極める練習をしないといけません。タイム、ラップはその結果です。大会本番になっても、このアイドリングペースを早くつかみ、結果的にそれが普段より遅ければ好タイムは期待できない、もしかしたら、絶好調なら自己ベストが狙いにいける、、、つまり良い結果を残すかどうかは大会のスタートより前に決まっている。そんな感覚で考えられるようにアイドリングスピードを把握しておくべし、です。
坂道、それも上り坂には攻略法が必要です。マラソン大会では上り坂でも平坦なコースと同じペースで走ることが目標になります。緩やかな上り坂ならば、たとえば100メートルの上りならばそれを平坦なコースと同じペースで走ると、同じ距離を坂道分スピードをあげて走ったのと同じ体力の使い方をするわけです。坂道の多い大会に出ると、いつもより早く走ったような疲労が来ることになりますね 。さてここで、この坂が急な坂であった場合、同じ走法で走ると、何倍ものスピードで走ったことと同じになるので、現実的には無理なことになります。いつもの何倍ものスピードで走るのは無理です。おじさんランナーならなおさら顕著に出るわけで、そうした場合には坂道を上るスピードが遅くなることが想定されます。さらにもともとキロを6分や7分などのスピードで走っているのがおじさんランナーですのでそれ以上遅くなると歩いているのもかわらなくなる、要するに、平坦と同じスピードで走れる坂なら根性で押し切ればいいですが、そうでなかった場合は歩いたほうが体力を消耗せずにすむという解釈ですね。同じスピードでも走っているのと歩いているのでは衝撃も違いますし、運動量も違いますから。おじさんランナーの極意です。
椎間板ヘルニアになると腰の軟骨がつぶれてしまって、歩けな くなります。そんな状態で医師から言われるのは、腰を鍛えるのだ、と。腰が痛くて動けないのに、腰を動かして鍛えるのだと。これはもう微妙なさじ加減で訓練と休養を繰り返し、徐々に筋肉を鍛えることが大切なわけです。ランナーにとっての膝の痛みも同じようなものです。走ることを始めた当初、膝の痛みを訴える方が結構いらっしゃいます。膝が痛いときは休養して、、、というのもわかりますが、筋肉が弱っていて痛みが出ている場合には痛みがなくなるまで休んでいても、また少し走れば痛みが再発、、ということの繰り返しになりがちです。もちろん、加減を見て考えないといけないのですが、少々痛みがあっても、走れるなら走る、そのことを繰り返していると膝が痛まなくなります。(自身の経験談。)もちろん、筋肉を鍛えるかわりに補助具(テーピングやサポーター)を使うと痛まなくなりますが、それだけで走っていると「永遠のお友達」になってしまうかも。最初のころは少々無理してください、ということですが、歩けなくなるほどやってはいけませんのでご注意のほど。