「存在のすべてを」塩田 武士 | ひめぴょんのブログ

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岩国在住です。ここでの生活の中での楽しみをご紹介できたらと思っています。せっかくなので、行こうと計画中のイベント情報などもupすることにしてみました。

 

「存在のすべてを」塩田 武士

こんな数奇な人生は本当にあるのだろうかと思いつつ読了。いろいろな人に翻弄される。思うようにはいかない。誰かを大切にしたいと思ったとき、世間から後ろ指さされない道を歩むことは難しいこともある。

あってはいけない三年間だけど、あのご縁とあの三年間があるからこそ生きる力を得ることができたのではないか。

知りたい欲求に従って追求して知り得た事実を門田さんは新聞に書くのだろうか?知られざる真実のままがいいこともある。

絵画という共通項がなくても、この家族は成立したのだろうか? そう考えると何かしらのつながるものは大切な気がする。

ジョージ・ウインストンの「Longing /Love」のつながりについて最後に種明かし的に読んだとき「あっ!そういう…」と思いました。私も好きな曲のひとつ。

30年という月日はいろいろなことを和らげもするが、忘れることがないものもある。門田さんと私は似た年齢なので、その時代の変化を実感できました。貴彦さんはその後どうなったのか気になる。

それにしても絵画を見る目が変わりました。

以下は文中引用とミニ感想です。

忘却の彼方になったことでも 忘れられない者たちがいる。→その現場に直接関連した人と蚊帳の外から見ていた人との違い。

あと少しの信望ができるのは、それなりに長く生きてきたからだ。老いていくのも悪いことばかりではない。

情熱と非効率は親和性が高い。→かといって情熱のないところに効率があるということもない気はします。情熱があれば非効率なことであってもがんばれる!

人には事情がある。

この世で紳士淑女ほど信用ならないものはない。

地位が人を狂わせていく。

外はよく見えるが、内は見えにくい。

美しいものはありのままできれいなんだよ。

物事には必ず終わりがあって、美しいものほど早く消えてしまう。

世の中が楽ちんになると、何でも自分の思い通りになると勘違いする人が増えると思うんだ。だからこそ「存在」が大切。→この辺りがタイトルにつながっているのだろう